ROCK ARTISTS BIOGRAPHICAL DEPARTMENT
JAPANESE ROCK ARTISTS SECTION

浅川マキ

「ちょっと長い関係」　松田裕之

「あんた。よくきたね。」浅川マキは格好ええ。

「幻の男たち」

浅川マキには凄い男達が集まる。言うまでもなく寺山修司。ミュージシャンでは山下洋輔、近藤等則、本多俊之、渋谷毅、後藤次利、川端民生・・・・・。

　「それはスポット・ライトではない」での、つのだひろとの絶妙なバランス。
　「あの男がピアノを弾いた 」は阿部薫のこと。
　”僕がピアノを弾くのに君は何故歌わないの？”

ステージに上がったのはミュージシャンだけとは限らない。
菅原文太は歌詞を団扇に書いて汗だくで「一番星」を歌った。
原田芳夫は「リンゴ追分」を歌って大喝采を浴びた。
松田優作は歌は下手だったが、こわばった表情で舞台に腰掛けるやいなや、観客から「優作、おめえ歌えんのかよ！」と野次られてすっくと立ち上がり、
「上等じゃねぇか、あがってこいや」と客席に凄んだ。

サングラス、トレンチコート、煙草・・・モノクロームのジャケットからアナログ盤を取り出してレコード針を落とせば、スクラッチノイズさえも浅川マキの世界の一つになってしまう。「アンダーグランドの女王」なんて冠はいらない。余計な色を加えるのは邪魔でしかない。
浅川マキを無理に聴け何て野暮なことは言わない。もし縁があれば聴いてくれればそれでいい。そして、ちょっと長い関係になってくれれば。

	浅川マキ「DARKNESS �T」 TOCT 9131 東芝ＥＭＩ
	初期の代表曲を集めた２枚組ベストアルバム。 何度聞いても飽きない珠玉の名曲の数々。 浅川マキを最初に聴く人にお勧め。
	浅川マキ「浅川マキの世界」
	浅川マキ「浅川マキ�U」

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