次に向かうポイントでの作戦会議の途中、エドガーがさらさらと地図上に書き込んだ文字は滑らかで読みやすく、字面から漂う高貴な雰囲気が気品というものであると後から知ったティナは仲間たちの文字に興味を持った。 スケッチブックの端に書いてもらったリルムの文字はふんわり丸い。一緒に覗き込んでいたセリスにもペンを渡すと、少し斜めで直線の美しい文字が紙を走った。 楽しくなって次々に書いてもらう。ロックは小さく癖のある字。カイエンの字は角ばっていて大きい。セッツァーは少し尖った神経質そうな文字を数文字残し、ガウは字が書けなくて渦巻きをたくさん書いてくれた。 会う人会う人に字を書いてもらっていたティナは、ばったり会ったマッシュにも文字を書いてとスケッチブックを渡した。マッシュは不思議そうに首を傾げながらも適当な文字をさらさらと書き始める。豪快なマッシュらしい大きな字を書くのかと予想したが、返されたスケッチブックには実に滑らかで綺麗な字が並び、見覚えのある雰囲気にティナはあっと声を上げる。 エドガーと同じ字だわ、と告げると、マッシュが嬉しそうに笑った。 |