ROCK ARTISTS BIOGRAPHICAL DEPARTMENT
JAPANESE ROCK ARTISTS SECTION


村八分

「飛ぶ薬」
                   

 < 畜生 >

 ここ最近まで、俺は日本のロックに幻滅していました。二年前から洋楽ロックの味を覚え そろそろ自論も出来て来て、小生意気になってくる時期だなぁとは思ってはいたんですが。

だけど、村八分に出会って日本のロックってやっぱりすごいのかもって思いました。もうね。殺伐としてる。何か一瞬でも気を抜くと魂持ってかれそうな音なんです。俺は村八分を覚せい剤に例えられると思います。やったことないけど(笑)

覚せい剤って誰がやっても気持ちいいと思うのは大きな勘違い。体質的に合う人と合わない人 がいるらしくて、合う人は一躍エクスタシー、合わない人は気分が悪くなって終了だそうですよ。まさにそうなんです。このバンド。

俺はこのバンドに合う体質で親に感謝していますよ(笑) ローリングストーンズを語れるほど聞いたことがないので、引き合いに出すのもどうかと思いますが 受け売りだと音はストーンズが基本だそうです。でも、その一言で片付けられると、俺は思わない。だって、あの日本の風土に染み込んだ独特のアンニュイ感と詩の世界、ロックやブルーズだけに囚われていない日本の音楽もきっちり吸収してる感のあるキャッチーかつ鋭角な日本刀のようなギターリフ。 やっぱり、日本人だからこそここまで惹かれるんでしょうね。

村八分を知ってから、ロックってカッコいいものなのかな?って自問自答するようになりました。 たいていのバンドは女の子にキャーキャー言われて、華やかに演奏する。だけど、村八分は女の子の悲鳴が ライブ盤の最初に入ってはいるけど、京都弁ずうずうの歌詞、反社会的とも言われる差別表現、酔っ払いや ジャンキーを彷彿させる滅裂な歌詞。他のバンドのように自分をクールに見せようと努力するよりむしろ 自分の限界、すなわち人間の強さと弱さを表現し、音楽という媒体を使って放出してゆく・・・。

中学の時の数学の先生が「カッコいい」の語源を教えてくれたのを覚えています。 カッコ()をつけるというのはほかと区別をされてて目立っている。だからカッコいいと言われることは良い意味でも 悪い意味でも他とは一線を画していることなのだと。なるほど。各個人の価値観は違えども、やっぱり村八分は 他のバンドとは別格だなぁ。・・・・・・・かっこいい・・・・。


村八分 / LIVE '72 三田祭
GOODLOV-007
村八分 / ライブ + 1
GOODLOV-008



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