ROCK ARTISTS BIOGRAPHICAL DEPARTMENT
JAPANESE ROCK ARTISTS SECTION



ZIGGY / ジギー

「絶妙!!“泣き”のメロディー」 
  SHINGO

弱いんですよねー私、歌モノに・・・。
ZIGGYが登場した87年頃、日本のROCK界では「バッドボーイズロック」なる、顔を赤らめるようなネーミングのムーブメントがちょっとした嵐を巻き起こしていた。

ニューヨークドールズやエアロスミスなどのような70年代前半のロックンロールやグラムロックのルックスとサウンドを意識したバンド達、レッドウォリアーズやG.Dフリッカーズ等が一気にブレイクし始めたのだ。その中の若手バンドの中心的存在がZIGGYだったわけで、私が最初にZIGGYを見つけたのは、何かの雑誌で見た小さな小さな写真だった。「おぉぉ!エアロスミスにジョニーサンダースが加入!?」というルックスが印象に残った(笑)。

その後メジャー 1st アルバムを聴く。サウンドはともかく、圧倒的にポップなメロディーラインに友人達は「カッコだけの歌謡曲ロック」と口を揃えた。私もそれにおおむね同調しながらも、やっぱり捨てきれなかった。

後々までライブで演奏された彼らの人気曲“I'M GETTEIN' BLUE”“HOW”(※1)に代表される限りなく歌謡曲に近い泣きのメロディーラインは圧倒的に美く、私は友人達に非難されながらも聴き続けた。「GLORIA」がなぜかフジテレビ月9ドラマの主題歌になり(全然ドラマの内容にあってなかったぞ〜!)チャートの3位に踊り出て、ライブ会場が長髪ロック少年の横にOL軍団がいる、という奇妙な雰囲気をかもした頃の友人達の冷たい目は最高潮に達したが、それでも耐えて聴き続けた。

繰り返す!。弱いんだよ〜、歌モノに。ZIGGYの楽曲の作詞作曲の多くはボーカルの森重樹一によるものだが「沢田研二が好き、西城秀樹も結構聴いたな」と語る彼のメロディーメーカーとしてのしての才能は日本でも屈指だと私は思う。それはデビュー以来、アイドル歌手からお笑い芸人まで多くの人たちに楽曲を提供していることからもうかがえる。

そしてあのルックス。デビュー当時の森重のルックスはスティーブンタイラーそのものだし、マイクスタンドにスカーフを巻きつけるのもエアロのパクリだ。髪の毛を金髪に染め上げ黒いアイシャドーを塗ってハノイロックスのマイケルモンローになりきっている時期もあった。また彼が70年代洋楽ロックのかなりディープなマニアであることも、みんなに鼻で笑われながらも雑誌のインタビューや再発CD等のライナーノーツでの彼の文章に注目してきた私は知っている。

このようにいろんなモノをゴチャマゼにして、同次元に考える自由さがZIGGYの個性であり魅力であると私は今も信じている。あの執拗までにポップなメロディが最後まで理解されない足かせになっているようだが、ZIGGYを拒絶する全ての人たちに私は言いたい。

“歌謡曲の泣きのメロディー”というのは日本人が潜在的に必ずもっているモノであり、それを無理に隠す必要がどこにあるんだい?そしてZIGGYの持つサウンドと雰囲気は日本の中ではかなりROCKじゃないですかい??と。


☆これを聴け!☆

ZIGGY 「ORDER MADE」 ZIGGY 「ORDER MADE」  徳間ジャパン TKCP-30718
「私の好きなZIGGYの曲」というファン投票により、得票の多かった順に曲を並べたベスト盤。
初期から中期の名曲たちがズラリと並んでおり、ファンも初心者も楽しめること間違いナシ!




Back

Top