黒尊川植物図鑑 |
1月 |
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サルトリイバラ(サンキラ)
愛媛や高知の山地から海岸にかけて広く分布し、巻きヒゲで立ち木などに絡まった固体は大きく成長する。実の美しさからクリスマス・リースなどに使われるが茎にはトゲがある。(2012.1.12) |
ノイバラ
道端の日当たりのよい場所で多く見かける。茎には無数のトゲがあり5〜6月頃イチゴに似た白い花をつける。(2012.1.12) |
小動物の糞
黒尊川流域には多くの動物の棲息しているが糞を見かけるのは冬場が多い。この糞には胡麻に似た植物の種子がたくさん混じっていた。(2012.1.12) |
3月 |
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ウメ
親水公園から少し上流方向へ行くと川べりに2本ほど生えている。かつて人家の庭か果樹園にあったものが水害の影響で今の場所に移動したのだろう。梅には観賞用と食用があるが花と生息状況を見ると食用と思われる。(2013.3.12) |
タチツボスミレ
日本中に広く分布している。黒尊では道端の日当たりのよい場所、数ヶ所で見かけた。全体に小ぶりで地面から花の先端までの高さも5センチほどしかない。たいてい数株が群生している。薄紫色の花が美しい。(2013.3.12) |
ヤブツバキ
照葉樹林の代表的な構成樹種。大きく育った木が多いせいか木についた花を見かける機会は少ないが、写真のように落ちた花や種はひんぱんに見かける。花粉の媒介を昆虫よりも鳥に依存している植物は花の色が赤いことが多いらしい。(2013.3.12) |
4月 |
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ラッパスイセン
水仙の中でも花が大きく花期が遅いのが特徴。かつてこのあたりにも人家があり、その名残か。(2011.4.1) |
カラスザンショウ
ミカン科サンショウ属の落葉樹。生育環境や幹の伸びかた、幹表面のトゲなどがタラの芽を採るタラノキに似ているので要注意。ただ毒草というわけではなく食べられるという人もいる。タラノキは幹表面がもっと白っぽい。黒尊では本種は数ヶ所で見たがタラノキは珍しい。(2013.4.22) |
キランソウ
シソ科の多年草で北海道を除く全国に分布。日当たりのよい道端のあちこちに生えていた。極々小さな植物で葉は数センチ、花は数ミリしかない。固まって生え花色が鮮やかなのでよく目立つ。(2013.4.22) |
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クサイチゴ
日当たりの良い場所や半日陰の場所など、道端のあちこちに生えていた。ずっと多年草だと思っていたがバラ科キイチゴ族の落葉小低木。変異種が出来やすいのか、この日だけで葉の色や形が違う物を3種ほど見た。実は熟せば食べられる。(2013.4.22) |
ユキモチソウ
サトイモ科テンナンショウ属の多年草。テンナンショウ属の植物はサトイモ科で球茎もできるが、多くは有毒で、食べると口中か ら喉にかけてひどい痛みに襲われる。黒尊で同属のマムシグサはよく見かけるが本種は珍しい。仏炎苞の中に白く餅のような付属体があるのが特徴。(2013.4.22) |
ヘビイチゴ
バラ科キジムシロ属の多年草で日本中に分布。日当たりの良い道端でよく見かける植物だが、写真の場所では半畳ほどのきれいな花畑が出来ていた。子供の頃、毒があると教えられたので食べたことは無いが実際は無毒。(2013.4.22) |
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ヤマフジ
数ヶ所で見かけたがどれも道路と水辺の間だった。生育には水分が欠かせないのだろう。園芸品種のフジとはツルの巻き方が逆で、花序が短く花びらの色が濃い。藤の花といえば芳香を放つことでも有名だが、どの花もというわけではないようで一ヶ所だけ華やかで爽やかな香りを漂わせていた。(2013.4.22) |
ウリハダカエデ
雄花が垂れ下がっているこの時期には流域のあちこちで見かけるが、それ以外の時期はあまり目立たない。カエデの仲間で秋には美しく紅葉する。(2012.4.23) |
フデリンドウ
リンドウには春に咲く種類もあるのだとか!本種もその一種。日本中に分布するリンドウ科リンドウ属の越年草。道端の苔むした地面に10株ほど群生していた。この時見たのは一ヶ所だけだが翌年数ヶ所で見かけた。(2012.4.23) |
5月 |
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クサイチゴ(実)
日当たりの良い場所や半日陰の場所など、道端のあちこちに生えていた。ずっと多年草だと思っていたがバラ科キイチゴ族の落葉小低木。時期が早めで熟した物は少なかった。場所により種に変異があるのか、私が昔から食べていた物より果実についた毛が多いような気がする。(2013.5.16) |
コバノタツナミ
本州の伊豆半島以西から四国、九州に分布する多年草。タツナミソウより小型で海岸近くに分布する。海岸からは遠いが草寸が5センチほどしかないのでコバノタツナミかと。日当たりの良い道端のあちこちで見かけた。(2013.5.16) |
