困ったお中元
天蓬「ふぅ…困りましたねぇ」

コンコン☆

捲簾「天蓬〜、いるかぁ〜?」
天蓬「はい、どうぞ」
捲簾「…雪崩起きねーか?」
天蓬「とりあえず大丈夫ですよ」
捲簾「ほんじゃ入るぞ」

カチャ☆

天蓬「あ、床…躓かない様に気を付けてくださいね」
捲簾「…何だぁ!この荷物は!?」
天蓬「ええ…僕もどうしようかと考えちゃて(苦笑)」
捲簾「え?お前が持って帰ってきたガラクタじゃねーの?」
天蓬「失礼ですねぇ〜、これは全部頂き物ですよ」
捲簾「これが?全部??何だっていきなり…」
天蓬「別にいきなりじゃないですよ。毎年のことですから」
捲簾「毎年?何でだよ??」
天蓬「捲簾の所にも来ているでしょう?」
捲簾「へ?何が??」
天蓬「…もしかして捲簾、お中元を知らないんですか?」
捲簾「お中元?何それ(首傾げ)」
天蓬「はぁ…全くあなたって人は。これでは差し上げた人たちも捲簾相手じゃ贈り甲斐がありませんねぇ(溜息)」
捲簾「だーかーらっ!そのお中元って何だよ!?」
天蓬「お中元っていうのは、日頃お世話になっている方やご機嫌伺いがてらに感謝を込めて贈り物をすることですよ。捲簾の所にも部下達から何か来ているでしょう?」
捲簾「…そう言えば、最近やたら酒を貰ってるなぁ」
天蓬「それですよ、お中元。全く…ちゃんと貰った相手ぐらい覚えてるんでしょうね?」
捲簾「えーっとぉ…大体は(視線逸らし)」
天蓬「お返ししろとまでは言いませんけど、礼儀として名前ぐらい覚えておいてお礼ぐらい言わないと。あなたの部下なんですよ?」
捲簾「今度来たらそーするって!でも今までのは飲んじまったからなぁ…」
天蓬「…お酒だけなんですか?頂いた物は」
捲簾「おう、まぁ大体銘柄も同じ様なモンばっかだったから、珍しい物でもないとあんま記憶に残んねーよ」
天蓬「さすがに自軍の部下というか何というか…上司のことをよぉっく理解していて頼もしい限りですね」
捲簾「何それ、イヤミかよ(ムスッ)」
天蓬「気にしないで下さい。ただのヤキモチですから(キッパリ)」
捲簾「バカッ!何言ってんだよ!!(赤面)」
天蓬「まぁ…僕も捲簾みたいに、頂いた物が消耗品だったら良かったんですけどねぇ」
捲簾「そういや…お前は何貰ったの?」
天蓬「そうですねぇ…壺とか置物、他にも細々と」
捲簾「ふぅん。置物とかはシュミがあるからなぁ…天蓬の場合悪趣味だけど」
天蓬「僕は芸術的な物が好きなんですよ。そこら辺何処にでもある様な物じゃつまらないでしょ?」
捲簾「そんなのお前だけだって」
天蓬「何でしたら捲簾持っていきますか?」
捲簾「いや、俺には壺愛でるシュミねーから」
天蓬「下手な人に差し上げても、これらを頂いた方が気分良くないでしょうしねぇ…困ってるんです」
捲簾「でもどっちみち処分しねーコトにはどーにもなんねーだろ?」
天蓬「ええ、ですからとりあえず分別しようかと。お菓子などは悟空へ上げれば喜びますしね…とりあえず捲簾も手伝って下さい」
捲簾「最初っからそのつもりだったクセに(ボソッ)」
天蓬「…何か言いましたか?捲簾(ニッコリ)」
捲簾「いえ、何でもありませんっ!(脂汗)」
天蓬「モチロンお手伝いのお駄賃に、頂き物のお酒ぐらいはご馳走しますよ」
捲簾「お駄賃って…俺は子供かっつーの!(憮然)」
天蓬「子供はお酒なんか欲しがりませんよ。それとも、ご不満ならオプション付きでご接待しますけど?(微笑)」
捲簾「やー、酒飲めてうれしーなぁ〜!(怯え)」
天蓬「捲簾も大喜びなところで、仕分けしちゃいましょう(ポンッ)」
捲簾「えーっとこの箱は…何だ?花瓶か」
天蓬「じゃぁ、置物や装飾品関係はそっちに置きましょう」
捲簾「こっちね。そんでこの箱は〜お?お茶だな」
天蓬「それじゃ消耗品はここへ」
捲簾「これは〜菓子の詰め合わせみてーだな」
天蓬「ああ、悟空が喜びますねぇ」
捲簾「これは…どーすんだ?っつーか誰だよっ!こんなモン贈るヤツはーっっ!!」
天蓬「捲簾?どうしたんですか??」
捲簾「コレ…どーすんの、お前?」
天蓬「………どなたからでしょう?(ヒクッ)」
捲簾「えーっとぉ…敖潤からだな。何考えてるんだ、アイツ(呆れ)」
天蓬「そうですよねぇ…僕なんかよりよっぽど捲簾の方が似合いますよねぇ(ニッコリ)」
捲簾「ウゲッ!お前マジで言ってんのかよっ!!(鳥肌)」
天蓬「ええ、モチロン♪それを纏った艶やかな捲簾…そそりますねぇ」
捲簾「頼むから…普通にシテくれ」
天蓬「え?シテ欲しいんですか、捲簾vvv」
捲簾「今じゃねーっっ!!(ずざざざっ)」←避難
天蓬「もう…照れ屋さんですねvvvさて、それじゃコレはどーしましょうか」
捲簾「コッソリ処分すればいいんじゃねーの?」
天蓬「でもコレ絹ですよ?上等な物ですし…そうだっ!(ポムッ)」
捲簾「あ?何だよ天蓬」
天蓬「これは金蝉に上げましょう(ニッコリ)」
捲簾「………俺、今すっげーモノ想像したんだけど(鳥肌)」
天蓬「イヤですねぇ〜、金蝉が着る訳ないでしょう?」
捲簾「あ、それじゃぁ…」
天蓬「モチロン悟空ですvvvお菓子と一緒に渡しましょう♪」
捲簾「でも悟空に渡したって着ねーんじゃ意味ないと思うけど?」
天蓬「フフフフ…(微笑)」
捲簾「こっ…恐っ!!(怯え)」


