天ちゃんの新兵器
カツカツカツ

捲簾「お?おーい、こんぜーん!」
金蝉「ああっ!?(激怒)」
捲簾「天蓬のトコ行ってたのか?アイツ居た??」
金蝉「天蓬…アイツはーーーっっ!!(憤慨)」
捲簾「な…何かあった訳〜?」
金蝉「おい、天蓬のヤツにミョーなモンばっか作るのはかまわんが、俺を巻き込むなと言っておけ!」
捲簾「ミョーなもの?(眉顰め)」
金蝉「チビ猿ーーっ!ドコ行きやがったああぁぁっっ!!」
捲簾「…ヤな予感(ゾクンッ)」

コンコン☆

捲簾「てんぽー?」
天蓬「はい、どーぞ」
捲簾「…めっずらしー、本雪崩がおきねーよ(驚)」
天蓬「新しい家具配置するのに片づけたんです(ニコッ)」
捲簾「何このテーブルセット…いつの間に?」
天蓬「涼しげでいいでしょう?南方軍が視察で下界に降りると訊いたので、持ってきて貰ったんですよ〜。なかなかいいでしょ?」
捲簾「ふーん、これってどの辺の?」
天蓬「東南アジアの家具ですよ、結構しっかりしてて丈夫そうですしね」
捲簾「お前にしてはまともなモン頼んだよなぁ…」
天蓬「あ、失礼ですね!僕はいつも実用性のある楽しいモノを持ってきてますよ」
捲簾「99%ガラクタじゃねーか(呆れ)」
天蓬「そういうこと言うんですか、せっかく捲簾用もと2脚イス用意したのに」
捲簾「そんなことで拗ねるなよ(苦笑)」
天蓬「お茶でもいれますか…あ、そこ座ってて下さい」
捲簾「おう」
天蓬「どうです?座り心地は」
捲簾「へー、結構どっしりしてて座り心地いいじゃん。でも移動するのは大変だな」
天蓬「そうですか?そんなに動かすモンでもないから平気ですよ」
捲簾「手すりがあるとやっぱラクだな〜」
天蓬「…そうでしょう(ニッコリ)」
捲簾「あ、そうだっ!さっきそこの回廊で金蝉に会ったけど、えっれーキレてたぞ?」
天蓬「あー…、ちょっと試してみただけだったんですがねぇ」
捲簾「試すって?何かお前がミョーなモン作ってるって言ってたけど(キョロキョロ)」
天蓬「それでしたら、コレですよvvv」

ガシャン!ガシャン!ガシャン!

捲簾「な…何だあぁぁぁっ!?(呆然)」
天蓬「ただの椅子じゃつまらないので改造してみました〜」
捲簾「改造だとーっ!?」
天蓬「おや?捲簾も丁度良かったみたいですね〜、よかったよかった♪」
捲簾「よかったじゃねーっ!何だこのイス〜!!何で手と足がっ!!(じたばた)」
天蓬「あー、それは暴れん坊防止対策ですよvvv枷つけないと、そーやって暴れるでしょ、捲簾は(ニッコリ)」
捲簾「こんなモンじゃなきゃ暴れねーだろうがっ!これ外せよっ!!」
天蓬「い・や・で・すぅ〜♪これからが本番なんですよvvv」
捲簾「ほっ…本番??(脂汗)」
天蓬「えーっと…さっき金蝉にはお試しで少量にしましたけど、捲簾は通常量で大丈夫ですね(ぶつぶつ)」
捲簾「コラッ!一人で話進めてんじゃねーっ!!ナニするつもりだああぁぁっっ!!」
天蓬「うーん…本当は全裸で座って貰った方が僕的には楽しめるんですけど〜」
捲簾「人の話を聞けーっっ!!(絶叫)」
天蓬「それじゃ、レベル5全開でいってみましょうか(ウキウキ)」
捲簾「落ち着けっ!冷静になれよ、な?(怯)」

ぽちっ☆

捲簾「うわっ!!(ビクッ)」
天蓬「別に痛くはないでしょう?(ニコッ)」
捲簾「痛くはねーけど…何だよこれっ…身体が何か…」
天蓬「微弱な電流を流してるんですよ〜」
捲簾「…別に痺れちゃねーけど」
天蓬「流すところを考えてますから…まぁ、電流ですから身体のコリとかは取れるかもしれませんけど?」
捲簾「ジジィ扱いすんな!」
天蓬「…そろそろですかねぇ」
捲簾「何がだよ…」
天蓬「身体…熱くなってきませんか?(微笑)」
捲簾「カラダ?そういえば何か…」

