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フィルタの製作と組み込み

意外と難しい

 フィルタは部品点数もわずかなので簡単に考えていましたが,穴なし基盤への表面実装で部
品が混んでいるため案外面倒です.リードをキチンと曲げ,寸法とりをした後,次に同じランド
に乗る部品のことを念頭に置きながらハンダ付けしていきます.


 今回のキット全部品

 
フィルタ部                            アンプ部  VRは出力調整のための回路変更箇所

組み立て後試験が終わったらリグに組み込みます.


基盤の裏面にはあらかじめ両面テープが張ってあり,スペースさえあれば自在に取り付け可能


フィルタの右に見えるのは拾ってきたACアダプタ(15V 500mA).出力をAVR ICにそのまま加え12Vを得ている.


フィルタの on/off のためスイッチの増設を行います.アンプ部の電源の制御もおこなうと3回
路のスイッチが入用ですが,適当なものがないので,電源は常時9Vのラインに接続しました.


いったんパネルを取り外しフィルタSW用の穴を開ける.アクリル用のドリルビットがないので8本組みの刃を使用し
少しずつ拡大した.いっぺんに所要の直径の穴を開けようとするとクラックを生じる.


 
内部横                             内部正面      

 実装状況は真空管式と異なり美しさのカケラもない
内部下面


フィルタは期待どうりの効果を発揮してくれました.DC方式の宿命としてバンドの混雑が2倍と
なりますが隣接局の混信は見事に切れます.またLPF・HPF・BPFの組み合わせは群遅延歪
みを生じないためアクティブフィルタや狭帯域クリスタルフィルタのようなリンギングを発生しま
せん.このフィルタについて詳しくお知りになりたい方はCQ誌2003年5月号をご覧下さい.



もう一つの問題点

 実は送信に切り替わった直後にギャッという音がします.自作のセミブレークイン回路は送受
で Vccを切り変えているはずなのに受信部へ回りこんでいます.そんなハズはないと思って,
よぉーく観察すると,受信時のみ RXフロントエンドに供給されているはずの9VラインのLED
が送信時ゆっくりと消灯します.どうやらフロントエンドの電源系に接続されているケミコンが原
因のようです.そこで余っているリレー端子を使い受信時のみ9Vが供給されるラインを送信時
アースに落としてみました.結果は大成功,送受切り替え時はリレーのカチャカチャ音だけに
変わりました.



再組み上げした本機 POWERの上がフィルタスイッチ

以上2点の改造で本機はやっと実用レベルの性能となりました.かつてミズホさんで販売して
いたDC-7XというDC方式の7MHz帯用QRPCWトランシーバーがありますがそれを上回る使
い勝手が実現できたと思います.ただ,Sメータ/POWメータがないのが物足りないところかも
しれません.  今度これでゆっくり和文ラグチューをやってみたいと思っています.

緒元

送受信周波数 7.0-7.1MHz
出力       2W
電波形式    A1
受信方式    ダイレクトコンバージョン方式

その他     AC電源内蔵
         長短点メモリ付きエレキー内臓
         パッシブ型AFフィルタ内臓
         SIDE TONE付 セミブレークイン回路内臓
         DELAYTIME 可変
         KEY入力 2  パドル入力 1
         W 21.0×H 14.5×D 15.0 (Cm)


DC-7Xについて

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