金蝉「チビ猿!さっさと風呂へ…ドコ行ったんだ?おい、悟空っ!!」
悟空「さっきお風呂入ったもーん」
金蝉「……寝室か」

ガチャ☆

金蝉「ちゃんと髪は乾かし―――」
悟空「もう殆ど乾いちゃったよ…こんぜん?こんぜーんっ!?」
金蝉「………。」←金縛り中
悟空「こんぜん?どーしちゃったの??(きょとん)」

ストン☆
とてとてとて

悟空「こんぜんー?(クイクイッ)」
金蝉「あ?…お前っ!何つーカッコしてやがんだあぁぁっっ!!」
悟空「コレ?天ちゃんのおすそわけ〜♪」
金蝉「お裾分けだぁ?何考えてやがんだっ!!(激怒)」
悟空「んとね?『おちゅーげん』ってヤツなんだって。で、こんぜんが喜ぶからってコレくれたの♪どう?カッコイイ?(クルッ)」
金蝉「うわっ!バカ、回るんじゃねーっ!丸見えにっ…」
悟空「んー?でもこーゆーのが『オトコのゆめ』なんだろ?コレ着たらこんぜん優しくしてくれるってゆってたから…違うの?(上目遣い)」
金蝉「うっ!…おい、まさかそのカッコでこの辺うろついてねーだろうな?」
悟空「ううん、だってこれはこんぜんの前でしか着ちゃいけないんだろ?」
金蝉「それならいい…あ、いや良くねーっっ!!」←本音
悟空「でもこの服スベスベしてて気持ちイイよ♪でも何でスケスケなんだろ?それに俺にはちょっとおっきいかなぁ(ペラッ)」
金蝉「捲るんじゃねーっっ!!」
悟空「えーっとぉ…それでどーすんだったっけ?(首傾げ)」
金蝉「何言ってんだ?(眉顰め)」
悟空「あっ!そうだ♪」

とてとてとて
ギシッ☆

金蝉「お…おい?悟空??」
悟空「えーっと…こーやって寝そべってぇ…腰をちょっと上げるんだっけ?そんで…こんぜんを見るんだよな」
金蝉「…何やってんだ?お前(ゴクンッ)」←理性崩壊カウントダウン
悟空「こんぜん…ダメ?」←監修捲簾(笑)

