足取り軽く弾ませて、微かな鼻歌さえ歌いながら、実に機嫌よく隣を歩くマッシュに苦笑いを抑えられなくなったエドガーは、何か良い事でもあったか、と尋ねた。振り向いたマッシュは照れ臭そうに、しかし実に嬉しそうに破顔する。 「さっき、兄貴と俺が似てるって言われた」 ああ、とエドガーも先程数人で集った時の会話を思い出して頷く。 「それでどうしてそんなに浮かれてるんだ」 「だってさ、昔は顔も声もそっくりだって言われてたのに、いつも兄貴は何でも出来て……俺も同じようにやりたかったけど、出来なかったんだ。双子なのにさ。それが今は全然違う事やってるのに、似てるって言われたんだぜ！」 嬉しいだろ、と青い目を細めて大きな口で笑うマッシュに、エドガーも釣られるように目尻を下げて笑顔を返す。 「それはそうだ。……俺たちは双子なんだから」 エドガーの言葉にマッシュの目が更に細くなり、二人は顔を見合わせて楽しげに笑った。 新しく集った仲間の一人が、隣同士で歩くエドガーとマッシュを見て「あの二人、笑い方もそっくりだな」と呟いた。その言葉に肩を竦めたセッツァーが振り向きもせずに鼻で笑った。 |