なでなで…

捲簾「うあっ!(ビクビクッ)」
天蓬「うわぁ〜スゴイですねぇ、捲簾!ちょっと太腿触っただけなのに…カワイイvvv」
捲簾「天蓬…お前コレって(冷汗)」
天蓬「はい、生殖中枢を刺激してるんですよ〜♪いやぁ、捲簾ってばさすがですねっ!(ニッコリ)」
捲簾「…お前にだけは言われたくねーよ」
天蓬「しかしいつもよりスゴイんじゃないですか?ホラ、形まで分かっちゃいますよ〜vvv」
捲簾「あっ…ばかっ…触るな!握るな!撫でるなあぁぁぁっっ!!(悶)」
天蓬「あ、もう濡れてるんじゃないですか?それは大変!!下脱いじゃいましょうね〜♪」←黒
捲簾「うわわわっ!ヤメロ!!こんなモンてめぇでヤレばいいだろうっ!!」
天蓬「僕ですか?僕は捲簾見ただけで…ほら、この通り」←準備万端
捲簾「ぎゃああぁぁぁっっ!!(怯)」
天蓬「今更照れるなんてカワイイですねぇ…ささ、いっぱい楽しいことしましょうね〜♪まだまだ仕掛けはあるんですよ〜vvv」←どす黒
捲簾「ひいいぃぃぃっっ!!(涙目)」

その頃。

悟空「やだやだっ!お日様まだあそこにあるし、おやつ食べてないし(後ずさり)」
金蝉「ウルセー!文句なら天蓬に言いやがれっ!」
悟空「うわあぁぁーんっ!!(号泣)」



天の川にお願い
悟空「えっとー、ペンはどこかな〜(ゴソゴソ)」
金蝉「…何やってるんだ?」
悟空「あ、こんぜんっ!お仕事は?」
金蝉「おやつの時間だから呼びにきてやったんだよ…で、何探してるんだ?」
悟空「んとね?ペン探してるの」
金蝉「あー?何か描くならいつものクレヨンでいーだろ?」
悟空「クレヨンじゃ書きづらいの!ねーねー、金蝉ペン貸してよ」
金蝉「執務室に戻ればあるが…ペンで何書くんだ?」
悟空「天ちゃんと字書く約束したのっ!」
金蝉「あー、天蓬に字を習うのか」
悟空「違うよ?あと輪っかも作るの〜」
金蝉「…話が分からん(憮然)」
悟空「そんでケン兄ちゃんが下界から引っこ抜いてきたのっ!(奮)」
金蝉「……おやついらねーのか?」
悟空「いるっ!今日のおやつなぁに?」
金蝉「ごま団子だ」
悟空「わーいっvvvこんぜん、早く早く〜(ぐいぐい)」
金蝉「…はぁ。後で天蓬にでも訊くか(疲)」


