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チープトリック / Cheap Trick

「リックはこの人で、チープはどの人?」
   Pantetsu

何度LIVEを観に行っても、つくづく思うのである。いつの時代に観ても、つくづく思うのである。チープトリックは溜息が出るほど素晴らしい本物のR&Rバンドなのである。エアロスミスやRストーンズを一流バンドと呼びながらもCD棚の中にはマライアキャリーとかアニメ声優のCDなんかが混在している様なフニャチン野郎や、眉間にシワ寄せながら、やたらとバンド名や曲名を覚えていて知識を美徳とするような卓上ロック野郎には一生解らないバンドなのである。

チープトリックは時代なんて関係なく終始一貫したPOPなR&Rライブバンドだ。確かに苦悩や屈折、自傷的世界観もROCKとしての重要な要素では有るし、唯一の存在が軸となりバンドの姿に不均等が生じていても、その危うさから桁違いのエネルギーが発される事も多々有る。しかしそれは結果的に良い音楽を産む機会も有るが、バンドの継続に多くは支障をきたしファンが望む姿を存続出来ずに終わる事も多い。だがチープトリックにはそんな難しさは存在しない。

デビュー当時はルックスの2人と、キャラクターの2人の不釣合いな面白さもあり、アイドル的色物扱いもされており、来日公演はアテ振りとの噂も立つほどインチキ扱いを受け、ROCK小憎からはベイシティローラーズと同類として悲しい評価をされていた。当時は私もインチキ扱いした内の一人だった。しかし、その噂のライブを収録した「Live At Budokan」は世界中でヒットし、世界に日本武道館の名を轟かせたので有る。 とにかくキャラクターは面白かったので人並みに聴いてはいたが特別な感情は全く無く、ほぼ一発屋的に姿を消すバンドと確信していた。しかし、それから25年近くが過ぎたが、現在の私のチープトリックに対する気持ちと評価は全く逆だ。

初来日の武道館での映像はNHKで全国放送され、ブラウン管に映るロビンザンダーはスケベな笑みを浮かべたヘタクソ優男で、リックニールセンなんて邪魔にチョロチョロ動き回る変なオヤジの印象しかなかったのだが、ある日カリフォルニアジャムの映像を見て私が完全に間違っていた事に気付いた。愕然とした。その映像の中には、獅子の如く激唱するロビンザンダーが居た。私が理想とするロックヴォーカルの姿をハッキリと表していた。私はあっさり寝返り、今では数々の来日公演に足を運んでいる。

チープトリックは途中にBASSのトムピーターソンの脱退があったが、現在ではオリジナルメンバーで活動している。エアロスミスと同じような流れでメンバーが戻った時点でヒットを記録している。しかし、オリジナルメンバーに戻ったことで異常に巨大化し、かつてのファンからは不満も聞かれる様なエアロスミスとは違い、チープトリックは結成当時からのスタイルを何一つ変化する事無く現在に至っている。彼らは自らの器を勘違いする事無くマイペースに、お互いのメンバーを尊敬し合い、時と共に表現力を増し続けている。

ロビンザンダーは派手なアクションも無く、客を煽る事も大袈裟なMCも無く、だだ歌うことに集中し、トムは12弦ベースで激しく空気を振動させる。リックは曲毎にギターを変え、何枚ものピックを撒き散らし、執拗に動き回る。そして背後には無表情にタバコを咥えたバーニーが巨体からタイトにリズムを刻む。デビュー当時から何も変わってはいない・・・しかし、確実に増強しているのだ。セールスの低調な時期、彼らは地方のライブを数多くこなしていた。そんなロードワークの着実な経験は揺ぎ無い自信と成って表れている。

最近見た映像ではドラムがヘルニア療養中のバーニーカルロスに変わり、リックの息子が叩いていたが彼は大変にバンドを理解していると言うか・・満足の行くヘルプで、先々の不安を取り除いてくれた。とにかく今のチープトリックを知らない旧ファンのオジサン、オバサンよ!一度足を運んでみては如何だろうか。チープトリックには軽快なR&Rナンバーから、感極まるバラードまで名曲ぞろいだが、コレといって傑作なアルバムは無い。とにかく有名なのは「At 武道館」だが、特筆するような優良ライブ盤では無い。とにかく「ミーハーバンド」では無い事は保証する。

Cheap Trick 「In Color」 Cheap Trick 「In Color」 
EPICレコード ESCA-7727
日本での人気を爆発させたアルバム。当時のイメージを象徴する様なジャケット写真の裏表、そして現在でも必ずステージで演奏される初期のビッグHIT「甘い罠」「今夜は帰さない」収録。初期チープトリックの代表的な一枚。
Cheap Trick 「AT BUDOKAN」 Cheap Trick 「AT BUDOKAN」 
EPICレコード EICP-7051
日本武道館の名前を世界に認知させたチープトリックの代表的かつ商業的成功をつかんだ名盤と言われるタイトル。
完全ライブ志向のバンドで有るだけに、このタイトルの価値は大きい。しかし、出来る限りライブ会場に足を運ぶ事をお勧めしたい。残念ながらCDではチープトリックのライブを満喫する事は出来ない。
Cheap Trick 「Sex America」 Cheap Trick 「Sex America」 
ソニーレコード EICP-72
数々の名曲を産んだチープトリックだが、アルバム的突出したタイトルが無いのは、一貫したスタイルを維持し続ける姿勢として理解している。基本的にロックバンドのベスト盤は無意味な物だが、特別なアルバムコンセプトを必要としないチープトリックの場合は実に嬉しい物と成り、編集された曲順に不満を感じることは無い。現在でもステージで演奏される名曲が新旧網羅されており、オリジナルアルバムを全て所有している私としても即買いしてしまった。
正直言って、コノ4枚組さえ有ればバンドの魅力は十分に満喫できるだろう。
後はLIVEに行って本物のR&Rライブを体験するだけだ!


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