ブチッ!
ツカツカツカ…

悟空「え?こんぜん??どーしたの…」

ゴロンッ☆

悟空「うわわっ!(驚)」
金蝉「ったく…余計なことばっか覚えてくんじゃねーよ」
悟空「こんぜん…ヤだったの?俺のことキライになっ…た…の?(じわっ)」
金蝉「そんなんじゃねーよ…ただ…」
悟空「だって…こーすればこんぜんにいっぱい触ってもらえるからって…」
金蝉「お前な…意味分かって言ってんのか?」
悟空「う?………うん(真っ赤)」
金蝉「悟空…」
悟空「だってさ…そしたらこんぜん、俺だけ見てくれるでしょ?(じいー…)」
金蝉「いつもはお仕事とかしてて…一緒にいれないけど、いつものシテる時は、こんぜん俺だけのもんだよね?」
金蝉「……バカ猿」
悟空「こんぜ…」
金蝉「間違ってんじゃねー、『いつだって』だ。それにお前は俺のモンだろ?」
悟空「うん…俺はこんぜんだけのモンだよ」
金蝉「…シテるときだけか?」
悟空「ううんっ!ずっと…ずーっと俺はこんぜんだけのモンだよ」
金蝉「だったら、俺も同じだ」
悟空「ほんと?」
金蝉「…イヤだってーのか?(眉顰め)」
悟空「そんな訳ないじゃんっ!こんぜんだぁーいスキっvvv(ぎゅっ)」

ピラッ☆

金蝉「………。」←不穏
悟空「ん?何かお腹にあたってる………あ。(真っ赤)」
金蝉「俺がお前のモンだって疑うんなら、ちっちゃい脳みそでも分かる様に教え込んでやる(ニヤッ)」
悟空「ちょっ…ちょっと待ってっ!何かいつもよりおっきーよ!?」
金蝉「そんなカッコしてるからだっ!」
悟空「え?じゃぁやっぱこんぜんスキなんだぁ…」
金蝉「だからって、ほいほいそんなカッコするんじゃねーっ!(ガバッ)」
悟空「へ?やんっ…え…うそっ!?…そんなのっ…やだやだぁ(ジタバタ)」
金蝉「ウルセー、今日は手加減しねーからな!」
悟空「こんぜんのいじわるうぅぅぅっっ!!(涙)」←ナニされてんだ?

