すげえ痛かった。 痛いとかそういう問題じゃなかった。 なんか内臓押し出されて口から出るんじゃねえかってビビるくらい腹ん中ぐいぐい圧迫されて、もームードとかそんなん気にしてる場合じゃなくなってがっちり歯食い縛って、俺きっとひでー顔してたと思う。 声出したら力抜けるから悲鳴も上げられなかった。 歯の隙間から細くて短い息を吸ったり吐いたりするので精一杯だった。 解放された途端、強張ってた全身から一気に力が抜けて、皮膚っちゅう皮膚から飛び出すような汗がどっと噴き出てきた。 ガチガチに力入れてたのが急激に緩んだせいか、なんかぼろぼろ涙も勝手に零れてきて放心状態になって。 目にゴミ入ったみたいに何度も何度も瞬きしている俺の歪んだ視界の中に、半端ないくらい俺のこと心配した顔してる塔矢が映ってた。 アイツの真っ青な顔見たら、身体は痛えし喉は苦しいし、すげえ甘ったれた気分になって、泣きながらムチャクチャ不貞腐れた顔してみせた。 駄々こねるみたいに腕を伸ばしたら、物凄い馬鹿力で思いっきり抱き締められた。 アバラ折られるんじゃないかと思ったけど、あったかかったし、アイツの心臓破れそうなくらいにどくどく音立ててたから……許しても、いいかな、なんて。 でも、二度目はもうちょい優しいのがいい……と思う。 |