ROCK ARTISTS BIOGRAPHICAL DEPARTMENT
JAPANESE ROCK ARTISTS SECTION

キャンディーズ

「シンデレラ・ストーリーは永遠に」　　松田裕之

午前12時の鐘の音は絶望と共にやってくる。全ての魔法は解け馬車はカボチャに、お姫様は普通の女の子に戻る。1978年4月4日後楽園球場で３人の女の子のシンデレラ・ストーリーは完結した。でも、慌てて置き忘れたガラスの靴は巧妙に仕組まれたものだったのか？

前年の解散宣言から運命の日に至るまでの狂騒曲は、もちろん熱狂はあったのだけれども誰もがどこかそわそわして落ち着かず、砂時計の砂を止められない自分の無力さに苛立ちさえ感じていた。３人のアイドルが普通の女の子に戻るというだけの話なのに・・・。バックバンドを努めたＭＭＰが「スーパー・キャンディーズ」という“最初で最後”のレコードを出したのを始め、惜別キャンディーズ賛歌が幾つか発売されたのも異例だろう。“キャンディーズ狂”を自認し、「やさしい悪魔」を提供した吉田拓郎がアルバム「大いなる人」の中で「アン・ドゥ・トロワ」をカバー。最後に「さよならキャンディーズ・・・」というフレーズを入れている。かくいう私も「ランちゃんだけは辞めないで〜」と叫んだクチだ。

キャンディーズはただのアイドル歌謡ではない。極めて高いポップ性を持っている。デビュー以来発売されたシングルはほぼ外れが無く、今聴いても充分にいけてるクオリティの高さには驚かされる。PSY'Sの松浦雅也氏がリミックスしたものもあるが、やはり原曲が素晴らしいのは言うまでもない。

	キャンディーズ 「ベスト・コレクション」　SRCL2717　ソニー
	キャンディーズのシングルに外れ無し。 素晴らしい女性女性ポップスの珠玉の名作を堪能して欲しい。

Ｂａｃｋ

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