[夫と妻バックナンバー]

夫婦・愛しているよ

A婦人
 「うちの主人、独りになりたがるんです。」「そんなの、誰でもじゃないの。時には独りになりたい。」
「時には、じゃないんです。ずっとなんです。」 「仕事自体が独りでする仕事で、ずっと独りなんですよ。その後、家に帰らないで、車の中で寝るんです。 それも2日も3日も。独りでいたいようで。家が嫌なんか、私が嫌んなんか、と思いますよね。 ところが、全くそういう事ではないようで。」

「いいんですけどね。ただ、困るんですよ。仕事先から連絡が入って、さあ、主人はどこにいるかわかりませんじゃあ。 それで、携帯電話を持たせて、独りでいたらいいから、どこにいるか連絡だけしてくれ、って しつこく、しつこく、緊急の場合だってあるし、困るからと。でも、携帯切ってるんですよ。」

「家の近くでね、どこかで見た事のある車だなあ、と思うと、うちの車なんです。 よく見ると、主人が車の中で、本を読んでる。」大笑い。
「もう、家のすぐ近くなんですよ。読むんなら、家で読めよ、と思う。」大笑い。
「へえ〜、すごく個性的なご主人なんだ。何とかの渡り鳥の高倉健さんみたいで、かっこいいじゃない。 (笑い)夕陽に去って行く、夕陽のガンマンみたい、何かこう、チマチマした男性より、とても素敵じゃない。」
「そう言われたら、うちの主人が何だかよく見えてくるけど(笑い)、でも、これが結婚してると、 困るんですよ」「まあ、そうよねえ。」

独りになりたいものを、放っときゃいいじゃん、独りにさせておけば、と思うけれど、それが出来ないから悩むんだよね。

「姉妹は、独りになりたいとか思わないん?」「ええ、だって、主人と子供が出たら、 毎日、ずっと独りですしねえ。思わないですねえ。」
そばの姉妹も「思わないです。子供がものすごく小さくて、 自分の時間が全く無かった時は、思った事があるけど、今は全然思わないですねえ。」

「ああ、そうなんだ。だから、全然わからないんだ。そして、夫の全部を何もかも知っていたくて、 把握していたんでしょ。」
「そう、それなんですよ。それ!それが性格的に人一倍、ものすごく強いんですよ。」

「だからよねえ。ある姉妹は、何にも夫に要求しない、ただ一つだけなんだ、一つだけのお願いが、 放っておいて欲しいんだって。ちょうど反対だよね。
ある姉妹は、綺麗好きで、塵一つ落ちてるのが嫌で、綺麗に片付ける。 ご主人は、片付いていると落ち着かなくて、部屋に物がすぐ取れるように、 転がっている方が落ち着くんだって。ちょうど正反対。」

「夫婦って、絶妙に、とてもうまい具合に組み合わされていて、双方共、お互いに砕かれるんだよね。 それで、成長して行くんよね。」

「ご主人をずっと変えようとしてきたんでしょ。」「そうです。もう、幾ら言ってもだめで、喧嘩になって。」
「変らなかったんでしょ。」「そう、全然、全く変らない。」
「でも、それがご主人だよね。ご主人はそうなんだから、それでは、だめとなると、 別の人になれということよね。まず、ご主人を受け入れて、どうぞ、どうぞ、お独りでどうぞ、と言ったら」
「主人、もうびっくり仰天します。私がどうにかなったんじゃないか、おかしくなったんじゃないかと。でも、それって、きっと一番すごい証しになる。」皆で大笑い。


B婦人
自分の実家で、ちょっとした問題が起きた。
「その問題と悩みにあった時、感謝だったのが、夫だった。不安と煩いの中にいた時、夜の2:30まで、 夫が、ずう〜っと私に付き合い、話してくれた。
その問題に関連して、その時、夫が言った。『人によって、愛されている事の感じ方が違う。 相手からどうしてもらう時、自分は愛されていると感じるかが、重要だ。
君は、僕が家事を手伝う事とかじゃなくて、こうやって一緒にいて、話しをする事が、 僕から、愛されていると感じるから、僕は今そうしているんだ。』

私は夫からそれを聞いた時、ものすごく自分を恥じた。本当に恥かしかった。
自分はと言えば、自分の思いを相手に押しつけていただけ、相手の願いや、相手の望む事じゃなくて、 相手が自分の望むように動けば、満足する。
自己中心で、自分の都合のいい範囲でしか愛せない。 結局、相手を愛してるんじゃなくて、自分を愛しているんだよね。自己愛だよね。 気づかされて、感謝だった。」

「神様は、今回の事も益として、ご主人とのいい交わりの時として下さったんだね。」 「そう、本当にそう思う。感謝だった。」

的を射て、愛さないと、的はずれに幾ら愛しても、自分の思い込みと、押し付けに過ぎない。 的はずれは、罪。それは、愛じゃなくて、自己中心、自我である。うん、そうよね。


C婦人
「うちのお父さんがもう感謝で、感謝で。私は、もう律法主義のがちがちで、自分も人も型にはめて、 パリサイ人そのものだったんです。
礼拝の時間に遅れるのが、私は気になって、気になって。それが、お父さんはゆったりしていて、 出る前まで、祈っていたり、用意を、バタバタしたりで、『お父さん、前もって、前もって、 準備しとこうや』と、いつも言うんだけど、なかなか思うように行かなくて。
ある時、遅れてしまって、私は、イライラしていて、お父さんが、車の中で『ごめん、悪かったね』 と言ったんだけど、私は、もうムツとしたまま、返事もしない。
一言出したら、もう爆発しそうで。ムツっと、押し黙ったまま。車の中に、賛美が流れている。
“主よ、あなたを愛します〜”愛?愛など、どこかへ吹っ飛んで、心はさばきと怒りで、 もうさんざんな状態。

そして、そんな事があって、しばらくして、ちょうど同じ事が起こった。
今度は、教会の昼食の準備で、私が遅れてしまった。礼拝に私のせいで遅れて、もう、 申し訳なくて、申し訳なくて、行く車の中で、『お父さん、ごめんね。』と言ったら、 主人が、優しく「ご苦労じゃったねえ。」と言った。
全く、責めていず、さばいていない姿に、もう「ガーン!!」と来て、自分自身が砕かれた。 こういう私だから、お父さんを与えて下さったと、もう感謝で、感謝で。」