ROCK ARTISTS BIOGRAPHICAL DEPARTMENT
JAPANESE ROCK ARTISTS SECTION
THE MODS
「走りつづけるオッサン達」 SHINGO
「夜のハイウェイ」の頃だったかな・・。THE MODSが“夜のヒットスタジオ”に出演してたとき、健康法の話になって、古館伊知郎が出演者に「あなたの健康法は?」みたいな質問をしてた。森ヤンの時には「モッズはもうベテランになってきましたけど激しいステージですよね、なにか健康法があるんですか?」みたいな質問だった。
そのときの森ヤンの答え。「う〜ん、酒とタバコをガバガバやるっちゅ〜ことッスかね・・・」メジャーデビューしてから20年経った今も、その健康法をひっさげて(笑)モッズはバリバリの現役だ。しかも79年にメンバーチェンジして以来22年、不動のメンバーでやってきたというのは驚嘆である。
そりゃあ20年もやってりゃあ辞めたいときもあったでしょーよ。音楽性があらぬ方向へ行きかけてた事も確かにありましたよ(あくまで私が勝手に期待してるスタイルから外れてるってことですけどね)。それで「モッズは終わった」なんて勝手にほざいて、聴かなくなってた時期も何回もありましたよ、正直言って(いつのことかは敢えてここでは言いませんけどね)。でもその度にいつもモッズは還ってきてくれた。ボクの期待する場所に。しかもその度にさらにパワーアップして還ってきてるように思えるんだから驚くよ。
初めて出会ったときは衝撃的だったね、一発で惚れたよ、あのルックスもサウンドも全て含めて。思春期にいろんな事をちょっとずつ考えだした頃にはいっぱい教えてもらったね、モッズの曲に。そして社会に出て、つらいことや嫌な事があったときもモッズの歌に勇気をもらったり忘れさせてもらったりしたな、随分。彼らの曲は決してガンバレロックじゃないんだけどね、なんか勇気が出たよなー・・・。
今はちょっとだけ社会にもまれて、少々のことではたじろがない大人になっちゃったし、他のいろんな音楽も聴いてるけれど、それでもこのバンドを捨てることは出来ない。ブリティッシュビート、パンク、モッズ、ガレージ、ギャングロックetc......モッズの音楽を形成してる音楽ジャンルは数え切れないけれど「とにかく文句なくカッコイイ、ただのロックンロール」を相変わらず演り続けてるこのバンドをトコトンまで大事にしていきたい。
袖なしのボーリングシャツに皮パンにステッカーベタベタのテレキャスター、そして短髪のロックリーゼントで叫ぶ森ヤン、ライダースの上下に黒のタンクトップ、オールバックに鬼のような目つきで弦をハジきまくる北里サン、スーツを基本にしてスタイリッシュ、ロカビリアンのようなリーゼントでかっこいいリフを弾き続ける苣木サン、そしてクールに力強くリズムを刻み続ける梶浦サン。
4人の顔にはだいぶしわが増えて(それがまたシブイんだけどね)年齢的には完全にオッサンであり、一般社会では同年代でこんな格好をしてるヒトはいないのかもしれないけれど、ジィさんになってもずっとこのスタイルで、くたばるまで「ただのロックンロール」をお願いしますね、皆さん。私、ずっと見つめ続けてますから。
THE MODS 「THE MODS BEST“Records” ARCL-208〜9 |
|
もうこのバンドの場合、オススメが多すぎて1枚2枚を選ぶことなんてできません。ほとんど、どれを聴いてもらってもOK状態ですけど、ここでは敢えて直近にでた、この2枚組ベスト盤をススメておきましょう。 |