96年7月にフジテレビ「ゴールデンサービス」(今田耕司、東野幸治、板尾創路の深夜バラエティ番組)のコンテンツ、「3Men's Talk」にて、今田がかねてからファンであった小説『岸和田少年愚連隊』の著者、中場利一をゲストに招き、自伝的小説でありながら事情があって書けなかった裏話や中場氏の少年時代の爆笑エピソードを2週に渡って放送。 このページでは、特に岸和田最強の男「カオルちゃん」についての話題を抜粋した。 著者が少年の時代から岸和田に君臨し、今なお衰えずと言われるカオルちゃんを、著者の中場利一自身がテレビで語った貴重なトーク。 岸和田シリーズでは脇役でありながら、悪ガキはもちろんヤクザもシッポを巻いて逃げ出す岸和田最強、問答無用、言語道断、冷血無比の謎のオッサン「カオルちゃん」は、番外として彼主役のサイドストーリーまでシリーズ化するなど、なぜか愛すべきキャラクター。映画では竹内力や小林稔侍が演じている(稔侍はよかった!)。 |
今田「すごい人がいますよね、こん中にも(中場の著書「岸和田少年愚連隊」を指して)」 東野「岸和田ん中で一番ケンカ強いのは中場さんなんですか?」 中場「いやいや違う」 今田「こん中ではカオルちゃんて人がいてて、この人には中場さんもビビってる…」 (中場うなずく) 今田「本の中やったら…映画かな?なんか銭湯で、一番風呂が好きなんですよね?カオルちゃんて。である日行ったらヤクザの人が二人くらい自分より先入ってて、腹立つから、その人鯉のイレズミしてて『鯉の滝登りじゃー』って女湯に投げるような人」 東野「はははははは!<どおくまん>やん!」 今田「ほんまね、<どおくまん>ですよ。それがカオルちゃん。無茶苦茶なんですよね」 中場「はい。無茶苦茶」 東野「で、強いんですか?カオルちゃん」 中場「すごいんですよ。あのねー、機能が違うんですよ俺らと」 東野「機能!?」(笑) 中場「体の出来が」 東野「はいはい(笑)」 中場「あのね、岸和田城の上から50円のキャノン(双眼鏡)でこう見てるでしょ。そしたら2キロくらい先の道を歩いてるんですよ。そいで僕らが『あ、カオルのアホや〜』て言うてたら、<キッ>てこっち見よるんですよ」 一同「はははははは!」 東野「たまたまですよそれ!」 今田「ネタやんそれー」 中場「ちゃうちゃう(笑)見たんやから。その場におって」 東野「いやー僕なんとなくわかりますよ」 中場「喫茶店の二階の小窓から見てて、(小声で)『カオルのアホ来た来た来た』ゆうてたら、<キッ>って。そしたら、(足音)キシッキシッキシッて来て頭ゴーン!『呼び捨てすなドアホ!』ゆうてまたキシッキシッキシッて」 一同「わははははは!」 今田「聞こえたんすか?」 中場「せやから聞こえてん」 今田「店の中から??」 中場「機能が違うんやって」 一同「わははははは!」 今田「それ出るとこ出たらすごい金儲けなるじゃないですか…」 ◆ ◆ ◆ 今田「いまでも岸和田おるらしいよ。カオルちゃん」 東野「はははははは!」 今田「だんじり祭りのときに<相談役>てタスキしてるらしい」 一同爆笑 東野「コワイ」 中場「岸和田映ってへんよな?」 今田「岸和田映ってないです。え?こんなんゆうてたら僕もシバかれるんですか?」 中場「(笑)当たり前やん」 今田「当たり前やんて嘘お!」 ◆ ◆ ◆ 東野「どんな無茶苦茶やらはるんですか?」 中場「せやからペンチなり殴るなりして人の歯ガー抜いて、その歯ぁ容器に集めて溶かしてニセの象牙作るんですよ」 今田「はははははは!」 板尾「人の歯溶かして?型入れて?」 中場「そう。あとヤクザとケンカしたときに牛乳瓶に塩酸入れて、あぶないぞあぶないぞあぶないぞ〜ゆうてシュアー!投げるんです」 今田「誰にですか」 中場「ヤクザに」 一同「ははははははは!」 東野「それほんまもんの塩酸ですか?ハッタリじゃなくて?」 中場「ほんまもんの塩酸」 東野「どっからそんなん手に入れるんですか」 中場「×××行って」 一同爆笑 中場「ワイヤーとか洗うでしょ、苛性ソーダとかで」 東野「ああ、そういう劇薬を…」 中場「そう。そこ行って『俺や、くれ』って入れてもうて」 東野「え。『俺や』で?盗むんじゃなくて?(笑)」 今田「ホラ、岸和田<相談役>やから(笑)なんでも手に入る」 ◆ ◆ ◆ 板尾「そのカオルちゃんとケンカしたことあるんですか?」 中場「あるよ」 東野「そんなん(無茶苦茶な人)でも向かって行くんですか?」 中場「まあ…暇やったし…(笑)あのときはパーッて殴られたあともうようわかれへん」 今田「それもう完全に負けたんですか?」 