「兄貴! セックスしようぜ!!」 いつものトレーニングを一通り終えて、シャワーも浴びてすっきりしたところで部屋のドアを派手に開けて最愛の兄に誘いをかけると、目を点にして固まる兄とその横で盛大にお茶を吹き出すセッツァーが視界に入った。 テーブルの上に地図が置いてあるから、今後の作戦会議でもしていたのだろうか。タイミングがまずかったかなと頭を掻くと、赤いんだか青いんだか複雑な顔色になった兄が唇を震わせてぼそりと呟く。 「……マッシュ。ノックくらい、しなさい」 「はい」 「それから、時間と場所を考えなさい」 「はーい」 とりあえず素直に返事をして、部屋のドアを閉めて隅っこで二人の話が終わるのを待つ。しかし顔を顰めたセッツァーはハンカチで丁寧に顔やテーブル周りを汚した茶を拭き、兄との話を再開することなく立ち上がってしまった。 「……邪魔したな。ごゆっくり」 地図を手に部屋を出たセッツァーを見送って、では一戦と思ったら兄の拳骨が降ってきた。 そんなにマズイこと言ったかなあ。 |