直装作業機装着トラクタの公道走行について


農作業機付き農耕用トラクタの公道走行するためのチェックポイント

 今般、農作業機を装着した農耕トラクタによる公道走行にあたっての取り扱いを明確にするため、地方運輸局から「道路運送車両の保安基準第55条」に基づく基準緩和認定について公示が行われた。  これにより、農耕トラクタの使用者が公示された基準緩和認定の条件や制限事項を遵守することにより、農作業機を農耕トラクタに装着したままでも公道走行が可能になります。  ロータリやハロー等を直接装着したトラクタ、またけん引タイプの作業機を装着したトラクタが公道を走行するためには一定の条件があり、以下のような公道走行するためのチェックポイントがあります。
1. 灯火器類の確認
 農作業機を装着しても、灯火器類(方向指示器、後部反射器、前照灯、車幅灯、尾灯、制動灯、後退灯)が他の交通から確認できることが必要。
 ◎ 確認できない(見えない)場合に必要な対応
所定の位置に灯火器類を別途設置する必要がある。
*単体で長さ3.7m以下。幅1.7m以下、高さ2.7m以下、かつ、最高速度15km/h以下の農耕トラクタの場合、車幅灯、尾灯、制動灯、後退灯については取付義務がないので、作業機を装着した場合でも設置の必要はありません。



 ◎ 確認できる(見える)場合に必要な対応
 1)灯火器類が確認できるば場合でも、取付位置が最外側(農作業機の端)から40cmを超える場合は、作業機の両端に反射器(前面白色、後面赤色)を設置する必要がある。
 2)保安基準緩和の条件となる制限を受けていることを示す標識を後面の見やすい位置に表示する必要がある。

*各種灯火器の取り付け位置の道路運送車両の保安基準
 前照灯(ヘッドライト):最外側から40cm以内(可能な限り)、高さ50cm(可能な限り)以上120cm(可能な限り)以下(夜間に前方50m先の障害物を確認できること。
 車幅灯(ポジションランプ):最外側から40cm以内、高さは地上25cm以上210cm以下(夜間に前方300mから確認できること。
 尾灯(テールランプ):最外側から40cm以内、高さは地上35cm以上210cm以下(夜間に後方300mから確認できること。
 後部反射器:最外側から40cm以内、高さは地上25cm以上150cm以下(夜間に後方150mから確認できること。
 制動灯(ブレーキランプ):最外側から40cm以内、高さは地上35cm以上210cm以下(夜間に後方100mから確認できること。
 後退灯(バックランプ):最外側から25cm以上120cm(可能な限り)以下(夜間に後方100mから確認できること。
 方向指示器(ウインカー):最外側から35cm以内、高さは地上35cm以上230cm以下(昼間に方向の指示を示す方向100mから確認できること。

2.車両幅の確認
 農耕トラクター単体で、長さ4.7m以下、幅1.7m以下、高さ2.0m以下、かつ、最高速度15km/h以下の場合、農作業機を装着した状態で車両の幅が1.7mを超えていないか確認しましょう。
 ◎ 幅が1.7mを超えている場合に必要な対応
 機体左側に後写鏡(サイドミラー)を設置する必要があります。
*道路運送車両の保安基準
 幅が1.7mを超える場合、自動車の左右の外側線上後方50mまでの間にある車両の交通状況および左外側付近を確認できること。
 農耕トラクタ単体の大きさを含め、農作業機を装着した状態で幅が2.5mを超えていないか確認しましょう。
 ◎ 幅が2.5mを超えている場合に必要な対応
 1)道路管理者(国道:地方整備局、都道府県道:各都道府県、市道等:各市町村)から、特殊車両通行許可を得る必要があります。
 2)車両の最外側が分かるよう、外側表示板、反射器、灯火器を設置する必要があります。
 3)保安基準緩和の条件となる制限を受けていることを示す標識全幅〇.〇〇メートル」を後面の見やすい位置に表示する必要があります。
 4)運転者席にも幅を表示する必要があります
*道路運送車両法法及び道路法の保安基準
 道路運送車両法法の保安基準で車両の幅は2.5m以内と定められている。また、道路法でも車両幅は2.5m以内と定められている。
3.安定性の確認
 農作業機を装着することで農耕トラクタ―の安定性(傾斜角度)が変わるため、安定性の保安基準(30度又は35度)を満たせなくなる場合があります。その場合は、運行速度15km/h以下で走行しなければなりません。
 ◎ 安定性の確認方法
 農耕トラクターと作業機の組合せによる安定性の確認結果については、(一社)日本農業機械工業会のホームページで公表しています。安定性が確認されたものについては、15km/h以下での走行制限はありません。
 ◎ 安定性が確認されていない場合に必要な対応
 1)保安基準緩和の条件となる制限を受けていることを示す標識「運行速度15キロメートル毎時以下」を後面の見やすい位置に表示する必要があります。
 2)運転者席にも制限速度を表示する必要があります。
4.免許の確認
 小型特殊・普通免許で運転が可能なものは、農耕トラクタ単体又は農耕トラクタに農作業機を装着した状態での寸法が、長さ4.7m以下、幅1.7m 以下、高さ2.0m以下(安全キャブや安全フレームの高さ2.8m以下)を満たす必要があります。
 ◎ 農作業機を装着することにより、この寸法を超える場合
 大型特殊免許が必要です。
 車検制度上ではこの寸法を超えても大型特殊には該当しないため、車検は必要ありません。

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