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高1中2ジャンク

  2003年11月に入手したものです.部品取りの目的で購入しましたが製作当時の自作派
ハムのロマンが偲ばれてバラすのに躊躇しているところです.

○ プロファイリング

外見からわかることを列挙しますと・・・

特徴的なことはダイアルが左よりに配置されていることです.9R-59やドレークを例にとるまで
もなく右ききならば右よりというのが普通の配置だと思うのですが・・・作者はサウスポー?
また電源コードは背面ではなく右側面からシャーシ外に引き出されています.

回路構成は局発(LO)を6BE6の他励式とした高1中2
BFOは6AV6の独立管使用,プロダクト検波は行っていません.
AM検波とAF部は6AV6-6AR5を使用したOPT外付け式

構成は以下のとうりです

RFA
6BA6
MIX
6BE6
IFA
6BA6
IFA
6BA6
DET・AFA
6AV6
PA
6AR5
LO
6BE6
BFO
6AV6
PA管の名称は判
読できなかったがR
kが500オームであ
ることから推定した





穴あけ箇所にバリの残るところがいくらかあり,ケーシングについてはまったく考慮された痕跡がありません.ゴム足
すらついていませんし,バーニアダイアルにいたってはL型金具にビス一本で固定という本格的な設計の電気回路か
らは考えられないようないい加減さです.





長い歳月を分解や破棄されずによく生き残ったものと感嘆してしまう・・・ビスは何箇所もユルんだり脱落したりしてい
る.強い力もかかったようでモード切り替えSWやMIX球の部分のシャーシに歪みがある.



 コイルはトリオの S-I ,IFTはT-21です.このコイルは本来 7.5Mc-15Mc用ですがバリコンの
ローターを改造して可変範囲を挟くしてあります.どうやら14Mバンド専用機のようです.
使用している3ミリビスがJISのマイナス(-)であることから昭和40年頃の作と思われます.

 裏面の様子はテンプラハンダらしき箇所は見当たらずかなり手馴れた作りです.またANTコ
イル部分のコンデンサにはチタバリ,低周波部はオイル,他はマイカかセラミックといった具合
でパーツの使用方法も実に的確です.抵抗についてはP型が主でグリッドリークの5Mオーム
等一部にL型抵抗が使用されていますがこれはジャンクの流用でしょう.ほとんどのパーツは
当時の新品を使用したと思われ,小遣いに不自由しない人がキチンとした目的意識を持って
設計したものです.



 目に付くのはヒーター配線で,通常片端アースで行うところを丁寧に二本配線され最後の球で片側アースに落とし
てあります.またセンターピンをアースするというラジオ屋にはおなじみの作業を低周波段でおこなっていません.オ
ーディオの世界では電圧増幅段であえてアースを取らないことがありますので作者はその方面にも明るい人のようで
す.



スタンバイ端子らしきものが見えるが実際にQSOに使用されたかは疑問.右下に見える半固定抵抗はIF段のカソー
ドに接続されている.Sメーター用である.


 高1中2といえばこの時代の標準機だったはずです.実用を想定すればケース等にもそれな
りにこだわったものを使用するところですが,シャーシは再使用品です.こんなところからあま
り見かけにこだわらない性能本位の自作マニアの作と思われます.

 ・・・っというわけでこのリグは自作そのものを楽しむ目的で製作されたもののようです.時代
はSSBが普及し始めていた頃のはずで完成時には既に陳腐化が始まっていたかもしれませ
ん.完成した時点で作者は満足しオンエアではあまり使わなかったのではないかと推測されま
す.あてずっぽうの推理ですが2アマ以上の資格を持つ高校生ハムの作ではないかと考えて
います.自作好きならばこのリグはその後の工作のための部品取りで跡形もないところです
が,完成後しばらくして進学(就職)となり製作を継続できなくなったのではないかという推理で
す (・_・)


 今後はいったん通電可能な状態に整備を行い部品・真空管の健全性を確認してから分解し
たいと思います.ナショナル製のBFOコイルについては手元に回路図が無いので発振回路の
書き起こしを行いたいと考えています.


永い眠りからの復活



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