天蓬「捲簾…いくら何でもコレは大きすぎるでしょう。悟空が持って帰れませんよ」
捲簾「そっかぁ?どうせならデッカイ方がいいかと思ったんだけどなぁ〜。んじゃ切るか」

スパンッ☆

天蓬「さすが、捲簾大将!見事ですねぇ〜」
捲簾「お前が言うと褒められた気がしねーんだけど…」
天蓬「素直じゃないですねぇ…ホントに感心してるのに」
悟空「天ちゃーんっ!(ばたばたばた)」
天蓬「あ、悟空戻ってきましたね。他も準備しないと」
悟空「見て見て〜♪」
捲簾「おー?すっげー色紙いっぱいあるな〜、金蝉に貰ってきたのか?」
悟空「ううん、さっき観音のお姉ちゃんにあってね。説明したらコレいっぱいくれたの♪」
捲簾「すげー…、悟空の説明で理解できたのかよ。さっすが観世音菩薩サマ(感心)」
天蓬「観世音菩薩は何か言ってました?」
悟空「ん?『たんざく』ってーやつのゆいしょ正しい書き方教えてくれたっ!」
捲簾「…由緒正しい?何だそりゃ(首捻り)」
悟空「お姉ちゃんが『短冊はコレに書くもんだ』ってくれたけど…(すいっ)」
捲簾「……こんな馬鹿デッカイのに書くって?お前ソレ、垂れ幕じゃねーんだから(呆れ)」
悟空「うんっ!そうじゃないと願い事がお星様から見えないから叶えてもらえないって…大きいほどいいんだけど、それだと笹にぶら下がらないからってコレくれたの」
捲簾「…天蓬」
天蓬「何ですか、捲簾」
捲簾「笑ってもいいか?」
天蓬「ダメですよ、ホントのことを悟空が知ったら後々のお楽しみが減るじゃないですか〜♪」
捲簾「楽しみ?(首傾げ)」
天蓬「金蝉の反応ですよ」←黒っ!
捲簾「…お前って(汗)」
天蓬「僕の楽しみ減らす様なことしたら、お仕置きですよ?捲簾vvv」
捲簾「ゲッ!でもまぁ…どーなるか確かに見物だよな〜」
天蓬「でしょう?(ニッコリ)」
悟空「ねぇねぇ、輪っかと他になに作るのー?」
天蓬「まぁ、綺麗に飾れれば何でもいーんですけどね…天ちゃんと一緒に作りましょうね♪」
悟空「おうっ!俺がんばる〜(ぐぅ!)」
捲簾「んじゃま、俺は引き上げるかなぁー…」
天蓬「何言ってるんですか、捲簾もやるんですよ(ぐいっ)」
捲簾「ぐえっ!いきなり引っ張るなっ!」
天蓬「…捲簾、分かってますよね?(ニーッコリ)」←氷点下100度
捲簾「謹んでお手伝いさせて頂きまーす…(怯)」
天蓬「それじゃ、捲簾はこの色紙を細長くハサミで切って下さいね」
悟空「天ちゃん、俺はっ!?(わくわく)」
天蓬「悟空は天ちゃんと一緒にお星様を折りましょうね〜」
悟空「はーいっ!」
天蓬「えーっと、あと糊と紐もいりますねぇ…捲簾?」
捲簾「はいはい、持ってきますよ〜」
天蓬「とりあえず使いそうな文具をそこらへんから発掘して貰えます?」
捲簾「…ここから発掘するのかよ(ゲソッ)」
天蓬「机の周辺を探せば出てきますって」
捲簾「俺のトコから持ってきた方が早い気がするんだけど」
天蓬「…逃げる気ですか?」
捲簾「逃げねーよっ!(ゾクゾクッ)」
天蓬「それじゃ、持ってきてください。お願いしますね」
捲簾「ほいほーい♪悟空、ちょっと待ってろよ」
悟空「うんっ!ケン兄ちゃん早くね〜♪」


天蓬「これぐらい折ればいいですね。それじゃ次は…」
捲簾「持ってきたぞ〜」
天蓬「ああ、丁度良かった。それじゃ捲簾の切った紙で輪飾りを作りましょうね」
悟空「うんっ!」
天蓬「と言うこと何で、捲簾せっせと紙切っていって下さいねぇ(ニッコリ)」
捲簾「何だよ、タバコぐらい吸わせろよ〜!何気に人使い荒いよな…お前って」
天蓬「それこそ今更でしょう?早くしないと悟空の夕飯が遅れちゃうじゃないですか」
悟空「え!?やだやだっ!!早くやるの〜」
捲簾「わっかりましたよ…」
天蓬「輪っかはこーやって糊で付けていけば出来ますからね」
悟空「うん、分かった♪」
天蓬「それじゃ、僕は違う飾りを作りますか…捲簾、ハサミもう一つあります?」
捲簾「ほいよ」
天蓬「えーっと…」

チョキン、チョキ…

悟空「天ちゃん、何それ?」
天蓬「こーんなもん作ってみました〜♪」
悟空「うわっ!すっげー!!このアミ、どーなってんのー?」
天蓬「なかなか器用なモンでしょう?(ニコッ)」
捲簾「天蓬、こんなもんでいーんじゃねーか〜?」
天蓬「そうですね、それじゃ飾り付けましょうか…上の方は僕と捲簾が付けますから、悟空は下の方をお願いしますね」
悟空「うんっ!」


捲簾「…なーんかエライ派手な笹になったなぁ」
天蓬「お祭りなんだからいーじゃないですかvvv」
捲簾「違うだろ、そりゃ(呆れ)」
天蓬「それじゃ短冊書きましょうか…はい、捲簾の分」
捲簾「お前何書くの?」
天蓬「僕ですか?そうですねぇ…世界中の書物を読めます様に、とか」
捲簾「お前…天界を本の重みで潰す気か?」
天蓬「そんな大げさな〜、それじゃ捲簾は何書くんですか?」
捲簾「俺?俺はやっぱコレしかないでしょっ!」

