第2章 政府支出の現状と課題

第1節.政府支出の現状

(1)予算制度
一般会計予算    





表2−1 一般会計歳入歳出予算総表

http://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/basic_data/201502/sy2702b.htm
(単位:億円、%)


出所:財務省ホームページ



     
平成28年度当初予算
   税収       57兆6,040億円  対前年度3兆700億円増

   公債金    34兆4,320億円  
   
   国債費   23兆6,121億円 

 

プライマリーバランス(基礎的財政収支) 歳入から公債収入、歳出から国債費を取り除いた収支  
H28
歳入96兆7,218億円−公債金収入34兆4,320億円=62兆2,898億円

歳出96兆7,218億円−国債費23兆6,121億円=73兆1,097億円
               プライマリーバランス マイナス10兆8,199億円


(2)一般会計の予算編成
5月頃   各省庁がそれぞれ翌年度の予算の見積もりを作成
8月末   財務省に対して8月末までに概算要求を提出
       →財務省は、各省庁から提出された見積もりを検討して財務省原案をまとめる。
12月末   政府案が決定
1月下旬   政府案を国会に提出
         →衆議院、参議院の順番に審議、衆議院で可決された予算案は、参議院で30日以内に議決しない場合には自然成立
                      ↓
国会の審議が紛糾して会計年度の始まる4月に間に合わないときは、暫定予算で対応。
                      ↓
会計年度が始まっても年度の途中で経済状況によっては補正予算が組まれることもある。(最初から組まれた予算は、当初予算とも呼ぶ)
                      ↓
会計年度が終了すると、決算を確定する作業に入る。
→決算は会計検査院の検査を経て、国会に提出。

 
(3)財政投融資
国が政府関係機関を通じて資本市場に参加し、国民から資金(郵便貯金、社会国民年金、厚生年金保険の保険料等)を集め(資金運用部に)、国民に融資すること。
財政投融資の機能
政策金融 中小企業育成、住宅建設促進
還元融資 年金に関係した健康の増進や生活向上
          厚生福祉施設                グリーンピア三木など
                                    ↓
平成13年4月  資金運用部は廃止され、郵貯などは市場で自主運用し、特殊法人は財投機関債を発行して市場から資金を調達。

財務省による財政投融資の説明


(4)歳出

平成28年度一般会計当初予算(主要経費の内訳)

http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2016/seifuan28/01.pdf





目的別 国家機関費、地方財政費、防衛関係費、国土保全及び開発費など 
所管別 内閣府、総務省、財務省、厚生労働省など

(5)歳入

平成28年度一般会計歳入総額と内訳

http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2016/seifuan28/01.pdf


第2節.政府支出の効率化
(1)経費膨張の法則 
19世紀 ワグナーの法則 近代国家では経済の成長とともに政府支出が増大
第2次大戦後 ピーコック=ワイズマン イギリスの実証分析  転位効果仮説

図2-3 我が国の実質政府支出の推移(単位:10億円)                                  

備考:2005年基準CPIで実質化している。
出所:『第58回 日本統計年鑑(平成21年)』総務庁統計局より作成



(2)費用便益分析(cost-benefit analysis)
<公共投資基準>
民間投資で用いられている基準を公共投資に適用
   投資収益の現在価値>費用の現在価値 
純現在価値(Net Present Value)が正ならばプロジェクトを採用

B:便益 C:経常費用 K:初期投資 r:割引率 
<数値例>
ダム 初期投資     4億円
各期に発生する純便益 Bt−Ct=2億円 
割引率           r=0.1
設備の耐久期間     3年

NPV=2/(1+0.1)+2/(1+0.1)2+2/(1+0.1)3-4=0.97
     NPV>0

<公共投資の優先順位>
純便益の現在価値を初期投資額で割って投資額1単位当り純便益を比較
便益をどのように測定するかが困難

便益・費用比

<費用効果分析>
目的実現のための複数の代替案の中から、費用最小のものを選択する

(3)予算のコントロール
  ゼロ・ベース予算
 シーリング
 ゼロ・シーリング
   マイナス・シーリング 昭和58年以降



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