ROCK ARTISTS BIOGRAPHICAL DEPARTMENT
JAPANESE ROCK ARTISTS SECTION



まりちゃんズ

「サイケ?変態??元祖オタク達」
  SHINGO

6、7年前のある日、CD屋で不思議なものを見つけた。中途半端にサイケな虹色のバックに女装をした男と、目の周りに蝶の羽のメイクをした男と、角刈りに皮のジャケットを着た男が写っている、変なビジュアルのCDだ。

タイトルは「まりちゃんズベスト」と書いてある。「なんじゃ!?こりゃ」裏ジャケットを見てみる。今度はモノクロで、先ほどの3人の男がまるでヤクザのようなスーツ姿で写っている。収録曲を見てみると“尾崎家の祖母”“ブスにもブスの生き方がある”“オザキの逆上節”など意味不明のタイトルが並んでおり、まったくもってわけがわからない。

昔のバンドなのか新人バンドなのかもわからない。が、買ってしまった。今買っておかないと二度と出逢えないような気がしたのだ。なぜそう思ったのか?なぜ買ってしまったのか?そしてこのバンドに出逢ったことが良かったのか悪かったのかさえ現在でもわからない。しかしとにかく私は出逢ってしまったのだ。うーむ、このバンドをなんと表現したらいいのだろう・・。

ライナーノーツに書いてある、バンド名の由来にちょっとだけ正体のヒントがあるのかもしれない。メンバーの3人は幼なじみで家も近所だったらしく、その町内に「まりちゃん」という3人共通のマドンナがいたそうで、それをバンド名にしたのだそうだ。そして「まりちゃん」という曲を作っている。

歌詞を読んでみると・・「ボクはウンコをするたびにまりちゃんのことを考える、まりちゃんもウンコをするのかな?まりちゃんのうんこもくさいかな??」ってな具合だ。「続まりちゃん」って曲では「もしまりちゃんがゲリ気味でおならをプープーしていたら他のヒトになんかかがせるものか、みんなボクが吸い込んでやるぞ」ときた。

そうか!この人たちは変態か?ストーカーのはしりか??元祖おたくか???と、まあこれは私の勝手な推測だが、当たらずも遠からずではないんじゃないか?あー、ここまで書いて考えるのがバカバカしくなってきた!いくら考えてもこのバンドが27年前に実在したというのは厳然たる事実じゃないか!!余計な詮索などしないで、興味のある奴だけが耳に叩き込み、ただ黙って現実を受け入れるのが正しいのだろう。

それにしても、こんなバンドをのさばらせていた当時の音楽業界と、こんな作品をリリースしたERECレコードの懐の深さにただただ脱帽し、敬意を表する・・・。


☆これを聴け!☆

まりちゃんズベスト ※ まりちゃんズベスト PSCR-5329
27年前に彼らが残した2枚のアルバムから選曲されたベスト盤。
不朽の名盤というわけでもないこのアルバムが1994年に突如再発されたことは、まったくもって謎である。



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