中場「もう完璧完璧」 今田「いくつくらいのときですか?」 中場「17くらいのとき。(首を横にふりつつ)完璧完璧。もう全然」 板尾「カオルちゃんて負けたことあるんですか?」 中場「オレはまだ…一回か二回しか(見た事ない)。あのね、いつも一番風呂行くから通る道が決まってるんですよ。で岸和田商店街、カオルラインってど真ん中に黄色い線があったんですよ。(一同爆笑)そこをいつも『ァア〜ッ』って痰吐きながら歩くから、やめときゃええのに市役所のヤツがそこ自転車置き場にしたんですよ」 今田「それはもう役所が自転車置き場て決めたんですよね?」 中場「警察は『やめとけ』言うた」 一同「ははははははは!」 中場「で、(自転車置き場を)置いたんですよ。ほたら怒ってー…。ぜんっぶ踏み倒して行ったもん。あんだらあーゆうて」 今田「あんだらカーッて」(笑) 中場「で、そこ通って絶対来るんですよ風呂屋に。でその道に…イサミちゃんてまたいるんですけど。この人も<ちゃん>がつくんですよ(笑)」 東野「コワイ人は<ちゃん>つくんですね」 今田「この人も…すごいんですよね?」 中場「そう。そのイサミちゃんが、やられた明くる日にその道の上にあるトタン屋根にキシキシ乗って、頭くらいの石持ってズーッと2時間くらい待ってて。で、俺ら通って『何してますのんイサミちゃん』ゆうたら(小声で手でシッシしながら)『向こう行け!向こう行け!』って。したら『ァア〜ッ』って聞こえて、見たらカオルちゃん向こうからきてたから、イサミちゃん石持ったままジャ〜ンプ!でカオルちゃんの上からガーン!」 東野「飛び降りたんですか!?」 中場「うん。そのとき負けてん」 今田「カオルちゃんが」 中場「倒れた」 一同爆笑 東野「そら倒れるわ!」 中場「いや、初めて見た」 今田「倒れるとこですか?」 中場「うん。そんときおったイサミちゃんと俺ら3人と、まだ4人しかおれへん岸和田で。倒れるとこ見たの」 一同爆笑 東野「でっかい石持って2時間待って。それぐらいせな勝たれへんのですか」 板尾「それ後々たいへんだったでしょう」 中場「えらい目におうたよ。二階から蹴り落とされて無茶苦茶なったよ」 板尾「イサミちゃん」 今田「そのひともたいがいですよね」 中場「せやから<鬼のカオルに仏のイサミ>ゆうて。イサミちゃんもすごいんですよ。ヤクザ屋さんとケンカして、車のドア開けてそのまんまスーーーッとバックしてドアの間にヤクザをピターン!って挟むような人なんですよ」 今田爆笑 東野「それが仏なんですか!?」 今田「鬼はどんなんや…」 中場「(笑)まだ俺らの話聞いてくれるもんイサミちゃんは」 東野「ああ、なるほど」 中場「カオルちゃんは会話すらないもん。おじいちゃんが道歩いてて、横切っただけでゴン!やで?」 一同「えっおじいちゃんを!?」 中場「年金もろてる人やよ?」 東野「わはははははは!」 中場「老人保険、ぜんっぶ使うよ?」(笑) ◆ ◆ ◆ 今田「あの、押しボタン信号の話ってあるんですよね…」 中場「ああ、なんかね、関西の番組で岸和田の駅前の信号の音がおかしいってやってて。それたまたま見たんやろね前の日に。でそこ行ったら近所のステーキハウスのおっちゃんが押しボタンの前に立ってたんですよ。なかなかどけへんかった。で、ギ〜〜〜ッなって。その人間ごとバシャーッて押した」 一同爆笑 東野「人間の向こうを見てたんですねカオルちゃんは」 中場「おっちゃん、カオルちゃんの手と押しボタンの間にはさまれて一瞬止まって、信号の音に合わせてタン・タン・タン・タン♪って倒れてん。音楽つきで」 東野「はははははは!」 ◆ ◆ ◆ 東野「いやー、でもカオルちゃんて」 板尾「見てみたい」 東野「見てみたいですよ」 今田「いや見てみたいけどねえ?そんなん見られへんもん。見たら最後やんか」(笑) 東野「いやゆうてもね、いま相談役でね、50何歳でね、大人じゃないですか」 中場「ちゃうちゃうちゃうちゃう」 一同爆笑 中場「(笑)そんな考えでおったらあかんて!」 東野「遠くからね、あいつやゆうて教えてくれたらカメラで…」 中場「あのね、これとこれとこれとこういう場合はイヤやな、って思うありとあらゆることやってくれるわ」 一同爆笑 中場「こんな人イヤあんな人イヤこんな人もイヤっていう全部を兼ね揃えた人」 一同「ははははははは!」 ◆ ◆ ◆ 板尾「カオルちゃん、好きなもんとかないんですか」 東野「これをあげたら喜ぶっていう…」 中場「岸和田に<村雨>て銘菓があるんですよ。和菓子。餅米からできてんけどパラパラ。