|| 情報メディア ||

体験!メディアのABC
出演/中谷日出・大沢あかね 
音を立てて迫り来る情報社会、翻弄されることなく見分けることのできる判断力を養うとともに、情報の発信者の立場からの、適切な伝え方や表現のテクニックを学習する。
おそらく、教科書に沿った番組ではなく、先生個人が必要と思えば年間でテーマ化し、何かの時間に生徒に見させるプログラムではないかと思う。
2部構成になっており、前半ではヒデさん(中谷日出)とあかね(大沢あかね)が写真やモニターを見ながら、ひとつの媒体も見る角度によって色んな解釈ができるというようなことを実験しながら伝えていく。
たとえば下のような絵があるとする。


この図をAから見てまずストーリィを作る。続けて違う順番で見ると、まったく違うストーリィができあがるとかいうようなもの。
こうした実験から、すべての情報を全て鵜呑みにしないようにすることを訴えてもいる。
「つくってあそぼ」のレビューでも書いたが、アタイはこの『物事を多角的に見る』というのは教育の上でかなりウエイトを置いてやらねばならないことだと考えているので、先生方がこの番組を単にメディアについて学習する学校放送として見せているとしたらかなり勿体無いと思う、優良番組でアル。
後半では発信源の現場で活躍するプロを紹介する。
プロ。 プロ。 プロ!!!!
メディアのプロ。ライターやカメラマン、エディターにWeb制作者に広告代理店モロモロ。
スポーツライターの女性を取材していたのを見た。まず同行しているカメラマンに指示を出しながら試合を観戦する。その後インタビューをしてから社に戻って記事の内容を簡単にまとめる。たくさんの写真のネガから記事に添える写真を選ぶ。ここで決めていた記事内容を写真によって変えざるを得なくなることもあるし、逆に違う観点で書ける場合もある。
こうしてできあがった記事は、普段雑誌で見かける普通のなんでもないグラビアだったが、こうして色んなプロが力を合わせて作り上げているのだなあ…スゲエなあ…、と思う。
個人的に大好きな「CM作りの舞台裏」では、前半でヒデさんとあかねがひとつのCMを解析、さまざまなカット割りを箇条書きにして、それぞれのシーンで受ける印象、発信者は何を伝えたいのかを探った。トヨタのエコカーのCMだったが、ちゃんと車グリル部のエンブレムにはボカシが入っていた。
後半ではあるCMができあがるまでを、絵コンテでの発案からクライアントへのコンペ、撮影現場までの流れで見せた。テレビ面では前面に出ているタレントがここでは完全に脇役になる。映画のメイキングなんか見ても思うのだが、現場の空気の前にはクレジットで名前の出る順番なんてホント陳腐だ。
教室で見ている子どもたちにも感じ取ってほしい。
なんにせよ、プロフェッショナル=職人はカッコいいのだと!!!
そしてキミたちの身近にいるプロに気付いたり、やがてはキミたち自身が何かのプロになったりするのだ!
うおおおお〜〜〜!!!がんばれガキども!
ところで。
この番組の語りは声優の田中真弓なのだが、彼女の素の声というか、ナレーション仕様の声というのを初めて聞いた。「おこめ」のナレーションTARAKOは、ちびまるこちゃん丸出しだが、田中さんの声はフツーのおばさんだった。注意深く聞いていると、ルフィやパズーやキー・ホイ・クァン(ジョナサン・キー)や忍豚(ふるっっ)がチラチラ現れる。うう〜ん多角的。
この番組でメインで解説しているヒデさんはNHK解説委員という肩書きだが、どういうことだろう?社員てことはわかるのだが、普段は局でナニをしている人なのだろうか。
なかなかテレビ慣れしてらっしゃる人だ。



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