飛空艇のシャワー室は狭くて順番待ちが長いからと、全員で街の大浴場に出かけることになった。人の艇の設備に文句言いやがってと面白くはないが、確かにこれだけの大人数になればちまちま並んでシャワーを使うのは効率が悪い。 脱衣所で服を脱いでいると隣のロックが体を覗き込んでくる。 「お前体も傷だらけなんだな〜」 軽い調子で言われたので同じように軽く鼻で笑って返したが、ロックは今度は振り向いて後ろで服を脱ぐマッシュの背中を指差し始めた。 「マッシュも傷あるじゃん、あれなんか新し──むぐ」 ロックの口を無理やり手で押さえつけ、こちらを見て不思議そうに首を傾げるマッシュに何でもないと首を振った。 「何すんだよ」 鈍感なロックに舌打ちする。──馬鹿が、どう見てもつい昨日辺りについた爪痕だろうが。余計なこと突いて蛇を出すな。 ちらりと横目で見れば、マッシュの巨体に隠れてさりげなくエドガーが衣類を脱いでいるようだが、鉄壁のガードで全く肌が見えない。なんだか風呂に入る前から嫌な予感がする……。 |