
するとそこへ、一人の老人が声をかけてきました。
「おじょうちゃん、今夜は冷えるのう。こんなに冷えるのはブラゴエシチェンスクの夜以来じゃよ。」
「あら、ニコラエハバロフスクにくらべればまだましなほうよ。」
「マッチをひとつもらえるかな。」
「はい、95コペイカです。」
お金を払って立ち去ろうとした老人は、角にさしかかったところでふりかえりました。
「メリークリスマス。」
「メリークリスマス。」
老人を見送ったところで、少女はゆっくりと雪の空に顔を上げました。
「クリスマス…。そうだったんだわ…。」
暖かそうな周りの家からは笑い声がもれてきます。
でも、少女が見上げる空は
ただ静かなのでした。