天大山笠 小天山笠行事の流れ

 天大山笠と小天山笠行事は、菅原神社祇園大祭の総称です。祇園大祭終了までの大まかな流れを紹介します。

菅原神社


=天大山笠=

○祇園大祭開始まで

7月はじめ、宿開きが行われ、その年の総監督と見ケ〆[みかじめ]を決定します。そのあと道具調べや手まりこの作成、かずらとり
などの諸準備に入り、祇園大祭前日まで続きます。

祇園大祭に参加することを、「祇園風にあたる」といいますが、これは須佐之男命が吹かせる風で、身体には感じないのですが、
老・壮・青年から幼児まで山笠のぼせ状態にする不思議な風なのです。この風にあたらないと一人前の男性として見とめてもらませ
ん。またこの風にあたると、1年間息災で過ごせるといわれています。「今年もええ祇園風にあたらせてくれよ」と青年に声を掛ける
年寄りがいますが、これは祇園大祭を受け継いでいる後輩に、立派な祇園大祭をやってくれるようにと願って掛けるのです。

祇園大祭のほぼ1週間前、大山笠巡行の道筋を前もって清める「獅子舞」が行われます。拝殿で祓い清められた獅子頭を持って、
獅子舞のお囃子の中、地区をまわります。「獅子頭の大きな口で頭を噛んでもらうと、丈夫になる」という言い伝えから、子供を連れ
て行き、獅子頭を持った青年に頼む人もいます。

7月半ばに、「取り立て」が始まります。山笠組み立ての一番重要な作業である「もじ練り」が行われます。かずらをもじり、山笠の台
を締め上げるもので、一回でぴったりおさまった例はありません。台枠を組むのには釘やボルト、ロープワイヤーなど一切用せず、
山野に自生しているかずらを使用します。重さ2.5トンある大山笠が激しい動きに耐えれるのは、かずらの弾力性、強靱[きょうじ
ん]性が最適なのです。

そのあと「棒吊り」と呼ばれる担ぎ棒を大山笠の台に取りつける作業を行います。

そのあと山笠の台を洗い清め、太鼓、鉦を取りつけて取り立ては終了です。取り立ての後は1年ぶりに山笠の台を仰ぎ、居神楽演
奏後、肩をならすための「ならし担ぎ」を行います。

7月第4土曜直前の日曜にウエル戸畑で戸畑祇園囃子研究会が行われます。山笠関係者だけでなく、区民も祇園大祭に向かって
気分は高まっていきます。


○祇園大祭期間中

7月第4土曜前日の金曜、祇園大祭の幕が開きます。まず初日の前夜祭は12:30頃から菅原神社で神事が始まり、その後出発
です。神殿の前を大下りのお囃子に合わせ、3回往復した後、神社前の急な坂を一度も地に付けずに大下りのお囃子に合わせて
大下りをします。その後地区内を運行します。途中休憩の際、はなの御礼が読み上げられます。

16時頃菅原神社に到着し、五段上げの練習のが行われ、19時頃から神事が始まります。

中日の本殿際は、9:30頃から御神体の移された祠を山笠に安置する、「お神移しの神事」が行われ、大下りの後、飛幡八幡宮へ
向かいます。飛幡八幡宮に到着すると、天籟寺・西・東の各大山笠と小若山笠が揃います。

飛幡八幡宮で13時頃にお祓いを受け、若戸大橋下付近のお汐井汲みの場へ出発。若戸大橋下付近のお汐井汲みの場で、海水
で御神体を清める「お汐井汲みの神事」が行われます。神事終了後、浅生一号公園の競演会場へ向かいます。

ここで天籟寺・中原・西・東の各大山笠と小若山笠が揃います。18時頃から戸畑祇園大山笠競演会開始。まず各大山笠の囃子方
による祇園囃子の開設入り演奏があり、幟大山笠の運行があります。そのあと提灯山笠に変身し、8体の光のピラミッドによる提灯
山笠運行。会場の熱気と興奮は最高潮に達します。終了後御旅所へ戻ります。

千秋楽は、10時頃から地区内を運行し、休憩の際に、はなの御礼が読み上げられます。このとき、「須佐之男命にあやかると、強
くたくましくなる」という言い伝えから、男の子を山笠の上にあげてもらう風習があります。そしてこの子供達がのちに汗びっしょりに
なって大山笠に肩を入れるのです。

18時頃から天籟寺バス停付近で大上り前の神事があり、その後天籟寺通を小天山笠と共に幟山笠で運行。その後提灯山笠に変
身し、提灯大山笠での運行。途中180度方向転換のため、かきこが向きを変えますが、山笠を地に下ろさずに、かきこだけくるっと
向きを変えるのです。これを「肩換え」といいます。この姿は見事です。

