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Brian Jones / ブライアン・ジョーンズ

「何も残さなかった天才からの贈り物」
             松田   裕之



「ストーンズのジャンピング・ジャック見たらさあ。サンダーバードだったぜ!」

高校時代の悪友が真顔でそう言った。ジャンピング・ジャックがサンダーバード??なんのこっちゃいと思いつつ怪訝な顔をしていると、とにかく一度見ろとのこと。当時はビデオすら普及してない時代だったから、ゲーセンでジュークボックス型の機械で洋楽ビデオは見るのが普通だった。放課後、行きつけのゲーセンで見たそのビデオには、ペネロープのような服を着て、銀色に塗りたくった顔を無機質に振り続けるブライアンのアップが映し出されていた。サイバージャンクな空間にぽっかり開いた画面を呆然と見続けていると、いつしか曲は終わり、あたりはキッチュな電子音だけが鳴り響いていた。

ブライアン・ジョーンズ。多くの人に「天才」と賞賛され評価され嫉妬もされた人だ。女は寝取られ、リーダーをやってたバンドは追放され、ドラッグに溺れ、挙げ句の果てはプールで水死した。たった26歳で。天才と呼ばれる人間特有の運の無さや、幸の薄さを十二分に体現した生き様は伝説なワケだが、他の天才と称される人々に比べてブライアンはあまりにも何も残さなかった。モロッコ音楽を電子的に加工したアルバム「BRIAN JONES PRESENTS THE PIPES OF PAN AT JAJOUKA」が唯一まとまったソロワークなのだが、このアルバムを1枚通して聴くのはかなり精神を疲弊させる。元来ジャジューカは儀式のためにトランス状態を作る道具であり、意識の中心を揺り動かすような感覚なのだ。だが、テクノの原形とも言えるこのアルバムに原初的なロックを強く感じる。


 さあ、この音楽を聴け。
4000年前から伝わる
ロックン・ロール・バンドの音を・・・
からだ全体で聴け。
体中に染み込ませて、動かされてみろ。
(ウィリアム・バロウズ/ブライアン・ガイシン)


The Pipes of Pan at Jajouka
The Master Musicians of Jajouka featuring Bachir Attar
Brian Jones Presents: The Pipes of Pan at Jajouka

Point Music  446 487



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