キュキュキューキュッ☆

悟空「なになに?見せて〜♪えーっとぉ…はーれむ??(首傾げ)」
捲簾「やっぱオトコの野望だよなぁ〜」
悟空「ねーねー、天ちゃーん!『はーれむ』って何?(大声)」
天蓬「……捲簾、子供の前で何書いてるんですか?(微笑)」←ブリザード
捲簾「いやっ…えーっとぉ(脂汗)」
天蓬「没収です!書き直しましょうね」
捲簾「……はい」
天蓬「悟空、コレに試し書きしてもいいですよ〜(ピラピラッ)」
悟空「うーんとぉ…じゃぁ」

キュ〜キュキュキュ〜キュ〜

悟空「うーん…やっぱ違う色のペンにしようかなぁ〜」
天蓬「んー?文字が見えづらいですか?」
悟空「うん…お姉ちゃんに貰った『たんざく』オレンジだから、赤じゃ見えにくいよねぇ?」
天蓬「どれどれ…」

じーーーー…

捲簾「…何固まってんだよ?」
天蓬「前言撤回しましょう、この短冊も飾りましょうね〜♪」
捲簾「はあ?いきなり何言ってん…」

ピラッ

捲簾「あー、何だって?『てんちゃん…ハーレム』天ちゃんハーレムって、何だそりゃーっっ!?」
天蓬「それなら全然問題ありませんね〜あはははは♪」
捲簾「問題ありまくりだっ!!」
天蓬「どーしてですかぁ〜?」
捲簾「考えても見ろよっ!天蓬のハーレム…天蓬がいっぱい…天蓬がてんこ盛り…天蓬が大集団で…うわあああぁぁぁっっ!!!(錯乱)」
悟空「…ケン兄ちゃん、どーしたの?(きょとん)」
天蓬「とーっても楽しいこと考えてるんですよvvv放っておきましょうねぇ♪」←人でなし
悟空「ふーん…」
天蓬「悟空はお願い事に何書くんですか?」
悟空「えーっとねぇ…書き方わかんなかったから、お姉ちゃんにお手本書いて貰ったの〜♪これと同じこと書けば、俺のお願い事と同じだって(ゴソゴソッ)」
天蓬「へぇ…どれどれ?」

しーん…。

天蓬「……成る程。これなら金蝉も喜びますよvvv(にっこり)」
悟空「ほんと?」
天蓬「ええ、願い事叶うといいですね(微笑)」
悟空「えへへ…(照)」
天蓬「うーん、でも文章が長いですから書きやすい様に線を引いてあげますね」
悟空「天ちゃん、ありがとーvv(ぎゅっ)」
捲簾「なになに?何を書くんだよ(ひょこっ)」
天蓬「もう一人遊びは終わったんですか?」
捲簾「うるせーよっ!で?何書くの??(覗き)」

しーーーん…。

捲簾「…天蓬」
天蓬「何ですか、捲簾」
捲簾「笑ってもいいか?」
天蓬「ダメです。僕だってガマンしたんですから」
捲簾「んじゃ…後でまとめて笑うわ」
天蓬「そーして下さい」


カサカサカサ…
バッターンッ!!

悟空「こんぜん、ただいまーっっ♪」
金蝉「やかましいっ!静かに入って来いっていつも言ってんだ…何だ、それは?(眉顰め)」
悟空「今日は乙姫様と彦星がラブラブな日なの〜vvv」
金蝉「…訳分からん(頭痛)」
悟空「んっとぉ…『たなぼたまつり』ってゆーのっ!」
金蝉「たなぼた??」
悟空「あれ?違うっけ??えっと…たなぶた…違うなぁ。んとね、笹にお願い事書いて祈るんだって!そーゆー日なのっ!」
金蝉「…もしかして、『七夕』のこと言ってんのか?(呆れ)」
悟空「そうっ!たなばた〜♪」
金蝉「七夕の笹飾りとは随分違うモンがぶら下がってる気がするんだが…」
悟空「そう?これがきほんしよーだって天ちゃん言ってたけど(首傾げ)」
金蝉「別にいいけどな…それにしても、何だ?その垂れ幕は??」
悟空「コレ?これは俺のたんざく〜♪」
金蝉「随分と欲張ったな、お前。どーせ食い物の名前いっぱい書いたんだろ?(苦笑)」
悟空「…違うもん(プクッ)」
金蝉「じゃぁ、何を書いたんだ?」
悟空「ん?えっとぉ…(もじもじ)」
金蝉「???」