小天山笠の大上りに続き、22:30頃から大上りが始まります。かきこの最後の踏ん張りです。大下りと同様、一度も地に着けず
に、「ア ヨッサ!ヨッサ!」の掛け声と共に、急な坂を一歩一歩上ります。「光のピラミッドが坂を上がる光景見ずして天籟寺山笠
語れず
」という言葉がありますが、菅原神社まで上って来る提灯山笠の姿は感動ものです。

神社到着後、今度は祠を神社に返す「御神移しの神事」が行われ、3日間の祇園大祭は幕を閉じます。


○祇園祭終了後

翌日、午前中は道具納めがあり、午後に狐落しが行われます。「狐落し」とは納会のことで、祇園大祭中、祇園風に吹かれて、まる
で狐か何かにとりつかれたようなひどい騒ぎ状態だったものに区切りをつけ、平常の状態に戻すという主旨です。



=小天山笠=

○祇園大祭開始前

7月はじめ、関係者による道具調べや手まりこの作成、かずらとりなどの諸準備に入り、祇園大祭前日まで続きます。

7月半ばに、「取り立て」が始まります。「もじ練り」と「棒吊り」が行われ、「取り立て」の後は肩入れや肩抜きなどのタイミングをなら
すためのならし担ぎを数日間行います。「世話」と呼ばれる1年生は初めての体験で、大変つらいのですが、これを経験し、翌年は
「祭典」と呼ばれる2年になり、さらに「山笠」と呼ばれる3年になるにつれ、体で覚えていくのです。「戸畑の男は生まれて一度は山
笠に肩を入れなければいけない」といいます。戸畑の男にとって山笠は、男らしさを披露するための桧舞台なのです。

7月第4土曜直前の日曜にウエル戸畑で「戸畑祇園囃子研究会」が行われます。



○祇園大祭期間中

7月第4土曜の前日の金曜、祇園大祭の幕が開きます。まず初日の前夜祭は18:30頃から御旅所を出発し、地区内を運行しま
す。途中提灯山笠に変身し、途中見事な肩換えの披露があります。22時頃菅原神社に到着します。

中日の本殿際は、9:30頃から「お神移しの神事」が行われ、大下りの後、飛幡八幡宮へ向かいます。

飛幡八幡宮で13時頃にお祓いを受け、若戸大橋下のお汐井汲みの場で、「お汐井汲みの神事」が行われます。神事終了後、
浅生一号公園の競演会場へ向かいます。

18時頃から「戸畑祇園大山笠競演会」開始。幟山笠の運行後、提灯山笠に変身し、提灯山笠運行。終了後御旅所へ戻ります。

千秋楽は、10時頃から地区内を運行。

18時頃から天籟寺バス停付近で大上り前の神事があり、その後天籟寺通で天大山笠と共に幟山笠での運行。その後提灯山笠
に変身し、提灯山笠での運行。

21:30頃から小天山笠の大上りが始まります。山笠係は小天山笠での最後の桧舞台です。最初苦戦していた世話係もすっかり
慣れ、一度も地に落とすことなく菅原神社に到着します。かきこも見る側も興奮が最高潮に達する瞬間です。

神社到着後、「御神移しの神事」が行われ、3日間の祇園大祭は幕を閉じます。


行 事 場 所 日 時
戸畑祇園囃子研究競演会 ウエル戸畑 7月第4土曜直前の日曜夕方
戸畑祇園大山笠競演会 浅生一号公園 7月第4土曜夕方
祇園大祭最終日
天籟寺通の運行から大上り
天籟寺バス停付近から菅原神社 7月第4土曜翌日の日曜夕方


場 所 アクセス
戸畑駅 新幹線小倉駅から鹿児島線で博多方面へ3つ目
ウエル戸畑 戸畑駅からすぐ
浅生一号公園 戸畑駅から徒歩10分 西鉄バス・市バス浅生公園前・戸畑区役所前・浅生通下車すぐ
お汐井汲みの場 戸畑駅から徒歩5分 西鉄バス・若戸渡船戸畑渡場からすぐ
菅原神社
天籟寺バス停
戸畑駅から西鉄バス40・42・44番で天籟寺下車徒歩5分
戸畑駅から西鉄バス42番菅原神社前下車すぐ(本数少なめ)

●各会場周辺には、駐車場がありませんので、公共交通機関を御利用ください。

☆天大山笠と小天山笠の写真付きの日記がありますので、上記を読んで頂いた上で、見て頂くとわかりやすいと思います
ここから行くことが出来ます


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◎参考文献  林昌昭氏著「天籟寺大山笠」


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