題名 ひよどり草紙 封切日 1954/2/10
役名 筧燿之助 配給 松竹
監督 内出好吉
共演者 美空ひばり、戸上城太郎、花柳小菊、堺駿二、嵯峨美智子、川田晴久
解説・感想・その他
原作
吉川英治
物語
 時は徳川時代の夜明け。朝廷から家康の征夷大将軍着位の祝いとして賜った「紅ひよどり」が江戸へ下る道中、何者かによって本陣が襲われ「ひよどり様」は野に放たれてしまう。道中警護に当たっていた近習役の玉水甚右衛門(野沢英一)、筧大学頭(藤間林太郎)は、朝廷への申し訳のため切腹を申し付けられることになる。玉水の娘・早苗(美空ひばり)と筧の息子・耀之助(錦之助)は同じ剣術道場に通う仲間であり、互いに想いを寄せ合う仲でもあったが、老中から三ヶ月以内に紅ひよどりを捕え持参した1名の者の父のみが切腹を免れると告げられ、「紅ひよどり」をめぐって争わねばならなくなる。早苗を陰から支える実姉の投げ釘お銀(花柳小菊)や近習役筆頭の座を狙う斯波丹後守(香川良介)の甥・陣太郎(戸上城太郎)、懸賞金目当てに紅ひよどりを探す人々などが絡み合い、二人の「紅ひよどり」を探す旅は混迷する。
解説
 ひばりは、まっすぐで凛とした瞳が魅力的。堺駿二の人情味深い演技もみどころ。錦之助は、映画初出演だけあってどこかにぎこちなさがあるのは否めないが、既に大スターの風格がありその後の活躍を予感させるだけの何かがある。ひばり同様、まっすぐなてらいのない演技が好感触。

題名 花吹雪御存じ七人男 封切日 1954/3/24
役名 与三郎 配給 新東宝
監督 斎藤寅次郎
共演者 山茶花究、益田喜頓、花菱アチャコ、伴淳三郎、嵯峨三智子
解説・感想・その他
スタッフ
脚本/八住利夫、撮影/服部幹夫、照明/福田次郎、録音/杉山政明、美術/川村芳久、音楽/米山正夫、助監督/磯田一夫
主題歌
「長屋天国」作詞/藤田まさと、作曲/福田 博、唄/田端義夫
挿入歌
「ナムアミマンボ」 伴 淳三郎
解説
 当時、話題になった「造船汚職、保全経済、日本殖産」などをパロディとして取り入れ、人気スターを一堂に集めて 爆笑ドタバタ劇に仕上げている。錦之助は時蔵の令息で新進女形のホープとして紹介されていて、劇中劇で「藤娘」を 踊るのが見所である。タイトルクレジットの順番は一番最後に一人だけ出る。
物語
 場所は花のお江戸、経済安全会という怪しげなものを作って貧乏人のお金をだましとろうとしているのがキャバレー兵蔵矢場を経営している仁王の兵蔵。集めたお金で鉄砲長屋を買い取って赤線地区にする計画をたて、長崎造船奉行の留守宅を守るお波夫人をあざむいて密貿易用の船を手にいれようと画策している。
 酒場「かっぱ」には金と力のない長屋の面々が いつもたむろしている。願人坊主の法界坊(伴淳三郎)、船頭の小猿七之助(田端義夫)、女形の岩井寿美之丞(益田キートン)、 鋳かけやの松五郎(川田晴久)、髪結いの新三(堺駿二)等である。看板娘お富(嵯峨美智子)は養母の借金のカタに 兵蔵矢場の女給勤めを強いられている。
 仁王の兵蔵は不逞の輩を集めて長屋を打ち壊してしまう。そこへ風の如くあらわれた謎の男、 蝙蝠安(花菱アチャコ)が壊れた長屋を修理してまわる。この長屋再建祝いの席に新しく加わったのが若侍の与三郎(錦之助)、 実は長崎造船奉行佐伯頼母の長男で、お波夫人が娘の八重に家督を譲りたいと願っているのを知って家を出たのだが、 夫人の刺客に狙われている。与三郎は、やはり義母の策略で女給勤めをしていたお富と恋仲になる。やがて長屋は大家が脅かされて兵蔵に売ってしまい、空き家になった順に壊されていく。
 折しも長崎造船奉行の江戸出府が近づき、 与三郎は夫人の雇った浪人達に襲われ、それを知った長屋の人々は蝙蝠安を先頭に一致団結して闘おうとするのであった。