カサッ…

『おっきくなったら、おねぇちゃんがなこうどで、こんぜんとけっこんして、こんぜんとおれにそっくりなこどもがうまれて、しあわせなかていをきずけますように―ごくう―』

金蝉「……何だコレは?(ヒクヒクッ)」
悟空「えー?こんぜんとずううぅぅぅーっと一緒にいられるお願いごとvvv(ニコッ)」
金蝉「ババァーーーッッ!!ふざけやがってっっ!!!(激怒)」
悟空「え?え?違うの??お姉ちゃんがこう書けば願いが叶うってゆってたんだけど(じわっ)」
金蝉「あ…いや…だからな?(焦)」
悟空「違うのおぉぉっ!?(号泣)」
金蝉「普通はそういうもんなのかもしれねーけど、俺らは違うんだよ」←かなり苦しい
悟空「なんで?俺普通でいーよ?こんぜんとずっと一緒にいるのって普通じゃないの?もしかして俺が『いたんじ』だから…普通じゃないからお願い事叶わないの…?」
金蝉「そーじゃねー。俺と悟空が一緒にいるのは当たり前だから『普通』なんだよ。それにお前がいちいち願わなくたって俺は悟空を手放す気はねーからな(憮然)」
悟空「ほんと?俺ずっとこんぜんと一緒にいていいの?」
金蝉「お前がいやだって言っても離してやるつもりはねー」
悟空「俺やだなんてゆわないもんっ!(ぎゅうっ)」
金蝉「そうか…」←ご満悦
悟空「あっ!でもさ、このたんざく…お姉ちゃんが『これは絶対金蝉が破れねー約束だから』って言ってたけど?」
金蝉「…ババァの言うことなんか信じなくていい(怒)」
悟空「そうなの?あとこんぜんが俺のこと大事にしてくれる呪文ってのも教えてもらったんだけど…」
金蝉「呪文〜?何だそりゃ??(不審)」
悟空「えと…何だっけ??(首傾げ)」
金蝉「ずーっと思い出さなくってもいいぞ」
悟空「んー…、うう〜〜〜ん〜〜??(頭抱え)」
金蝉「天蓬のヤツも書いてんのか…あ?『第一子の名付け親になります』だと!?クソッ、勝手に面白がってんな(怒)」
悟空「えっとぉ〜、んっとぉ〜」
金蝉「捲簾…アイツまで書いてんのか、ん?『天ちゃんハーレム』…マゾかアイツは(呆れ)」
悟空「うううぅぅ〜〜〜んとおおぉぉぉ〜〜〜」
金蝉「捲簾のヤツ、もう1枚あるな?『新婚旅行用に下界でいい場所を紹介すっぞ?』…ぶっ殺す!(殺意)」
悟空「んんんんん〜〜〜う?」
金蝉「何だ…捲簾は裏にも書いてあるじゃねーか『安眠。』…こっちが本音か」
悟空「あっ!思い出したぁ〜♪(ぽむっ)」
金蝉「…お前、まだ考えてたのかよ(呆れ)」
悟空「ねね、こんぜん〜♪ちょっとしゃがんで?」
金蝉「…?こうか??(しゃがみ)」

ちゅっvvv

悟空「えと…俺のことこんぜんのおよめさんにしてね?(ニッコリ)」
金蝉「………。(硬直)」
悟空「あれ?こんぜ〜ん??」
金蝉「……悟空」
悟空「なぁに?こんぜん(首傾げ)」
金蝉「お前、俺とずっと一緒にいるって約束が欲しいんだよな?」←不穏
悟空「え?…うん…だってこんぜんそうすれば約束破らないだろ?」
金蝉「分かった。口で言ってもお前はすぐ忘れるから、絶対忘れない様にカラダに約束してやる!」

ひょい☆
ガバッ!!

悟空「わぁ〜い、抱っこだ〜vvv」←おバカ
金蝉「もっとイイコトしてやるからな」

バタンッ!