 
天ちゃんの秘蔵本
とてとてとて

悟空「天ちゃ〜ん、本かして〜♪」

しーん…。

悟空「天ちゃん、ケン兄ちゃんナニやってんの?(きょとん)」
捲簾「うわわわわっ!!(焦り)」
天蓬「あははは〜、いらっしゃい悟空」
悟空「ねーねー、今なにやってたの〜?」
天蓬「えーっと…今のはですねぇ(苦笑)」
捲簾「そ、そう!今天蓬を肩車しようとしてたんだ!悟空にもやってやるだろー?(汗)」
天蓬「成る程。考えましたね、捲簾」
捲簾「てめぇが感心してんじゃねーよ!」
悟空「んー?だからケン兄ちゃん、天ちゃんの足の間に頭突っ込んでたの?」
捲簾「そーそー!天蓬が棚の上の本を取りたいって言ってな?」
悟空「そうなの?でも肩車って頭入れるの後ろからじゃないの?(首傾げ)」
捲簾「うっ…えーっとだなぁ…それは…その…(滝汗)」
天蓬「捲簾は捻くれ者ですからねぇ…僕が頼んだら、わざと逆さに肩車しようとしたんですよー?ヒドイですよねぇ」
悟空「あーっ!ケン兄ちゃん、天ちゃんにいじわるしちゃダメだぞっ!!」
捲簾「…おいコラ、いじめられてるのはこっちだっつーの」
天蓬「ヤですねぇ〜♪僕は可愛がってるだけじゃないですかvvv」
捲簾「ガンガン頭押し付けたクセしやがって…窒息させる気かよっ!」
悟空「ちっそくぅ〜?」
天蓬「あー、こっちの話です。それより本でしたよね?この前のはもう読み終わったんですか?」
悟空「うんっ!」
捲簾「へー、小ザルちゃん本読めるのか(感心)」
悟空「サルってゆーなよっ!(ぐぅっ!)」
天蓬「ひらがなと、簡単な漢字なら読めるんですよねぇ。そうですねぇ…どんな話がいいですか?」
悟空「んっとね…ドキドキするような話がいーな」
天蓬「ドキドキ、ですか?ふむ。(思案)」
悟空「あんぱんのは全部読んじゃったから…そーゆーのない?天ちゃん」
天蓬「ドキドキ…どんなドキドキするようなのがいいですか?」
悟空「んー…えとね?こんぜん見てるときみたいにドキドキする話ってないかなぁ?」
天蓬「ほぅ?金蝉を見るとドキドキするんですか、悟空は(微笑)」
悟空「うんっ!こんぜんってスゲーきれーだし、キラキラしてるから…見てるとすっごくドキドキするんだ。でもね?こんぜんにはナイショだよ」
捲簾「んー?何でだよ」
悟空「だって…恥ずかしいもん(ポッ)」
天蓬「いやぁ、金蝉は愛されてますねぇ…僕もそれぐらい愛されたいんですけど?(チラッ)」
捲簾「俺はいっつも天蓬見てドキドキハラハラしてるけど?どんな無茶しやがる気だ?とか今日こそは逃げてやろうとかー?」
天蓬「…まだ逃げられると思ってたんですか?捲簾(ニッコリ)」
捲簾「いえ…独り言です(怯え)」
天蓬「さて、突っ込みプレーは後のお楽しみに取っておくとして」
捲簾「突っ込みプレーって…おい(呆れ)」
天蓬「金蝉を見てドキドキするような話…ですよねぇ」
捲簾「乙女チックな恋愛モノとか?ぷっ…」
天蓬「ハーレクインロマンスとかですかー?悟空には難しいでしょう」
捲簾「んじゃどーすんの?」
天蓬「あ、そうだ!いいこと思いついちゃいました〜(ぽむっ☆)」
悟空「なになに天ちゃん!?」
天蓬「僕がお勧めの本を悟空が読めるように書き写してあげしょう」
捲簾「へ?でも時間かかるんじゃねーの??」
天蓬「そんな本1冊分を書き写す必要はないでしょう?要は悟空がドキドキする部分だけ抜粋すればいいんですから。それぐらいなら悟空がおやつ食べてる間に終わりますよ(ニッコリ)」
捲簾「それはいいけど、お前のお勧めって…ナニ書き写す気だ?天蓬」
天蓬「フフフフ…(微笑)」
捲簾「…俺しーらないっと」

とてとてとてとて
バッターンッ!

悟空「こんぜ〜んっ!」
金蝉「やかましいっ!猿!!(怒)」
悟空「ねーねー、こんぜん(クイクイ)」
金蝉「…訊いちゃいねーな(溜息)」
悟空「お仕事まだ終わんない?」
金蝉「見りゃ分かるだろうが」
悟空「じゃあさ、静かにしてるからここにいてもいい?」
金蝉「本当に静かにしてるんだろうな?」
悟空「うんっ!天ちゃんから本借りたから読むの〜♪」
金蝉「本…なのか?それは(眉潜め)」
悟空「うんっ!まだ俺かんじいっぱいのは読めねーから、天ちゃんがひらがなでノートに書き写してくれた!(ニコッ)」
金蝉「何だ、絵本じゃねーのか?」
悟空「もう天ちゃんとこの絵本は全部読んじゃったの。今度下界に行った時に新しいの持ってきてくれるって♪」
金蝉「フン…そうか」←ジェラシー
悟空「あ、俺のことは気にしないでいいから、こんぜんはお仕事して!」
金蝉「…とにかく、静かにしてろよ。うるさくしたら叩き出すからな」
悟空「分かってるってば!えへへ…こーゆーの持ってるとこんぜんみたいだな(ニコニコ)」
金蝉「…バカ猿(照れ)」

サラサラ…
ポンッ☆
パサッ!
サラサラサラ…

悟空「むぅ?ううぅぅ〜ん??(首傾げ)」
金蝉「…何唸ってるんだよ」
悟空「んー?文字は読めるんだけど、意味がわかんねー(ごにょ)」
金蝉「何が分かんねーんだ?(溜息)」
悟空「うんとね、『ちじょく』とか『ひわい』って何??」
金蝉「………あ?(眉潜め)」
悟空「あ、あとね!『あえぎごえ』と『よくじょう』ってのも分かんない。こんぜん知ってる?」

バッ!!