題名 新諸国物語 笛吹童子 封切日  
 第一部/どくろの旗 1954/4/27
(再:1960/7/31)
 第二部/妖術の闘争 1954/5/3
(再:1960/7/31)
 完結篇/満月城の凱歌 1954/5/10
(再:1960/7/31)
役名 菊丸 配給 東映
(再:第二東映)
監督 萩原遼
共演者 東千代之介、月形龍之介、大友柳太郎、高千穂ひづる、田代百合子、水野浩、美山黎子
解説・感想・その他
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題名 唄しぐれ おしどり若衆 封切日 1954/5/3
(再:1960/5/31)
役名 指方竜之丞 配給 東映
(再:第二東映)
監督 佐々木康
共演者 美空ひばり、大友柳太朗、長谷川菊子
解説・感想・その他
横暴な旗本党・丹心組にそれぞれ兄を殺された竜之丞と雪路(美空ひばり)が互いに恋心を抱きながら、ついには一味を滅ぼす。劇中劇で能役者に化ける。
振袖姿で歌舞伎とは違うリアルな立回りを要求され、苦心。剣を振り回すと振袖が腕にからんでやりにくいが、若さでのりきった。映画界では新米なのに主役であり、ベテランの斬られ役たちに撮影が終わると一人ずつ誤って歩いた、という。

題名 里見八犬傳 封切日  
 第一部/妖刀村雨丸 1954/6/1
 第二部/芳流閣の龍虎 1954/6/8
 第三部/怪猫乱舞 1954/6/15
 第四部/血盟八剣士 1954/6/22
 完結編/暁の勝鬨 1954/6/29
役名 犬飼現八信道 配給 東映
監督 河野寿一
共演者 東千代之介、田代百合子、浦里はるみ、千原しのぶ、東宮秀樹
解説・感想・その他
原作
曲亭馬琴

題名 唄ごよみ いろは若衆 封切日 1954/8/1
役名 稲葉弥之助 配給 東映
監督 小沢茂弘
共演者 千原しのぶ、徳大寺伸、喜多川千鶴、川田晴久
解説・感想・その他
 

題名 八百屋お七 ふり袖月夜 封切日 1954/9/7
(再:1960/10/5)
役名 生田吉三郎 配給 東映
(再:第二東映)
監督 松田定次
共演者 美空ひばり、小杉勇、大泉滉、山茶花究、堺駿二、加賀邦男、市川春代、原健策
解説・感想・その他
原作
子母沢寛
スタッフ
 脚本/船橋和郎、撮影/川崎新太郎、音楽/万城目 正
解説
 「唄しぐれ、おしどり若衆」で一躍人気顔合わせとなった、ひばり・錦之助コンビで作られた歌と恋と剣戟の甘く切ない娯楽時代劇である。この映画での錦之助の甘く美しい若衆姿は魅力的で、いろんな雑誌にスチール写真が多く取り上げられている。
物語
 明暦の大火のあと、2度目の大火事で焼け出された江戸丸山町の八百屋久兵衛は、娘お七(ひばり)、手代豆松(堺駿二)と共に駒込の吉祥寺に避難した。そこには町方奉行所与力、生田左門(加賀邦男)の弟で無鉄砲な所行の為に寺小姓として預けられていた吉三郎(錦之助)がいた。二人はやがて互いに恋心を抱くようになる。
 しかしお七には江戸切っての大金持ち上州屋の息子で頭の足りない千太郎(大泉滉)が以前から強い想いをよせていて、上州屋は息子の想いを叶えさせようと久兵衛を金で丸めてお七を嫁にしようと計っていた。お七は火事で全てを失った父の苦衷を察し、苦しい胸の内を手紙に書いて吉三郎に届ける。しかし行き違いが起こり、いくら待っても吉三郎が現れないため、諦めて千太郎に輿入れする事を約束してしまう。
 一方吉三郎は兄の左門と共に大火事の下手人を捜して上州屋を内偵していた。上州屋の悪事を知ったお七の身に危険が迫った時、吉三郎が忽然と助けに現れ浪人達と斬り合いが始まる。吉三郎を助けようとお七は火の見櫓に上がって夢中で半鐘を打ち鳴らす。その音を聞きつけて左門達が駆けつけ、上州屋一味は悉く捕らえられたのであった。

