ROCK ARTISTS BIOGRAPHICAL DEPARTMENT
JAPANESE ROCK ARTISTS SECTION
頭脳警察
「万物流転」 松田裕之
ギリシャの哲人ヘラクレイトスは「暗き人(ホ・スコテノイ)」と呼ばれたが、これは彼の著作があまりに難解でさっぱり理解できなかったことによる。つまり「ワケワカラン奴」程度の意味だったのであるが、確かに水腫病にかかった時に医者に対して「洪水の後で日照りをつくれるか」などと訊いて、医者がぽかーんとしてるのを見込み無しと判断し、牛糞の山に寝そべって、その熱で身体の水分を蒸発させようとしたが果たせず、結局牛糞まみれで死んだ。ワケワカラン・・・
ソクラテスですらその難解さに匙を投げた彼の難解な言葉の中で比較的分かりやすくて有名な言葉に「万物流転」というのがある。万物の根源は火であり、すべてのものは火から生じ、また火に帰る。火は濃厚になって水となり、さらに土となる。そして逆に希薄になって、土から水へ、さらに火に帰る。
昔話はもう飽きた。火はいつまでも火ではない。「時と共に移り変わるのは表層的な部分だけであって、本質な事は何も変わっちゃいねえ」。頭脳警察=革命三部作、1st・2ndの発禁・回収騒動は語られ尽くされた昔話。年寄りの繰り言はうんざりだ。
第一期頭脳警察でもっともバンドとしてグルーブ感のある「悪たれ小僧」はライブで取り上げられることの多い名曲が多数の好盤。PANTAとTOSHIを中核としてバンドとしてまとまった時の頭脳警察は格好いい。再結成時の「7」も同様。名ばかりの再結成が多い中ひと味違うところを見せつけた。おお、パンタレイ・・・
1〜3までばっかり聴いてないで「万物流転」の朝霞キャンプでのライブ映像も観るべし。さもなきゃ音源の「Live
In Camp Drake」。気分は「Blood Blood Blood」
頭脳警察 「悪たれ小僧」Victor VICL-2007 | |
初期頭脳警察の最期のアルバムにして最高のグルーブ感のある傑作。 1st、2ndもいいが、こちらが音的にはお勧め。 |
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頭脳警察 「頭脳警察7」Victor VICL-102 | |
再結成時極秘裏にレコーディングされたアルバム。 練りに練られた楽曲郡は単なる懐かしの再結成ではなく聴き応え充分。 |
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頭脳警察 「Live In Camp Drake」Victor VICL-122 | |
再結成時の朝霞キャンプでのライブ盤。ベスト盤としても聴ける。 まず頭脳警察を知りたいという人はこれを聴いて欲しい。 |
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頭脳警察 「万物流転」(ビデオ)Victor VIVL-23/VILL-23朝霞キャンプでのライブを収録したビデオ。観客の熱気がモロに伝わってくる。パンタもトシもノリノリでメチャメチャ格好いい。必見。 |