吉川三国志 読書記録 2021  りょう99@笠原良太 

三国志 全十巻 吉川英治著 新潮文庫 

吉川三国志を読むのも23回目くらいとなりました。

下から書いてます。


■2021年10月5日(火)

「三国志 十 五丈原の巻」 吉川英治著 新潮文庫 読破

蜀の諸葛孔明と魏の司馬仲達の決戦の十巻。
司馬仲達、鮮やかなデビュー。
孔明敗れる。
泣いて馬謖を斬った。
しかし司馬懿は守りに徹して戦わなくなった。
戦えば孔明の謀りに落ちるのである。
また蜀は道が険阻で兵糧の輸送に欠点があった。
兵糧が続かないのだ。
それもあって司馬懿は守って戦わなかった。
孔明は女性の服を司馬懿に贈った。
おまえは婦女子のようではないかと。
この話は高校の漢文の本に載ってました。
とうとう孔明は五丈原に死んだようだ。
司馬懿は喜んで蜀軍に攻め込むが孔明は生きていた。
司馬懿はびっくりしてどこまでも逃げて行った。
あとで聞くとその孔明は木像であった。
孔明はやはり死んでいたのだ。
 完

  

■2021年10月1日(金)

「三国志 九 出師の巻」 吉川英治著 新潮文庫 読破

荊州は魏と呉に攻められ関羽は最後となった。
劉備は関羽にとどめを刺した呉に攻め込んだ。
それにあたり張飛は部下に皆白装束に3日でしろと 
無理なことをいって部下ができないというと
その部下を100叩きにした。
部下は張飛の寝首をかき呉に投降した。
死ぬ日は同じ日にっと誓った桃園の義はここに終わった。
孔明は呉に攻め込むのは反対だったので従軍しなかった。
劉備は呉に連戦連勝で勢いよく長江を下っていったが、
75万もいた兵はどんどん厚みが薄くなった。
呉の陸遜はあえて戦わずこの時を待っていた。
蜀の75万もいた兵は火計により中核を崩されると
皆バラバラになり殲滅(せんめつ)されてしまった。
劉備は白帝城まで逃げ、これに恥じてそこを永安宮と名づけ
蜀に帰ることはなくここで死んだ。
死に望んで劉備は孔明に言った。
「わが子に素質がなかったら孔明が帝となり蜀を治めてくれと」
劉備の子、劉禅は帝王の器はなかったが孔明はよくつくすことになる。
それから孔明は蜀呉同盟を復活させて南蛮を制圧に行った。
南蛮王孟獲は七たび捕まり七たび放され心から王化に服した。

  

■2021年9月28日(火)

「三国志 八 図南の巻」 吉川英治著 新潮文庫 読破

劉備は蜀を手に入れ、また漢中を得て漢中王となった。
曹操と対峙して曹操軍を破る。
曹操は顔に矢を受けて歯を砕かれる。
この頃が劉備が一番調子の良かった頃である。
魏と呉は戦ってばかりいたが、一番得したのは蜀ではないかと
考え直して同盟を結び関羽のいる荊州を取ろうとする。
関羽は魏のホウ徳を倒したがひじに矢を受ける。
関羽が危ない。

  

■2021年9月23日(木)

「三国志 七 望蜀の巻」 吉川英治著 新潮文庫 読破

赤壁の戦いは呉の大勝利に終わった。
曹操の天下統一の望みは絶たれた。
魏と呉がやりあってるすきをついて劉備は荊州を得た。
荊州を得たのは呉のおかげではないかと苦情がきて
劉備は蜀をとったら荊州は呉に渡すと約束する。
劉備は漢中の張魯から蜀を守るためと称して蜀へ入っていく。
劉備と孫権の妹との婚姻もなっている。
ホウ統が劉備の副軍師となった。
鳳雛(ほうすう)は鳳凰(ほうおう)の雛(ひな)。
伏龍(ふくりゅう)は伏(ふ)せる龍に似る。
伏龍、鳳雛、一人でも得れば天下は掌(たなごころ)にあろうといわれている。
鳳雛はホウ統であり、伏龍は孔明のことである。
劉備は両方とも得ることができた。
赤壁のおり、周瑜は孔明の智謀を危険視して殺そうとばかりしていた。
劉備と孫権の妹の婚姻も、劉備が呉に来た所を殺そうとしていた。
表向きの話と裏向きの話ではかなりの違いがあります。

  

■2021年9月21日(火)

「三国志 六 赤壁の巻」 吉川英治著 新潮文庫 読破

劉備は三顧の礼でついに孔明を得た。
しかし曹操は中国の中央から北方まで制し、
南方(長江の南)では孫権が制している。
もう劉備は荊州を足がかりにして蜀の国をとるしかない。
孔明が打ち出したのは天下三分の計だった。
しかし荊州を曹操にとられ、劉備は荊州の片隅に逃げた。
孔明は魏の曹操と呉の孫権を戦わせるため単身呉へ出向く。
呉の周瑜は孔明を危険視して害そうとするが
孔明は魏と呉を戦わせることに成功し無事劉備の元へ帰る。
赤壁(せきへき)の戦いが始まる。

    

■2021年9月19日(日)

