ROCK ARTISTS BIOGRAPHICAL DEPARTMENT
JAPANESE ROCK ARTISTS SECTION



ほぶらきん 

「ゴースン」 
        Nakadelic

滋賀県といえば琵琶湖であるが、むしろ琵琶湖のほうが有名であって、琵琶湖の中に滋賀県があると勘違いしている奴もいるかもしれない。ほぶらきんは滋賀県が生んだ伝説のロックバンドである。ボーカルの森下氏が6歳の時にオナニーを覚えたのが奇しくもローリング・ストーンズ結成の年であったのも伝説に花を添えることに。

メンバーで唯一まともに音楽ができたという森下氏の作るロックはどうしても童謡になってしまった。童謡パンクロックの誕生である。全てのライナーノーツやジャケットを手がけたリーダーの青木氏の微細なる人間観察力・妄想力・表現力も手伝って、ただでさえアクの強い関西インディーズの世界において非常に特殊な地位を築くこととなった。まわりがメジャー音楽へのアンチテーゼ的アプローチを見せる中、ほぶらきんは何をしていたのかといえば、マージャンを打っていたのである。アンチテーゼに対するアンチテーゼである。

賛成の反対の反対は賛成なのだの法則通り、ほぶらきんの音楽は非常に聴きやすいものとなっている。曲の長さも1分前後のものが多く、まるでおもちゃ箱をひっくり返したかのような煩雑さである。そのどれもが懐かしさを誘う。しかしよく見ると人形が奇形児だったり戦車の砲台が常にこちらを向いていたりするのだ。

現在のほぶらきんはどうしているのかというと、音楽活動はしておらずマージャンを打つ為に集まる程度のようだ。活動停止なんかじゃない。単にマージャンと音楽の比率が変化しただけ。マージャンの占める割合がかつての8割(予想)から10割に変わっただけのこと。その根底に流れるものが当然普遍であることは、彼ら自身が運営するホームページ(http://www3.ocn.ne.jp/~kinose/)を見ればお分かりになるであろう。

ここで紹介するCD「ほぶらきん」は「こっぷらきん」「キングホブラ」「インドの虎狩り」「ゴースンの一生」にソノシートと未発表音源を加えた、まさにほぶらきんの歴史を網羅した、この先はないぞの一枚である。必聴。

ほぶらきん 「ほぶらきん(Gold Rock Series)」 ほぶらきん 「ほぶらきん(Gold Rock Series)」
Alchemy Record ARCD-029
ほぶらきん 「ランニング・ホームラン」 ほぶらきん 「ランニング・ホームラン」
Alchemy Record ARCD-131


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