悟空「え?ええっ!?こここここんぜん!!?(焦)」
金蝉「じっとしてろっ!」
悟空「だってだって〜!まだ夜ごはん食べてない…あっ…やぁんっvvv」
金蝉「もっとイイモノ喰わせてやる」
悟空「ああああっっ!!」

暗転…。

悟空「…もっとお腹空いたぁ(えぐえぐ)」
金蝉「(溜息)ちょっと待ってろ、食事持ってきてやるから」
悟空「あっ…(ぎゅっ)」
金蝉「…何だ?」
悟空「えとね?今日は織り姫様と彦星がラブラブする日だから、俺らもいっぱいラブラブしなきゃいけないんだって(赤面)」
金蝉「…どうしたいんだ?(微笑)」
悟空「んと…ちょっとでいいからギュッてしてて」
金蝉「ちょっとでいいのか?」
悟空「…やっぱ、いっぱいして(ぎゅっ)」
金蝉「いくらでもしてやるよ」
  

愛の追いかけっこ
カツカツカツ

捲簾「…っかしーなぁ、ドコ行ったんだ?」

ダカダカダカダカダカ〜

捲簾「おっと…」

ガシッ!

悟空「うわっ!あ、ケン兄ちゃん〜」
捲簾「何猛スピードでダッシュしてんだよ?また転ぶぞー」
悟空「平気だもんっ!あ、ケン兄ちゃん!腕ケガしたんでしょ?大丈夫??」
捲簾「あー、コレ?もうちょっとで骨はくっつくから…固めてあるから痛くもねーし」
悟空「ふぅん…ケン兄ちゃんのお仕事も大変なんだねぇ」
捲簾「そーでもないんだけどな…ま、これは俺のミスだし」
悟空「ミス??(首捻り)」
捲簾「ちょっと油断しててな、俺が勝手に判断してこーなっちまったと」
悟空「んーっとぉ…よく分かんないけど、天ちゃんのゆーこと聞かなかったってこと?」
捲簾「…分かってねーとか言って、真相突くんじゃねーよ(苦笑)」
悟空「んとね、ケン兄ちゃんがケガして戻ってきた時、何か天ちゃん怒ってたから…」
捲簾「そっか…天蓬怒ってたか」
悟空「でもね、天ちゃんに訊いたら『戦いはその場その場で状況が変わりますからね。僕がそこにいたら捲簾がケガをする前に策を打てたんですけど』って。何か天ちゃん自分に怒ってたみたい…」
捲簾「ったく…しょーがねーなぁ(溜息)」
悟空「…ケン兄ちゃん?(キョトン)」
捲簾「あ、忘れるトコだった!悟空、お前天蓬見なかったか?」
悟空「天ちゃん?さっき金蝉と部屋で話してたけど、ちょっとしたら帰ったよ?部屋にいるんじゃないの??」
捲簾「いねーから探してるんだけどな(溜息)」
悟空「んー…ドコ行っちゃったんだろうね、天ちゃん」
捲簾「その時天蓬何か言ってなかったか?」
悟空「別に何も言ってなかったけど…金蝉とはきっとお仕事の話だろうし。でもね…」
捲簾「でも?どうした??」
悟空「んとね…最近何か天ちゃんヘンなんだよ?」
捲簾「…天蓬はいつもヘンだけどな」
悟空「そーじゃなくってっ!ちょっと聞こえちゃったんだけど『部屋に居れない』ってゆってたんだ…天ちゃん」
捲簾「部屋に居れない?」
悟空「うん…部屋に居ると誰かが来るから居れないってゆってた」
捲簾「天蓬の部屋に来る奴なんて…」
悟空「あっ!いっけね!!俺金蝉にお姉ちゃんトコへお使い行くようにゆわれてたの!」
捲簾「あ…ああ、悪かったな」
悟空「じゃーね、ケン兄ちゃんっ!(猛ダッシュ)」
捲簾「天蓬の部屋に行くヤツなんて俺ぐらいしかいねーじゃねーかよ…」