パラパラのくせに噛んだらもちもちする」(笑) 板尾「なんのコピーや…」(笑) 東野「摩訶不思議なお菓子、村雨!」 中場「いやほんま(笑)岸和田の人、村雨好きやねん。それと、(カオルちゃんが好きなのは)一番風呂」 今田「(東野に)自分、カオルちゃんの行きつけの風呂行って先に入っときーや。隠し撮りするから」(笑) 東野「(笑)でも、50何歳でしょう?もしかしたらアレですやん、僕ら20代やし、もしかしたら勝てるっていうチャンス…」 中場「無理!」 一同「はははははは!」 東野「でもゆうてもね、20代やから…」 中場「無理!いやもう変なこと考えんほうがええて」 東野「でも弱点とかないんですか、こぶしはこんなんかもわからんけど…」 中場「いや関わり合わんとマジメに働かなあかんて…」 一同爆笑 東野「でも勝てると思うんですよ、なんとか!」 中場「オレ、タイソン行ってもあかんと思うわ」 今田「マイク・タイソン??」 中場「あいつ二人行ってもあかんと思う」 一同爆笑 ◆ ◆ ◆ 今田「カオルちゃんの武勇伝ってないですか」 東野「これぞカオルっていう逸話…」 今田「まあ今までのも充分アレやけど(笑)」 中場「…あのね。カオルちゃん昔、梅雨のときに白の靴はいて白いスーツ着て歩いててん。そんなん梅雨のときはくのが間違うてんやろ?(笑)そこで間違うてるやろ?ほんまは言いたいやん、お前間違うてるて。言われへんけど。黙っとくけどな。(笑)でその日けっこう、水たまりがこう、河のようにダーッてあって。跳びたいけど跳んだらハネあがる(泥水がかかる)と。でなんかそのへん探してるんですよ。そしたら背のたっかいヤツが来たんでポーン!殴ってひっくり返してそいつの上歩いて行った」 一同爆笑 中場「これマジな話!」 東野「人を人とも思わない…」 中場「そう。パチンコ屋の店長さん」 一同爆笑 中場「商店街、おばちゃんがシャッター、ガラガラガラー!(って閉めて)」 一同爆笑 東野「街、無法地帯ですやん!」 中場「(笑)怖いやん。巻き込まれたら」 東野「うわあ〜…」 中場「機動隊のバスと26号線でモメたときも無茶苦茶やってんから。バスぼこぼこに蹴って」 東野「カオルちゃんが!?」 中場「機動隊が空港行くときに横切ったんやな、カオルちゃんが」 今田「ははははははは!」 板尾「(笑)横切ったんや」 中場「信号関係ないねんな、カオルちゃん」 今田「はい、いやいや(笑)」 中場「飛び出し注意もなにも関係ないから普通に歩いてたんやな。そしたら機動隊のバスがキキキキーッって停まって。平気で歩いてるやん。いつものことやん?ほしたら機動隊の兄ちゃんが『そっちに歩道橋あるからそっちから渡れ!』って。…<キッ>『降りてこい』」 東野「ははははははは!機動隊に!?」 中場「『何バカなこと言ってんだ!』ってプップーって鳴らされても(手招き)。でバスをバーン!て蹴って。ほしたら中のやつら出てきたら「あんだらー!」ってポーン!って(パンチ)。もうみんなに押さえ込まれて、そしたらその手ぇ噛んで。もう指一本動いたら何かしにいくからな」 一同爆笑 東野「会いたい!ちょっと今田さん行ってきてーや!」 今田「(笑)会いたない!30年生きてきて一番会いたくない!そんな人会うたこともない!」 板尾「めっちゃ遠目でもええから撮ってこいや」 今田「遠目でもて、2キロぐらいやったらあかんねんで」(笑) ◆ ◆ ◆ 東野「今田さん。岸和田商店街とかで余興とかしたらよろしいやん」 今田「(首ふりながら)もう〜行くのやめますわ岸和田…」 中場「駅前で何かやってたら絶対来るわ」 一同「ははははははは!」 今田「相手芸人だろうが関係ないんですか」 中場「テーマソング教えちゃるから。カオルちゃんの。それマイクでずっと流してたら絶対来るわ。え?いやこんなとこでは言われませんっ。あのね、俺ら小学校のときからある歌なんですけど、6年生くらいのとき、教室の窓からそのカオルちゃんの…歌てたら、田んぼの中走ってくるんですよ。『どいつや今歌てたん!』て窓ガーン開けて。先生はプイッて向こう向いて」 今田「え、先生止めてくれないんですか!?」(笑) 中場「止めない止めない絶対止めない。(ずーっと下向いて)」(笑) ◆ ◆ ◆ 板尾「中場さん、これからしたいことあるんですか」 中場「うん。オレ定食屋したいねん。関西て定食屋ゆうんないやろ、あんまり」 今田「ないですね」 東野「それは岸和田で?」 中場「いや…、岸和田はイヤ」 一同「ははははは!」 今田「そうですよね」 一同「カオルちゃん来ますもんね」(笑) 中場「毎日来られたらイヤやでオレ…」 一同爆笑 |