「三国志 五 孔明の巻」 吉川英治著 新潮文庫 読破

14世紀頃の明の時代に書かれた三国志演義は
蜀漢を正統として劉備を善玉、曹操を悪玉として書かれています。
吉川三国志は三国志演技をモチーフにしていますが
曹操のことは結構よく書いてあるようです。
正史の三国志は3世紀頃に書かれたのかな。
正史の三国志をモチーフにした人は劉備のことを悪く書いてあるものもあります。
劉備はかかわった人をことごとく裏切って節操がないとか。
三国志演義でも劉備が行く所、皆曹操に滅ぼされて劉備は逃げ走っている。
呂布を裏切り、曹操を裏切り、袁紹を裏切っている。
5巻で曹操は袁紹を滅ぼし中央から北方まで勢力を拡大させた。
各地を逃げ走ってきた劉備はやっと孔明に会うことができた。

  

■2021年9月18日(土)

「三国志 四 臣道の巻」 吉川英治著 新潮文庫 読破

曹操が呂布を滅ぼすと劉備は中央にあがった。
そして帝にまみえた。
帝は劉邦から続いている劉氏であり
劉備もその血を引いていることから
劉備は劉皇叔と呼ばれるようになった。
劉備の母は喜んだ。
まもなく亡くなってしまうのだが。
劉備と曹操は仲が良かったのだがだんだん不仲になっていく。
曹操は王道をまもるものではなく覇道をおこなう奸雄だった。
劉備と曹操は戦い劉備は敗れ袁紹の元へ逃げた。
関羽は曹操に降伏してしまった。
袁紹と曹操の戦いが始まるが、
袁紹の武将、顔良、文醜を関羽が斬ってしまう。
そのため劉備は袁紹に二度、斬られそうになった。
劉備は袁紹に言った。
関羽に自分がここにいることを知らせればやってくるでしょうと。
袁紹の元に劉備がいることを知った関羽は劉備の夫人たちを連れ
曹操の元を去ろうとする。

禰衡(ねいこう)が都では誰が英雄といわれるかっという問に
「大人なら孔文挙、小児なら楊徳祖」と答えているけど
孔文挙は孔融であり、楊徳祖は楊修(楊脩)だね。
曹操に禰衡を推薦した人が孔融。

  

■2021年9月16日(木)

「三国志 三 草莽の巻」 吉川英治著 新潮文庫 読破

董卓を殺した呂布だったが、中央から落ちていった。
董卓は死んだが後を継いだ、リカク、カクシは争いばかりしていた。
(リカク、カクシ、なんで変換できないんだ)
帝は長安から洛陽に逃れてきた。
帝は曹操に助けを求め曹操はこれに応じた。
帝を擁した曹操ははやくも天下に号令できる立場に立った。
しかしまだまだ地方勢力もたくさんあった。
袁紹などはまだ曹操など眼中になかった。
地方に落ちてきた呂布は曹操と戦い、敗れ劉備のいる徐州に落ちてきた。
呂布は劉備から徐州を奪い劉備は曹操に助けを求めた。
これに応じた曹操は呂布を滅ぼそうとする。
南方では孫堅の子、孫策が領土を拡大する。
この勢いは誰も止めることができない。
中央に覇をとなえた曹操と南方の孫策。
魏と呉はここから形作られていく。

  

■2021年9月14日(火)

「三国志 二 群星の巻」 吉川英治著 新潮文庫 読破

三国志辞書を登録するのに時間がかかった。久しぶりだったから。

三国志で一番強い呂布。
呂布、張飛の一騎討はしびれますね。
何度読んでもしびれる。
関羽も華雄を破って株をあげました。
趙雲も出てきました。
はやく趙雲、仲間になってくれ、ドラクエか。
袁紹と戦っていた公孫瓚のピンチに劉備たちがかけつけたときに
袁紹が「すわや、例の玄徳か」といって逃げていったのは痛快でしたね。
趙雲も「関羽、張飛という二豪傑を義弟にもっておられる劉玄徳と仰るのはあなたでしたか」
といい、関羽、張飛がめちゃくちゃ強いので劉備の株もあがり続けます。
そして劉備は徐州の太守になりました。
そこへ中央を去り、曹操に敗れた呂布が徐州に落ちてきました。
徐州を攻めてきた曹操の背後を呂布がついたから劉備は徐州の太守になれたのですが。
とにかく呂布と張飛は仲が悪いので近くの小沛に呂布を住まわせました。
呂布と董卓の仲を裂くためつかわされた美女貂蝉。
色恋沙汰も多い三国志です。

  

■2021年9月13日(月)

「三国志 一 桃園の巻」 吉川英治著 新潮文庫 読破

吉川三国志を読むのも23回目くらいになりました。
劉備が張飛と関羽に出会い桃園で義兄弟の契りを結び、
黄巾賊を討伐していく所から吉川三国志は始まります。
弱小で雑軍呼ばわりされていた劉備たちが
それにもくじけず勢力を徐々に拡大していく様子が
シミュレーションゲームをしているようで面白いです。
解説を読むと三国志の主人公は曹操で
諸葛亮が出てくると彼が主人公となります。
私は人徳があり善人の劉備が主人公だと思っています。
悪人ぽい曹操が主人公ということに反発があります。
吉川三国志は1939年から1943年頃までに
新聞に連載されて書かれたものです。
なんと第二次世界大戦の真っ最中に書かれたものなんですね。
そのような激動期に書かれたため名作ができたのかもしれない。
平和な時代にはこのような名作はできないかもしれない。
また吉川三国志は14世紀の明の時代の三国志演義を
モチーフにしていて、漢文の何作かの三国志のいいとこどりを
しているみたいで面白く仕上がっているのだと思う。
三国志以外の吉川英治さんの作品はあまりおもしろくない。
演技ベースではなく正史の三国志をモチーフに書いている人もいるけど
北方謙三さんの三国志は面白いけど、その他の人のはイマイチかな。

馬や軍費を提供してくれた商人が麋芳、麋竺とかだったら面白かったかな。