題名 お坊主天狗  封切日  
 前篇 1954/9/21
 後篇 1954/10/12
役名 阪東小染こと柳谷吉三郎 配給 東映
監督 渡辺邦男
共演者 片岡千恵蔵、花柳小菊、大友柳太朗、高千穂ひづる、月形龍之介、田代百合子、加賀邦男、坊屋三郎 
解説・感想・その他
原作
子母沢寛
解説
毎日新聞に連載されて公表を博した小説。片岡千恵蔵と初共演。
女歌舞伎と女装の男の役。メイクをしながら歌舞伎座の楽屋を思い出した、という。渡辺監督から「セリフは口先だけでなく、眼でいうものだ」と教わった一言は、錦之助の大きな宝物になった。

題名 満月狸ばやし 封切日 1954/11/8
役名 豆太郎/絃之介 配給 東映
監督 萩原遼
共演者 高千穂ちづる、堺駿二、川田晴久、清川虹子、岸井明、大泉滉、山茶花究、コロムビア・ローズ 
解説・感想・その他
スタッフ
 原作/旗一兵、脚本/中田静雄、撮影/吉田貞次、音楽/万城目正
解説
 東映とコロムビア・レコードのタイアップで作られたものでコロムビア・ローズ、久保幸江、 赤坂小梅、鶴田六郎、池真理子などが特別出演して随所で得意の歌を披露しているオペレッタ時代劇である。 宝塚出身の高千穂ひづるは挿入歌「恋の風車」を歌っている。
 錦之助は二役を区別する為、狸の方にはホクロを付け、 セリフの調子も若殿役では「ふり袖月夜」でなおされた話し方で、狸は直さない前のキンキン響くやり方で演ってみたと 「あげ羽の蝶」で書いている。
物語
 ここ狸王国では人間に対抗する為教練を怠らなかったが、親分黒兵衛(川田晴久)の倅豆太郎(錦之助)が 訓練そっちのけで美人狸のお夢(高千穂ひづる)との逢瀬を楽しんでいるので、狸七(堺駿二)を伴につけ、化け方修行の旅に出す。 
 旅の途中、宿屋の娘お町(コロンビア・ローズ)を助け、調子に乗って木の葉の小判で酒宴を張ったのは良いが、ばれて狸汁にされかかった ところをお忍び旅中の若草城の若殿絃之介(錦之助二役)と三左衛門(堺二役)の主従に救われる。
 お城では家老生駒形部(加賀邦男)が 息子文之亟(大泉滉)と白妙姫(高千穂)をめあわせお城を乗っ取ろうと企てていた。絃之介主従は家老一味に襲われ、三左衛門は斬られ 絃之介は沼深く沈んでいった。これを知った豆太郎と狸七は、若殿主従に化けて姫を救おうとお城に乗り込んだが刑部一味に見破られ 捕らえられてしまう。
 その時沼で河童のお青に助けられ元気になった絃之介が現れ悪人共を相手に闘うが、大勢を相手に形勢不利になる。豆太郎は持っていた無線電信器で狸御殿にSOSを発信する。狸軍が若草城に現れ化かし合いの大混戦となる。ついに狸軍は勝利を収め 2組の恋が目出度く結ばれたのであった。
挿入歌
「恋の風車」関沢耕一作詞、万城目正作曲、高千穂ひづる唄
 夢で逢うてはいるけれど覚めりゃ哀しいことばかり
 乙女ごころは恋風車くるくる帰ってくる人を
 しのべばお城に日がしずむ
 旅のつばめにことづけた風のたよりよいつ届く
 恋のかんざしまた散り掛かるくるくる花びらなんの花
 帰ってくるとの謎かしら

題名 新選組鬼隊長 封切日 1954/11/22
役名 沖田総司 配給 東映
監督 河野寿一
共演者 片岡千恵蔵、原健策、東千代之介、月形龍之介、水戸光子、田代百合子、喜多川千鶴、千原しのぶ、永田靖、青山杉作
解説・感想・その他
原作
子母沢寛
解説
片岡千恵蔵との共演について錦之助は「長年の経験と修練で体得したものでしょう、フィルムのすみずみまで知り尽くした先生の演技にはただおそれおののくのみでした。私は先生の出番の時は暇のできる限りスタジオを入り、食い入るように一挙手一投足をみつめて勉強しました。」(「ただひとすじに」より)と語っている。

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※『新諸国物語 紅孔雀 第一篇 那智の小天狗』は1955年の一覧をご参照下さい。