ジャケツイバラ
マメ科でつる性の落葉低木。宮城県以南の本州、四国、九州に分布。砂防のための造成地など日当たりの良い荒れた場所で最近たくさん見かけるようになった。ジャケツとは漢字で蛇結と書く。枝がもつれ合う様がヘビ同士が絡み合っているかのようでこの名が付いたそう。花はきれいだが茎に鋭いトゲがあり、はびこると厄介な種。(2013.5.16) |
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タラノキ
ウコギ科の落葉低木で日本中に分布。春先に採れる新芽、タラの芽は山菜の王様と呼ばれ天ぷらなどにして食される。黒尊では珍しい植物でハイキングコース沿いで見かけたのはこの一本だけ。タラの芽を採るとき気をつけなくてはならないのは、二番芽まで採ると木自体が枯れてしまうので、採るなら先端から出た一番芽だけにしなくてはならない。(2013.5.16) |
ハルノタムラソウ
シソ科アキギリ属の多年草でサルビアやセージの仲間。紀伊半島以西の本州、四国、九州に分布。半日陰で4月にフデリンドウが生えていた場所で数株見かけた。地面から5センチほど伸びた茎に5ミリほどの花がついていた。(2013.5.16) |
マルバウツギ
アジサイ科ウツギ属の落葉低木で関東以西の本州、四国、九州に分布。この時期、黒尊でひんぱんに見かける。名前の通り茎は中空。花盤(オレンジ色の部分)に蜜が溜まるのか蟻がたくさん集まっている花もあった。(2013.5.16) |
6月 |
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コガクウツギ
アジサイの仲間。四国の山間地を車で走っていると道端でよく見かける。一つ一つの花は小さいが林間を白く染めるほどまとまって咲くことがある。(2011.6.14) |
スイカズラ
黒尊川の道端でよく見かける植物。花を吸うと蜜が甘いことから吸いかずらの名がついたと言われる。花は甘い香りを漂わせる。(2011.6.14) |
サルトリイバラ(サンキラ)
愛媛や高知の山地から海岸にかけて広く分布している。葉の表面には光沢があり餅を包むのに使われる。私も柏餅の柏とはこの葉の事だと思っていた。(2011.6.14) |
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テイカカズラ
つる性の常緑低木で黒尊川流域の道端で崖を覆うように繁茂しているのがよく見られる。和名のテイカは藤原定家にちなむ。花は小さいが数が多く、一帯に甘い香りを漂わせる。この時は花期の終わりが近く花びらが変色しつつあった。(2011.6.14) |
ウツギ
アジサイ科の落葉低木で卯の花とも呼ばれる。山地の川沿いなどでよく見かける植物。この花も甘く強い香りを漂わせる。色々な種類の蝶がたくさん集まり蜜を吸っていた。(2011.6.14) |
カタバミ
日本中に広く分布する多年草。日当たりの良い道端のあちこちに生えていた。畑や花壇の雑草として厄介者扱いされることが多いが、花も葉も見るぶんにはきれい。土佐の戦国大名、長宗我部家の家紋、七つ酢漿草(ななつかたばみ)は、この葉をデザイン化したもの。(2013.6.18) |
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コナスビ
日本全土に広く分布する多年草。比較的日当たりの良い道端に数株生えていた。十センチ程茎が伸び花を咲かせる。花の直径は10〜12ミリと小田深山で見た同種のものより小ぶり。小さななすびの様な実をつけることからこの名がついたそう。(2013.6.18) |
ドクダミ
北海道をのぞく日本中に広く分布する多年草。道端のあちこちに生えていた。名前の響きの悪さと強い臭気からあまり良いイメージを持ってないが、先入観を捨てて見ると花はきれい。子供の頃、葉を揉んで塗るとニキビに効くと聞いたことがある。(2013.6.18) |
ミヤマコナスビ
紀伊半島と四国、九州に分布する多年草。半日陰で湿った道路法面に数株生えていた。茎は数十センチ程で地面を這うように伸びる。花の直径は15ミリほど。花びらは光沢があり基部は赤みを帯びている。(2013.6.18) |
7月 |
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オオルリソウ
ムラサキ科の一年草または二年草で、西日本に分布。日当たりの良い道端に数株生えていた。草丈は70センチほどで花の大きさは8ミリ。瑠璃色をした小さな花をたくさんつける。大きさは全然違うが花はヤマルリソウにそっくり。(2014.7.4) |
エビガライチゴ
キイチゴの一種。親水公園そばの日当たりの良い道端に数株生えていた。乾いた場所のせいか、そういう性質なのか虫に食われてないきれいな実がたくさんついていた。種が大きめだが味は良い。(2012.7.6) |
名称不明
道端に生えていた数メートルほどのかん木。コーヒーに似た実が鈴なりについていた。(2012.7.6) |
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ヌスビトハギ