天蓬「はぁ…いい加減時間潰す場所も無くなってきましたねぇ」

コロン…

天蓬「僕が思いつく場所なんて、捲簾もすぐ思いつく場所ですし…困ったなぁ」
捲簾「…何が困るんだよ」
天蓬「捲簾っ!?(ガバッ)」
捲簾「どーいうことか説明して貰おうか。ずっと俺のこと避けてたよなぁ?」
天蓬「そんなこと…ないですよ(苦笑)」
捲簾「2週間ぐらいか…俺がケガしてからだよな?」
天蓬「…何で捲簾怒ってるんですか?」
捲簾「何にも言わねーで、避けるように無視されりゃ怒るに決まってんだろっ!」
天蓬「ちょっとね…自信を無くしちゃって(俯き)」
捲簾「何で?このケガなら俺の独断でやった単独行動が原因なんだから、お前が思い詰める様なことじゃねーだろ?」
天蓬「ええ、そうですよ。状況を先読みして、あなたが単独で行動することも予測にいれるべきだった僕の失態です。僕の策のせいで…あなたを傷つけてしまうなんて」
捲簾「天蓬…お前……自信過剰すぎ(赤面)」
天蓬「それが、僕の仕事なんですから…あなたの副官として、あなたを完璧にフォローするのが」
捲簾「お前は十分すぎるぐらいだよ」
天蓬「買いかぶりすぎですよ…その結果があなたのケガじゃないですか」
捲簾「…で?それとお前が俺を避けるのと、どういう関係があるんだ?」
天蓬「だって…捲簾を見ているのが辛くて(ぼそっ)」
捲簾「お前がそんな殊勝だとは思わなかったな…」
天蓬「だって…そんな痛々しい捲簾を見ていると…」
捲簾「見ていると?何だよ??」
天蓬「無理矢理ねじ伏せてもっと泣かせたくなるじゃないですか〜っ!!」
捲簾「……は?(脂汗)」
天蓬「全く…あなたは気付いてないでしょうけど、普段の様に振る舞えなくて戸惑ってる姿なんか、可愛くて可愛くて可愛くてっっ!!メチャクチャにしたくなるんですっ!!(奮)」
捲簾「えーっとぉ…(後ずさり)」
天蓬「でもっ!あなたのケガは僕の失策のせいですし、腕の直りが遅れたらマズイと思って渾身の理性で我慢してたんですけど…どうにも最近限界になってきて……捲簾の顔を見るだけで…僕はっ!」

ガツッ!

捲簾「うぎゃっ!バカッ!!痛ってーだろっ!!腕がまたヒビ入った…ら…」
天蓬「捲簾…拘束されたあなたも可愛いですよ(ウットリ)」
捲簾「うわわわわっ!落ち着け、天蓬!!目がヤバイぞ!!!(怯え)」
天蓬「大人しくしないと、もっと酷くなりますよ?(グイッ)」
捲簾「いてっ!!やめろ…よぉ…バカッ…(涙目)」
天蓬「ああ…本当に何て可愛いんだろう…捲簾、愛してますよvvv」
捲簾「わっ!ココ外だぞーっ!落ち着けてんぽーーーっっ!!(焦)」
天蓬「こんなとこ誰も来ませんよ(あっさり)エンリョしないで可愛い声聞かせてくださいねvvv」
捲簾「やだやだやだったらやだーーーっっ!!!(喚き)」
天蓬「あー、もうちょっと色っぽい声聞かせてくださいよ(ぐぐぐっ)」
捲簾「ひいっ!い…てぇ…っ」
天蓬「これ以上痛い目に遭いたくなかったら、暴れないことですね(ニッコリ)」←腹黒大王
捲簾「てんぽ…」
天蓬「…なんですか?」
捲簾「サド…ヘンタイ(ぼそっ)」
天蓬「それでも好きなんでしょ?気になって僕を追いかけるくらい(微笑)」
捲簾「…ちくしょーーーっっ!!(絶叫)」


