第1節 自然独占と市場の失敗
(1)自然独占
電力・ガス→費用逓減型産業:固定費用が大きく、産出量の増加につれて平均費用が逓減
自然独占
TC=1000+2Q
AC=1000/Q+2
Q=1のときAC=1002
Q=2のときAC=502
Q=10のときAC=102
Q=1000のときAC=3
(2)限界費用価格形成原理
P=100−Q
TR=100Q−Q2
MR=100−2Q
MR=MCより 100−2Q=2
Q=49
利潤={100*49−(49*49)}−1000+2*49
=2499−1098=1401
自然独占数値例
社会的厚生の最大化
総余剰=総評価−総費用
総余剰最大化 限界評価=限界費用
消費者の需要曲線:消費者の限界的評価
需要曲線はある財を購入する際に支払ってもよいと考える価格
消費者の需要曲線と限界費用曲線の交点で総余剰が最大化される。
「限界費用価格形成原理」
価格=限界費用 100−Q=2
Q=98
利潤=196−1196=-1000
限界費用価格形成原理にしたがった場合、利潤がマイナスになってしまう。
→政府が損失を補填すればよい(ただし、経営努力を阻害、補助金の財源調達の問題もある)
現実的には政府はゼロ利潤点での生産を強要
AR=AC
第2節 政府の失敗
(1)公共部門の非効率性
組織のインセンティブ
民間企業:倒産 公的企業:親方日の丸
競争
電信電話公社、→NTT、第2電電
個人のインセンティブ
俸給構造に対する制約:国家公務員に準じる
雇用保証
X非効率性
潜在的な超過利潤は、高賃金、経営者努力の不足を生む。
(2)官僚制度
パーキンソンの法則 公的組織の肥大化
ニスカネンの仮説 官僚の規模の最大化
第3節 New Public Managementの潮流
1980年代のイギリス、ニュージーランド、オーストラリア、カナダ
New Public Management 公的部門の改革
→公的企業の民営化、民間委託・バウチャー制度など
(1)エージェンシー化
独立行政法人(エージェンシー)化 公務員組織そのものを外部組織へと移行
PFI(Private Finance Initiative)
事業類型 | 内 容 |
BOT (Build Operate Transfer) |
事業会社が施設を建設し、一定期間所有・運営した後、公共側に譲渡するもの。 |
BOO (Build Operate Own) |
事業会社が施設を建設した後、公共側に譲渡することなく所有・運営するもの |
BTO (Build Transfer Operate) |
施設完成後、公共側に譲渡し、事業会社は施設の使用権を得てその運営を行うもの。 |
BOS (Build Operate Sell) |
施設の完成直後、ないしは一定期間後、公共側に施設を売却し、リースを受けて運営を行なうもの。 |
BMT (Build Maitenance Transfer) |
施設の完成後、公共側に施設をリースし、メンテナンスを行なうもの。 |
出所)井熊均(1998)『PFI公共投資の新手法』日刊工業新聞社p71引用。
類型 | 内容 |
第1類型:料金徴収型 |
料金収入又は関連事業収入を充当することにより民間事業者が整備費用を回収するもの。徴収する料金や関連事業収入を公共施設整備費用にあてることにより原則として成立する事業。 |
第2類型:一体整備型 |
公共施設と民間施設と民間施設を一体的に整備することにより、公共施設整備を単独で実施するよりも効率が向上する(公共負担が軽減される)もの。 |
第3類型:公共サービス購入型 |
公共主体に代わって民間事業者が施設を整備・管理することが相当合理的であり、当該公共主体から対価を受け取るもの。民間事業者が建設・管理する施設から提供されるサービスに対し、公共主体が対価を支払うことにより、効率が向上する事業。 |