悟空「あ!こんぜん、何するんだよぉ〜」

パラッ!パラッ!パラッ!パラパラパラパラ…

金蝉「何だこれはーーーっっ!!(憤怒)」
悟空「こんぜん?どーしたの??」
金蝉「こんなっ…官能小説じゃねーかっ!!天蓬のヤツ、ガキに何貸してやがんだっっ!!」
悟空「かんのーしょうせつ?(きょとん)」
金蝉「お前もだ、悟空!何でこんなモン借りてくるんだ!!」
悟空「んとね?天ちゃんにドキドキする本貸してってお願いしたんだけど…どこがドキドキするんだろ?(首傾げ)」
金蝉「アーイーツーはあぁぁぁっ!!」
悟空「こんぜんといる時みたいにドキドキする話がよかったんだけど…よく分かんないし」
金蝉「俺と?」
悟空「うん。天ちゃんは『悟空が一番ドキドキしてるときと同じお話なんですよ〜♪』って言ってた」
金蝉「そうなのか?(はっ!)いや、それよりも天蓬のヤツ…面白がってこんなモン悟空に渡しやがって(怒)」
悟空「えっ!?やっぱりドキドキしておもしろい話なの?ねーねー、こんぜん〜(キラキラ)」
金蝉「…知りたいか?」←不穏(笑)
悟空「え?うんっ!金蝉知ってるの?」
金蝉「お前には説明しても分からねーだろーから、この話と同じことしてやるよ」

ひょい。
カツカツカツ

悟空「え?どこ行くの、こんぜん?お仕事は〜??」

バタン☆

悟空「え…なっななななに!?こんぜっ…んんんーっっ!」
金蝉「えーっと…まだ服は脱がさねーのか(パラパラ)」
悟空「ふえ?やっ…こんぜん…っ………あんっvvv」


天蓬「今頃はきっと実践してるでしょうかねぇ。どうせならもっとスゴイのを渡せばよかったかなぁ…ま、僕が実践してるからいいですよねvvv」
捲簾「突っ込んだまましゃべってんじゃねーーーっっ!!(号泣)」


嵐の前
コソコソコソ…
ひょい☆

悟空「ね?ナイショ話してるでしょ?(コソ)」
捲簾「…だな。金蝉は何て言ってたんだ?(コソコソ)」
悟空「んと…仕事の話だから外で遊んでろって」
捲簾「ふーん…仕事ねぇ?仕事の話を天蓬としていて、な〜んで大将の俺をハズしてるんだろーなぁ(眉顰め)」
悟空「ケン兄ちゃんも天ちゃんに外で遊んでろって言われたの?」
捲簾「あのなぁ…俺は子供じゃねーっつーの!」
悟空「でもこの前天ちゃん、ケン兄ちゃんのこと『おっきな子供』だって言ってたぞ?」
捲簾「アーイーツ〜(怒)」
天蓬「…何を二人してコソコソしてるんですか?(微笑)」
捲簾「うわわわわっ!(焦り)」

ゴインッ!

