子供を運んで来るのはコウノトリと答えたらセッツァーが口から派手に酒を噴き出した。汚ねえなと返したら馬鹿かと罵られた。 理不尽な仕打ちにむっとしていた俺に、セッツァーが真実を教えてくれた。普通は大人になる前に授かる知識だと言われて愕然とする。 だってセッツァーの言うことが本当なら、俺がほとんど毎晩兄貴としているのは子作りになってしまうではないか！ どうしよう、今まで何も考えずに中に出していた。三回に一回くらいは外に出してるかもしれない。いや四回に一回かな。それとも五回…… とにかくもし兄貴が孕むようなことがあったら旅が続けられないどころか国家の一大事だ！ 世継ぎが産まれる！ 兄貴と俺の子供ならハニーブロンドで綺麗なブルーの瞳だろうし、男の子なら立派な王族に成長するだろう。女の子なら美人になるだろうなあ……嫁に出したくないなあ。 ちちうえって呼ばれるのは悪くないな。ちっちゃいうちはパパでも可愛いかな。そうなると兄貴が母上？ 対外的にマズイかな？ どう思う？ と兄貴に尋ねたら、げんなりした顔で兄貴が一言「俺は男だ」と答えた。……そうか、そうだった。 |