冬のバーゲン 

 お正月に家族が集まって盛り上がるのが日本ですが、イギリスでは、それはまさにクリスマス。24日の夜から25日にかけては、地下鉄も全面ストップし、24日のニュースで、電車の最終時刻を確認するようにとの注意が出ていたくらいです。
 家族で過ごす静かな25日のあとは、26日がボクシングデーという贈り物をする日です。そして27日あたりから、本格的なバーゲンが始まります。日本だと、ブランド毎に開始日が違っていたりしますが、こちらは殆ど一斉に始まります。HARRODS のようなデパートから、MARKS&SPENCER や TESCO のようなス−パーまで。

 バーゲンの初日はまだ暗い朝の6時くらいから開店する店もあり、またこれに並んで待っている人もたくさんいるよう。MEは28,29に街中に行く用事があったので、覗いてみると、皆なんとたくさんの袋を抱えていること!服から鞄から食品、文房具、CDまであらゆるものがバーゲン対象になっているような感じです。日本の福袋のようなものは見ませんでしたが、食品や香水など、クリスマスの余りなのかセットになったものを売っているところも多かったです。
 値段のほうはというと、50%オフというポスターを掲げているところも多く、皆が血眼になっているのもわかる気がします。実際に商品を見ていると、傷の具合などによって分けているのか、同じ店の同じ商品でも値引き幅が多少違っていることもあり、値段が手書きされていたりするのは、日本とは違って面白かったです。またデパートやショップによっても、値段が違っているので、時間があるならできる限りリサーチしたほうが賢い買い物ができるかもしれません。あるドレスは£10(1800円くらい)も店によって値段が違っていました。また、セール時に限らず、普段から売られているものは、客の扱いが乱暴なことも多いので、傷などがないかをしっかりチェックしたほうがいいでしょう。
 普段だと手が届かないブランド品の店も、このときばかりは、普通のイギリス人でもチェックしているよう。パリやローマなどでも同じなのかもしれませんが、ロンドンのこのクリスマス明けセールも有名らしく、スペインやアメリカとかからも多くの人が詰めかけるようで、タックスリファンドのデスクが余計に設けてあるとかいう宣伝も店でしきりにされてました。同じ島国でも、日本のバーゲンに外国人が殺到するなんて考えられないですよね。もちろんという感じで、日本人の姿も多く見かけました。
 イギリスは、クリスマスと冬のバーゲンのあるこの時期に、店にもよりますが、年間の売上高の30〜場合によっては50%くらいを悠に稼ぐそう。業 者にとっては、稼ぎ時なのかもしれないけれど、逆に、そんなに安い時にこだわらず、年中買い物をしている日本の豊かさと照らし合わせると複雑な気もします。
 今のイギリスは、雪は降っていなくても、朝起きると分厚い霜で雪と見間違えるくらい真っ白になっているような状態です。クリスマスに部屋の飾りつけを楽しんだり、バーゲンに並んだり、というのもイギリスならではの暗くつらい冬を乗り切る手段なのかもしれません。
 ちなみに、今年から導入されたユーロ。イギリスは当分ポンドを使いつづけるようですが、海外からのお客を逃がさないように、大手デパートやス−パの一部では、ユーロでも買い物できるようになっているようです。



BACK