捲簾「っ痛ぇ〜〜〜〜(頭抱え)」
悟空「ケン兄ちゃん大丈夫!?」
天蓬「全く…悟空ならともかく貴方まで何やってるんです?」
金蝉「おい、悟空!」
悟空「ひゃっ!…な、なに?こんぜん(ビクビク)」
金蝉「仕事の話があるから外で遊んでろって言ったはずだが?」
悟空「う…だってぇ」
捲簾「そうだっ!仕事の話だって言うなら、なーんで俺を外すんだよ!」
天蓬「だって、自軍の話じゃありませんから」
捲簾「…んだよ、それ」
天蓬「あ、もしかして…捲簾拗ねちゃいました?(微笑)」
捲簾「うっせー!誰が!!悟空、行くぞ(プイッ)」
悟空「え?えと…ケン兄ちゃん、待っててば〜」
天蓬「あーあ、怒らせちゃいましたか。後でご機嫌取るのが大変ですねぇ(苦笑)」
金蝉「フン…自業自得だな」
天蓬「だって、聞かれたりしたらそれこそ拗ねるどころじゃ済みませんからね」
金蝉「…そんなにあの男が大事か?」
天蓬「あなたが悟空を大切に思っている程度にはね(ニッコリ)」
金蝉「あの男も大したモンだな。かつての冷酷無比な鬼神にそこまで言わせるとは」
天蓬「あははは、大げさですねぇ〜」
金蝉「少なくとも昔のお前なら他人のことなぞ気にも留めなかっただろう?」
天蓬「…そんなことないですよ?全て大事な僕の『駒』ですから。戦を進める上で見極めする程度には気にかけてましたよ」
金蝉「捨て駒を、か?」
天蓬「そうですねぇ…使えない駒は邪魔なだけですから」
金蝉「捲簾は違った、ということか」
天蓬「初めは…同じだったんですけどね。捲簾は元々優秀な駒でしたから、飼い慣らして僕の意志に忠実に動く最強の駒に仕立てるつもりだったんですけど(苦笑)」
金蝉「ミイラ取りがミイラ…か」
天蓬「ええ、僕の方が飼い慣らされちゃいました。捲簾のいないココなど考えられません…結局のところ僕は一緒に堕ちてくれる『対』を探していたってことでしょうね…」
金蝉「何をする気だ?」
天蓬「何も…運命なら勝手に回るでしょうから」
金蝉「俺は何をすればいい?」
天蓬「あなたはただ悟空を守ればいいんです。僕らと一緒に堕ちる必要はありませんよ」
金蝉「…ムカツク」
天蓬「あははは!でもそれが一番大切なことでしょう?僕らもあなた方を守ってあげたいけど…」
金蝉「いらねーよ、鬱陶しい」
天蓬「ヒドイですねぇ〜(苦笑)」
金蝉「ったく…さっさとコレ持ってバカ大将の処へ行け!(バサッ)」
天蓬「すみませんでした…金蝉を『駒』にするつもりは無かったんですけど?(微笑)」
金蝉「なるか、バカ(憮然)」
天蓬「ふふふ…そうですね。でもコレがあれば、暫くは李塔天も傍観せざるを得ないでしょう…表だっては。尤も裏で動いてくれた方が僕としては助かるんですけど。何をしても表沙汰には出来ませんよねぇ…心おきなく報復が出来ます」
金蝉「捲簾が大人しくしていると思ってんのか?」
天蓬「ムリでしょうね〜。まぁ、表面化した時は最終決断を下さなければならないときでしょうし、そうしたら思う存分暴れて貰いますよ。いやぁ〜楽しみですよねvvv」
金蝉「…無茶すんじゃねーぞ」
天蓬「おや?心配してくれるんですか(ニッコリ)」
金蝉「出来る限りは助力してやる」
天蓬「ですから…金蝉、貴方は悟空を守ってあげてください」
金蝉「てめぇに言われるまでもねーよ(憮然)」
天蓬「あの子は…僕たちの光ですから」
金蝉「……そうだな」
天蓬「さてと、お惚気も聞けたことですし、捲簾のご機嫌伺いに戻りますか」
金蝉「さっさと帰れ!」
天蓬「それでは、また…」

パタン☆

金蝉「…おい、いつまでそこにいる気だ?」

キィ…

捲簾「へぇ…気配消してたのによく分かったじゃん」
金蝉「バカはどいつも自己主張が激しいからな」
捲簾「うっせーよ!」
金蝉「悟空はどうした?」
捲簾「ん?チビ猿ちゃんなら菩薩のところでお昼寝タイム」
金蝉「フン…で?何が聞きたいんだ(溜息)」
捲簾「天蓬に渡してた書類…あれ何だ?」
金蝉「…天帝の念書だ」
捲簾「念書?」
金蝉「今後自軍の大将に関しての責任問題は全て自らの処遇を以て天帝に一任する…お前でもその意味ぐらい分かるだろう」
捲簾「それって…俺の責任を天蓬が全て被るってことか?」
金蝉「そうすれば少しはお前も大人しくなるだろう」
捲簾「んだよ、それっ!」
金蝉「仮に問題を起こしたとしても、決断を下せるのは天帝のみ…李塔天は口出しできん」
捲簾「…アイツはっ!そうやって一人で何もかもっ!!」
金蝉「そー思うなら側についてりゃいーじゃねーか」
捲簾「金蝉?お前…」
金蝉「お前なら天蓬が無茶をする前に動くことが出来るだろ…あいにく俺は猿守るので手ぇいっぱいなんだよ」
捲簾「…一緒になって無茶するかもよ?(ニヤッ)」
金蝉「当てにしてねーから安心しろ」
捲簾「かっわいくねーの〜♪」
金蝉「ふざけんじゃねー(憮然)」
捲簾「ま、どーなるかわかんねーけどさ。最期はお前達守ってやるよ」
金蝉「二人して同じ事言ってんじゃねー、余計なお世話だ!」
捲簾「…ふぅん、天蓬も言ってたのか」
金蝉「大将といい副官といい…天界軍はバカ揃いだな」
捲簾「はっはっはっ!違いねーや」
金蝉「もっとも…見えねーとこに質の悪ぃ大バカが多すぎるんだがな」
捲簾「こんなところで退屈すぎるからバカなこと考えるんだろ?そのうち目ぇ覚まさせてやるさ」
金蝉「…似たもの同士が(溜息)」
捲簾「なんたって夫婦関係ですしー♪」
金蝉「てめぇと無駄話する気はねー。さっさと帰れ!天蓬が探してるだろーよ」
捲簾「へーへー、お前もチビ猿ちゃんが泣く前に早く迎えに行ってやれよ〜?」
金蝉「帰れっ!!」
捲簾「そんじゃな〜♪」

