ROCK ARTISTS BIOGRAPHICAL DEPARTMENT
JAPANESE ROCK ARTISTS SECTION



GUITAR WOLF / ギター・ウルフ

「レッツゴーロケンロー!!」
  SHINGO

ここまではっきり「ロケンロー!」と言い放つバンドを久しぶりに見た。

いいねえ、やっぱりロックバンドはこうでなくっちゃ。ラウド?パンク?ガレージ?そんな陳腐なジャンル分けとは無縁の所にいるのさ、こいつらは。演っているのは黙って「ロケンロー」なのだよ。

私が最初にこのバンドを見たのはあるテレビ番組。小室哲哉がパーソナリティーを務める番組の中の“今週のスポットライト”的なコーナーに、なぜか突然現れた皮の上下にグラサンの3人組。番組前半での、小室哲哉の甘いマスクとはんなりしたトークをぶっ飛ばすかのようにおもむろに始まった爆音ロック!!もー来る途中で嫌なことがあったとしか思えない、叩き付けるようなステージアクションと、親の仇のように繰り返し叫ばれる「ベイベー!」「ロケンロー!!」のカタカナイングリッシュ!!「ダッセー」と「カッコイー」が同時に来て、次の日速攻でCD屋に走り手にしたのがメジャーデビュー盤「狼惑星」(※1)。

40分間、息もつかせないロケンローの嵐で、考えるまもなく一気に聴かされた。スリーコードの、なんの工夫もないロックンロールに「カワサキZU750ROCK'N'ROLL」「オールナイトでぶっとばせ!!」等の、恥ずかしくて常人にはとても口に出来ないような歌詞が平気でのっている。メンバーはといえば・・・ギター:ギターウルフ、ベース:ベースウルフ、ドラム:ドラムウルフと、これまた信じがたいセンス。もう何から何まで近年の日本ロックの常識を完全に逸脱したこの男たちに、完全に脳みそを揺すられっぱなしである。

聞けば彼らは、メジャーデビューした頃には既に全米ツアーを成功させており、アメリカのロケンロー好き達には熱狂的に受け入れられていたそうだが、それもうなずける。「ロケンロー」は世界の共通語であり、それをここまで堂々と叫ばれたらそりゃあ放っとけませんよ、

ロック中毒者は。それにしてもスマートで都会的な歌詞とサウンドを並べ立てるロックバンドだけがもてはやされる世界になったとばかり思っていた日本ロック界だが、このギターウルフの作品がメジャーでリリースされ、多くのファンが彼らについていっている事実を見れば、我が国の送り手も受け手もまだまだ捨てたモンじゃないなあと、エラそーに思う、今日この頃である。


☆これを聴け!☆

ギター・ウルフ 「狼惑星」 ※1 ギター・ウルフ 「狼惑星」  KSC2-190
40分間、ノンストップの爆音ロケンロー!!理屈は一切必要なし。
とにかく一度聴いてみて それから話そう、彼らのことは。



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