ROCK ARTISTS BIOGRAPHICAL DEPARTMENT
JAPANESE ROCK ARTISTS SECTION


渚よう子

「平成に咲いた徒花。悲哀の歌姫、昭和歌謡を歌う」
     

SHINGO      

時代はデジタルである。だれもが小綺麗に生活しているのである。みんなが好んで聴くのはキラキラしたPOPミュージックなのである。そんな時代に彼女は、何故か執拗にジメジメしたアナログ昭和歌謡を歌う。東京スカパラダイスオーケストラが大いに受け、EGO-WRAPPIN'の楽曲が人気ドラマの主題歌に起用される今日、確かに古き昭和の匂いをもつ楽曲達が受け入れられる空気があるにはあるが、彼女の繰り広げる世界はこれらとは明らかに違う。

先に挙げたスカパラ達の音はあくまで“匂い”を持っているだけであって、やはり本質としては“現代の音”である。だが彼女、渚よう子の音は“昭和の音”そのものなのである。自らのフェイバリットに「藤圭子」「弘田三枝子」をあげていることからもわかるように、彼女は「昭和歌謡の香りを現代風にカッコよくアレンジ」なんて器用なことなどハナっからする気もなく、まさに“昭和歌謡”という“音楽”を忠実に体現しているのである。まさに徒花、物珍しさで一時的に脚光を浴びることはあっても大ブレイクすることは絶対にない悲哀の歌姫である。

え?昭和歌謡ってどんなのを指すんだっ?だって??そう思うなら聴いてみなさいって。無表情でジメジメッとした、渚よう子の華麗なる世界を。


 

Yoko Elegance〜渚ようこの華麗なる世界   Yoko Elegance〜渚ようこの華麗なる世界  TKCA-72396  
見てくださいよ、このジャケットを。
徹底的に“昭和”にこだわってます。
音もそのものズバリ“昭和”です。
ちなみに昭和の名歌手“渚ゆうこ”とは別人です。
私はこれを聴くとなぜか「傷だらけの天使」や「太陽にほえろ」が強烈に見たくなります



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