バタンッ!

『早く迎えに行ってやれよ』

金蝉「…ウルセーからな、あいつ(苦笑)」


いちばんスキ
天蓬「…おや?今日は早いですねぇ(微笑)」

ばたばたばたばた…

悟空「天ちゃ〜ん!いる!?(ヒョコ)」
天蓬「いらっしゃい、今日は早いですね(ニッコリ)」
悟空「こんにちは、天ちゃん!(ペコリ)」
天蓬「はい、こんにちは…おや?綺麗ですね」
悟空「朝ね、すっげーキレイなお花畑見つけたんだ〜、はい!」
天蓬「僕にですか?」
悟空「うんっ!この花真っ白で天ちゃんの服みたいだろ?」
天蓬「あははは、そうですねぇ。悟空ありがとう(微笑)」
悟空「えへへ…(照れ)」
天蓬「でも僕だけ貰っていいんですか?」
悟空「あ!金蝉にも摘んで、さっき机の上に飾ってきたの」
天蓬「そうでしたか。金蝉も喜びますね」
悟空「…そっかな?」
天蓬「前に悟空が飾った花…ちゃーんと金蝉水替えたりして世話してたんですよ?」
悟空「え!?…知らなかった」
天蓬「悟空が摘んだ花…大切にしてたんですねぇ(ニッコリ)」
悟空「こんぜん…(感動)」
天蓬「モチロン、僕も大切にしますからねvv」
悟空「天ちゃん!」
天蓬「さて、それじゃ枯れないように水に挿しましょうね」
捲簾「ふーん…金蝉と天蓬だけなんだー…」
悟空「うわっ!ケン兄ちゃん居たの!?」
天蓬「おや?捲簾、残念でしたね〜」
捲簾「花なんか愛でる趣味ねークセに(ブツブツ)」
天蓬「悟空のプレゼントなら別です」
悟空「ケン兄ちゃん…花好きなの?(首傾げ)」
捲簾「おう!綺麗なものは何でも好きだぜ、俺は」
悟空「そうなんだ…じゃ、今度はケン兄ちゃんにも摘んでくるね(ニコッ)」
天蓬「それじゃ、悟空も来た事ですし、おやつにでもしましょうか」
悟空「わぁ〜い!おやつ〜!!(ピョンピョン)」
捲簾「この前持って帰ってきた茶にしてくれよ」
天蓬「そうですね…あ、悟空。」
悟空「なぁに?天ちゃん」
天蓬「悟空は揚げ菓子好きですか?」
悟空「うんっ!大好き〜vvv」
天蓬「…月餅とどっちがすきですか?」
悟空「うーんと…月餅。タマゴのあんのが好き!(涎)」
天蓬「ふむ。それじゃ月餅と杏仁豆腐はどっちが好きですか?」
悟空「えっとぉ〜、う〜〜〜ん…あんにんどーふ、かな?」
捲簾「おい、天蓬?(眉潜め)」
天蓬「ふふふ…ちょっと、ね」
捲簾「………またナニ企んでるんだ?」
天蓬「ヤですねぇ〜♪企むなんて人聞きの悪い(微笑)」
捲簾「………。(ゾクッ)」
天蓬「それじゃ〜、悟空は杏仁豆腐とプリンはどっちが好きですか?」
悟空「え!?えっとぉ……プリン!」
天蓬「ふむ。プリンですか」
悟空「あ、でもね!天ちゃんが言ったヤツはみーんなだ〜い好き♪」
天蓬「悟空は甘いお菓子が大好きですからねぇ」
悟空「うんっ!」
天蓬「それじゃぁー…今まで僕が言ったお菓子全部と金蝉、どっちが好きですか?」
悟空「ええっ!?お菓子と金蝉??いっぱいのお菓子…んと…………………こんぜん(ボソッ)」
捲簾「即答しなかったな…」
天蓬「フフフフ…」←黒
金蝉「…何バカなこと訊いてやがる」
悟空「あっ!金蝉!!」
天蓬「ほぅら、悟空。悟空の大好きなおやつがいっぱいですよ〜♪」
捲簾「…天蓬、お前(脂汗)」
悟空「え?えと…あうぅぅ…(キョロキョロ)」
金蝉「………。(怒)」
悟空「はうううぅぅぅ〜(涙目)」
金蝉「…帰る(クルッ)」
悟空「やだやだっ!こんぜ〜んっっ!!(ダッシュ)」
金蝉「遅いんだよ!このバカ猿!!(グリグリ)」
悟空「痛っ!!うえぇ〜ん…ごめんなさい〜」
天蓬「まだまだですね、金蝉もvvv」
捲簾「お前…金蝉が来たの知ってて(呆れ)」
天蓬「さぁ?僕は純粋に悟空の好きなものが知りたかっただけですよ♪」
捲簾「嘘付け…(ボソッ)」
天蓬「金蝉もせっかく来たんですから、みんな一緒にお茶しましょう。用意したお菓子もこんなにいっぱいあっては僕と捲簾じゃ食べ切れませんよ?」
金蝉「…ちっ!」
悟空「こんぜん…(じぃー)」
金蝉「…いい茶なんだろうな?(ジロッ)」
天蓬「もちろん、とっておきのをご馳走しますよ(ニッコリ)」
捲簾「おとーさんも素直じゃないねぇ♪」
金蝉「うるせー、死ね」
天蓬「悟空よかったですねぇ〜。悟空の大好きなものが今日はいっぱいで…ね?」
悟空「うんっ!」
金蝉「………フン」


