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Meat Loaf   ミートローフ

「恥ずかしいくらい熱すぎるドラマ」
     Pantetsu

風邪で高熱が出たと言っても、せいぜい39度くらいで、40度の高熱なんて大人になったら絶対に有りえないと思っていた時、正確に40度以上に発熱して寝込んだ事がある。本当に頭がボーッとするんだなと偉く感心しながら会社を休み寝ていたのである。そしてラジオから「ミートローフ」の「地獄のロックライダー2」が流れていた。高熱に魘されながらも神が降りてくる様としか言い様が無い位に感動した。体中が芯から熱くなった。 当然、思考力の低下から来る勘違いと、風邪によって体が熱していたのだが。

回復後、早速CDを買った。久しぶりに私を熱くさせた音楽を手に入れた。しかし、5分と経たずに我が妻は異常なくらいの拒否反応を示した。元来、大袈裟にドラマチックな音楽をこよなく愛す私としても、確かにウルサイ程しつこい音楽だなーと苦笑し、執拗に拒否する姿に罪悪感を感じCDを止めたのである。

当然「2」を買ったからには最初の「地獄のロックライダー」も買わんといかん、しかも全米で爆発的なヒットを記録した名盤中の名盤らしい。しかも、プロデュースはトッド・ラングレン、おまけにエドガー・ウインターがサックスで参加している。これは直ちに買わなくてはと急いで走った。

会社では仕事中にCDを流しているのだが、皆、ソニック・ユースを流そうがクリムゾンを流そうが文句を言われた事は無かった。しかし「地獄のロックライダー」は違っていた。どうやら「やかましい」を通り越して「腹立たしい」らしい。そんな訳で私は一人こっそりとヘッドホンで聴く事になった。んーーー確かにイライラする。

「地獄のロックライダー」とはジム・スタインマンと言う作曲家でありプロデューサーである彼の、壮大なロック絵巻である。音はスプリングスティーンの「BORN TO RUN 」的な疾走感に溢れた物だが、とにかく壮大なスケールで煽る。「どうだ!熱いだろー!感動するだろー!」と熱い眼差しで汗を撒き散らし同じセリフを何度も繰り返しながら同意を求めてくるのだ。とにかく熱いのだ(笑)限りなく拷問に近く、感動しないと許して貰えないのだ! しかも、その物語は余りにもチープなのだ!私は風邪による抵抗力の低下から、この怒涛の押し付けの言うがままになっていたらしい。

とにかく正常な精神状態では受け止める事は不可能なくらい、無駄にエネルギーが放出される作品である。彼の巨漢を受け止める為の体力に自身が有り、極限のロックドラマを熱く求める人には必聴のタイトルだ!

私は今でも悪戯で人に聴かせるが、必ず誰もが「なんじゃコリャー!」と怒り出す。しかし、ロックファンなら一度は聴かなければならない名盤だとも思っているのだ!熱きロック魂の関所だな・・・・

ミートローフ 「地獄のロックライダー」 ミートローフ 「地獄のロックライダー」 ESCA-7559
プロデューサーにトッド・ラングレン、作曲ジム・スタインマンによる壮大なロックドラマを描いた空前の大ヒットアルバム。とにかく全編を熱く駆け抜ける大袈裟なサウンド。熱血アメリカンロック野郎の暴走に貴方は何処まで絶えられるか!いっそ地獄に心中だ!
ミートローフ 「地獄のロックライダー2〜地獄への帰還」 ミートローフ 「地獄のロックライダー2〜地獄への帰還」 VJCP-17518
全米を壮絶なロックドラマに巻き込んだ大ヒット作「地獄のロックライダー」の続編。年月経ちながらも過剰にドラマチックな構成は健在!魘されるほどに熱く焼きつくサウンド!とにかく熱いものを求める人にはベストなアルバムである。とにかく疲れる。



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