親亀・子亀
捲簾「なぁ、天蓬」
天蓬「何ですか、捲簾?」
捲簾「アレはツッコんだほうがいいのか?」
天蓬「いやいや、可愛らしいじゃないですか〜」
捲簾「…そうか?どー見ても大木にセミ、だけどな」
天蓬「ココ5日間の攻防の末、協定を組んだ妥協案なんです」
捲簾「何、ソレ?(呆れ)」
金蝉「てめぇら聞こえる様にヒソヒソ話してんじゃねーよ!(怒)」
天蓬「そんな大声出したら…悟空起きちゃいますよ?」
金蝉「…ちっ!」
捲簾「しっかし…金蝉の膝の上とはいえ、不安定な状態でよく熟睡できるよなぁ、コイツ(つんつん)」
金蝉「触るんじゃねー(べしっ)」
捲簾「うわっ!お父様ったらこっわ〜い!(にや)」
金蝉「貴様…ぶっ殺す!」
天蓬「まぁまぁ、捲簾も悟空を起こす様なマネしちゃいけませんよ」
金蝉「ったく…コイツのおかげで仕事が遅れてどーしようもねー(憮然)」
天蓬「仕方ないじゃないですか〜、そういう約束なんでしょ?」
捲簾「で?なーんで小ザルちゃん、ぺったり金蝉に貼り付いてんの?」
天蓬「丸3日分のスキンシップを、今のうちにしているんですよ(微笑)」
捲簾「あ?3日分のスキンシップ〜?何でまた(首傾げ)」
天蓬「明日から3日間、菩薩の命で金蝉が下界に降りるんですよ」
捲簾「あー…そっか、悟空は下界に連れてけねーもんなぁ」
天蓬「ええ、ですから…この5日間の悟空の必死さなんて、そりゃもう可愛らしいを通り越して痛々しかったですよ」
金蝉「…帰ってこない訳じゃねーのに、散々ごねやがって」
天蓬「それだけあなたと離れたくないんですよ、悟空は(にっこり)」
金蝉「……フン」
捲簾「だけど…ごねまくった割にゃ、被害ねーじゃん?前の時は半壊だったろ、ここ」
天蓬「今回は『つれてってーっっ!』『一緒じゃなきゃやだぁっ!!』の連呼を1日24時間ぶっ続けで3日間」
捲簾「うわっ…マジ?(汗)」
天蓬「その後は食事も水も一切取らずに2日間ハンスト」
捲簾「そりゃぁ、根負けするよなぁ(感心)」
天蓬「ええ、衰弱していく悟空を見て、さすがの金蝉も焦りましてね。かといって下界に連れていくことは出来ませんから、僕が仲裁に立って妥協案を出したんですvv」
捲簾「成る程ねぇ〜。それがこの親亀子亀状態な訳だ」
天蓬「ええ、『下界に降りるまではずっと金蝉といっしょにいたい…ちょっとでも離れたくない』って悟空との約束ですからね」
捲簾「お父さんってば熱烈愛されてるねぇ〜♪」
金蝉「貴様は一言余計だっ!」
悟空「…う…にゃ?」
天蓬「ああ、悟空が目を覚ましてしまいますよ…そろそろ引き上げましょう、捲簾」
捲簾「えー?おもしれーのに〜」
金蝉「捲簾…(怒)」
天蓬「ほらほら、あなただって先日の出陣の報告、済んでいないでしょう?(ぎゅううぅぅぅ)」
捲簾「痛っ!いててててっっ!!わーかったって!!」
金蝉「さっさと帰れ」
天蓬「さ、戻りましょう捲簾。あ、金蝉例のモノ、お願いしますね(ニッコリ)」
金蝉「…仕方ねーな(溜息)」
捲簾「何?例のモノって??」
天蓬「ちょっと…下界で持ってきて欲しい植物がありましてvvv」
捲簾「植物?何すんだよ??」
天蓬「ナイショです…でもそのうち捲簾は分かりますよ…ふふっvvv」
捲簾「…出来れば分かりたくねーかも(ゾワッ)」
悟空「んん…っ?」
天蓬「それじゃ、また」
捲簾「さっさと戻ってやれよ〜(ひらひら)」
悟空「こんぜ…ん?(コシコシ)」
金蝉「…まだ寝てろ。眠いんだろ?(撫で)」
悟空「うん…でも…ちょっとさむ…い…」
金蝉「…こうしてれば寒くねーだろ?」
悟空「ん…あったかぁい…(ぎゅっ)」
金蝉「……寝たか(苦笑)」
悟空「こ…んぜ…」
金蝉「ったく…バカ猿(微笑)」


捲簾「なー、天蓬」
天蓬「何ですか?」
捲簾「俺思ったんだけど…観世音菩薩の命で下界降りるんだろ?菩薩だったら別に悟空が一緒に降りてもどーにかするんじゃねーのか?」
天蓬「まぁ、確かに3日間っていうのは対外的に誤魔化すのもムリでしょうけど…1〜2日ぐらいなら全然問題ないでしょうね〜、菩薩なら」
捲簾「んじゃ、菩薩何にも言ってねーの?」
天蓬「きっと分かってて言ってないんでしょうねぇ…金蝉の反応を面白がってるんじゃないですか?」
捲簾「…質悪ぃな、それ」
天蓬「気づかない金蝉が悪いんですよvvv」←楽しそう
捲簾「知ってて言わねー、お前の方がもっと質悪ぃぞ(呆れ)」
天蓬「だって、悟空がいないのつまんないじゃないですか〜♪」
捲簾「そーいうヤツだよな(ガクッ)」