郎女(カスタムドール)
 紺碧ドール工房さんからお迎えしましたうちの看板娘、世界に一人しかいないカスタムドールの郎女さんです。
 リナ、シオンと同じく、1/6ドールなのですが、華奢で、グラスアイです。
 不思議なんですけど、アイペイントの他の子たちとちがって、ほんの少しの光線、角度のちがいで、まったく表情がちがってきます。写真を撮るのがむつかしく、またおもしろくもあります。

 郎女は呼び名で、本名は別にあります。
 伊集院珠子(いじゅういん たまこ)。
 明治37年(1904)生まれ。16歳。
 伊集院男爵家の次男で、騎兵大尉だった父は、奉天の戦いで戦死しました。母の翠(みどり)は、夫の死後、珠子を置いて婚家を出て、行方不明。
 珠子は、伊集院家で、父方の伯母に育てられています。
 夢はプリマドンナ。ひそかに、亡命ロシア人の先生について、声楽を学んでいます。
 伯母は、鹿児島士族の娘で、昔気質ですから、声楽家になるなど、とうてい許してくれそうもありません。
 時は大正。
 古代悲劇のヒロイン、ディドのアリアが好きな、悩み多き少女、郎女です。

歌劇「カルメン」より

花園の恋 北原白秋作詞

くるしき戀よ、花うばら
かなしき戀よ、花うばら
二人は逢ひぬ、しのびかに
顫へて、人目はばかりぬ
 
くるしき戀よ、花うばら
かなしき戀よ、花うばら
二人は觸れぬ、おそろしく
顫へて、紅く口吻けぬ
 
くるしき戀よ、花うばら
かなしき戀よ、花うばら
二人は死にぬ、血みどろに
顫へて、人に殺されぬ

歌劇 トスカ(TOSCA) より

アリア
Vissi d'arte vissi d'amore
(歌に生き愛に生き)

歌に生き愛に生き
ひとたびも生ける者に
悪しきことなさざりき
ひそやかにかずかずの貧しきに
手をのべて救いたり
まことなる信仰もちて
いつの日もわが祈りをば祭壇にのぼせしに
まことなる信仰もちて
いつの日も祭壇にみ花捧げしに
悲しみに苦しめるいま、
なにゆえになどて pハス
かく報いたもうや

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