"THINKING SOCIOLOGY" THEME :
ROCK MUSIC


「麻雀とロックの共通感性」    松田裕之 

学生時代の友人は音楽(ロック)好きで麻雀好きな奴がほとんどだったので、週末ともなれば面子を揃えてアホみたいに麻雀を打ちまくった。そんな連中とも諸事情でバラバラとなり、卓を囲む回数も格段に減ってしまい、今や数年に1回とかというレベルなのだが、最近はテレビ(特にCS)で麻雀番組などをやっているので、これをしばしば鑑賞しておる。

昔も東大出の雀士がやってた番組を「ふむふむ」だとか「ほぇ〜」とか言いつつ観ていた記憶がある。素人が打つのを見てもオモロくないが、プロ雀士の打つのを見るのはオモロイ。彼らは強いというのは当たり前として、見られることを前提として打つので「ギャラリーを納得させる」「魅せる」という部分が、かなりのウェートを占めているのだ。なんぼ強くてもリーチかかったらベタ降りばっかりじゃあ、誰も一流とは認めんでしょう。つーか、つまらんわ(笑)

で、最近の雀士達はいかなる打ち方をしとるのだろう?と興味深く鑑賞しているのだが、昔から居る有名なおっさん達は、相も変わらず凄まじい打ち筋というか、多少、引きの弱くなった分も含めて、たとえ負けても充分に納得いきます。ウンウン。ところがである、若手と言われてる雀士はどうもつまらん。おっさん達の匠の技と比べると、、、てのもあるけれど、やれ「デジタル」だの「牌効率」がどうのこうのと、そりゃまあ麻雀はある程度までは確率論のゲームだけれど、運だとかツキだとか牌の流れだとか人知を越えた不確定要素を含んでるわけで、それらが卓を囲む4人に付きまとった上での駆け引きがあるのだから、そりゃあもう感性だとかが問われるわけですな。世の中割り切れる物ばっかりじゃあ無いのよ。

一流雀士の感性はロックの感性と近い、と言っとこか。自分でも説明しにくいが。

ああ、麻雀も変わったなあと軽く失望しながらも、最近は女性雀士も多いってことらしいのでぼんやり見続けていた。「ギャル雀」と聞いた時は目眩がしたが。。。麻雀で女性と言えば「脱衣」ぐらいしか連想されないエロい我が頭脳。テレビの前で半笑いであっただろう。彼女たちが登場すると「若いジャン♪」とか「結構可愛いジャン♪」とか脳内脱衣麻雀だったのだが。。。意外やこれが割と古典的。いつの間にやら「やるジャン」。上で述べた最近の雀士達は主に野郎共の事だったのだが、彼女たちの方がプロ雀士らしかったりするのだ。滅びゆく感性をギャル雀に垣間見たのかも知れませんな。

ロックでも麻雀でも結局「男」が合理化という名の下に感性を駄目にしてるんじゃないかと、ぼんやり考えた秋の昼下がりなのであります。


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