マメ科の多年草で日本じゅうに分布。日のあたる道端に数株生えていた。細い茎が地面から約50センチ伸び、先端に5ミリほどの小さな花を咲かせる。少しの風でも揺れるので写真を撮るのに苦労した。名前の通り花は萩に似ている。(2013.7.11) |
マルバマンネングサ
ベンケイソウ科の多年草で、草寸は低く横に広がるように群生する。葉は多肉質。日のあたる道端に生えていた。花が咲いていなければ目立たない。咲くと鮮やかな黄色で、しかも星型の10ミリほどの花をたくさんつけるのでよく目立つ。(2013.7.11) |
ヤブコウジ
ヤブコウジ科の常緑小低木。半日陰の道端に数株生えていた。子供の頃、冬に山に入ると真っ赤な実をつけた本種をよく見かけたが、花を見るのは初めて。真っ赤な実もきれいだが、花もわびさびの極致のような風情がある。株の高さは5センチで花の直径は10ミリ。(2013.7.11) |
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マムシグサ
サトイモ科テンナンショウ属の多年草。地下に球茎ができるが有毒で、食べると口中から喉にかけてひどい痛みに襲われる。愛媛や高知の山中、川沿いの薄暗い場所でよく見かける。食虫植物のような変わった形の花が咲いている時期と、鮮やかな赤い実がついている時期によく目立つ。(2011.7.21) |
スモモ
人家の庭先に植えられていたのが流れてきたのか川原に生えていた。多分、日曜市でも売られているのを見かけるメスレーという品種。完熟でないと酸っぱい。完熟だと美味いかというとそうでもない。ただ半野生で毎年鈴なりの実をつけるのだから味のことまで言うのは贅沢か。(2011.7.21) |
ホウロクイチゴ
キイチゴには多くの種類があるが、このハイキングコース沿いでは本種を最もよく見かける。実はあまりついていないが粒は大きい。食べてみるとホコリっぽい味の物や味の薄いものもあるがおおむねおいしい。(2011.7.21) |
9月 |
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イタドリ
日本各地に分布する生命力旺盛な雑草で日当たりの良い道端のあちこちに生えている。春に地面から伸びる若芽は食べられる。特に高知県では塩漬けにして一年を通して食べるほどおなじみの山菜。中央ピンクの丸いのが実でまわりの白いのは花かと思ったら、まわりの白いのが種子でピンクのは虫こぶ。(2012.9.21) |
ゴンズイ
道路と川の間で他の雑木に混じって生えていた。関東以西に分布する落葉小高木。木材としては柔らかすぎて使い道が無く見向きもされないが、赤い袋が破れて黒い果実がのぞく様はきれいで初秋の野を彩る。(2012.9.21) |
ヒメカバイロタケ
毎年この時季になると同じ朽木から生えてくる。傘の直径が2センチほどの小さなきのこだが、鮮やかなオレンジ色でまとまって生えているのできれい。針葉樹の朽木に生えるありふれたきのこ。毒は無いらしいがなにぶん小さなきのこなので採って食べる人はいない。(2012.9.21) |
10月 |
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アケビ
黒い種の周りの白いゼリー状の部分が甘く美味しい。鳥が好んで食べるようで、道端に落ちているのを見つけたときはすでに皮だけだった。自然の物でこれだけ色のきれいなのは珍しい。(2011.10.4) |
アケボノソウ
道端の陽があまり当たらない場所に数株自生していた。リンドウの仲間で、珍しくはないが花と名前の美しさから人気がある。(2011.10.4) |
アラカシ
植林された杉か自生の照葉樹林がほとんどを占める黒尊川流域の森の中で、最もよく見かける樹種。秋が深まると道はドングリだらけになる。(2011.10.4) |
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ヌルデの虫こぶ
実のように見えるがアブラムシが寄生してできた虫こぶで、もちろん食べられない。葉がクルミに似ているがヌルデは葉軸に翼があり区別できる。(2011.10.4) |
ホコリタケ
道端の砂利混じりの地面に群生していた。幼菌時は食べられるそうだが、この姿を見て食べようと思う人は少ないのでは。(2011.10.4) |
ハタケシメジ
雑木林横の道端に群生していた。簡単に見つかるキノコだが食味は良いらしい。たまたま通りがかった地元の人は食べた事が無いと言っていた。(2011.10.4) |
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アキチョウジ
しそ科の多年草。半日陰の道端でよく見かける。草寸は30センチほどで小さな管状の花が一株に1,2輪ずつ咲いていた。実物は写真より青色が濃くきれい。(2012.10.29) |
ナギナタコウジュ
しそ科の1年草。日当たりの良い道端にたくさん生えていた。一抱えもある大きな株に育った個体もあった。大きな株に房状の花がたくさん付いていて良く目立つ。(2012.10.29) |
シイの実(ツブラジイ)
照葉樹林の代表的構成樹種。常緑の高木で、四万十川流域の山は植林地以外ではシイ林の占有率が一番高い。白い部分は食べられ、私も子供の頃は良く拾っていた。水に浸けて虫食いをはじき乾かした物を炒って食べる。(2012.10.29) |