いにしえの日(Gファン++深読みvir.)
是音「俺の知ってる軍大将はココで平気で一服してたぜ」
紫鳶「…捲簾大将のことですか?500年も前のことを良く覚えてますね」
是音「そりゃーな(ポッ)」
紫鳶「確か…逆賊として下界に落とされたんですよね。天蓬元帥と共に」
是音「天蓬………うがあぁぁぁっっ!!(叫)」
紫鳶「おや?何かイヤなことまでも思い出させましたか?」
是音「天蓬…あーいーつーは〜〜〜っ!!」

ガウン!ガウン!

紫鳶「こんなところで打ってもムダでしょう…全て焔が始末した後だし、天蓬元帥も下界なんですから」
是音「あいつは、いっつもいっつもいっつも!!俺と捲簾の仲をジャマばっかしやがって〜」
紫鳶「そうでしたか?どちらかというと是音の方が…」
是音「そんなこたーねーっ!」
紫鳶「最期…下界に落とされるときもあの二人は…」
是音「アレだってな〜!天蓬のヤツ、わざと俺には話通さない様に部下達に箝口令強いてたんだぞっ!」
紫鳶「ほぅ…そうだったんですか。でも西海竜王は気づいていたのでしょう?共に下界へ落とされて…あなただけ知らなかったのですか?是音」
是音「だーかーらっ!それがいっちばんムカつくんだよ!」
紫鳶「私は気づいてましたが…」
是音「…何だと?何で俺に言わねーんだ!」
紫鳶「訊かれませんでしたから」
是音「………。」
紫鳶「どうしました?是音」
是音「とっ…とにかくだな〜!俺は下界に降りたら絶対天蓬にリベンジしてやる!」
紫鳶「子供じゃないんですから…」
是音「お前は俺が天蓬から受けたありとあらゆるいやがらせの数々を知らないから」
紫鳶「例えば?」
是音「例えば………うおおおぉぉぉっっ!!」

ガウン!ガウン!ガウン!

紫鳶「ほぅ…是音をあそこまで怒らせるとは。なかなか素晴らしい方のようですねぇ、天蓬元帥は。お会いするのが楽しみです」