天ちゃんの恩返し
バサッ!

金蝉「ほら、お前が前に置いてった申請許可書だ」
天蓬「あ!さすがですねぇ、もう申請下りたんですか〜♪やはり金蝉を通すと違いますね」
金蝉「お前…あれ以上どこに置く気だ?」
天蓬「どこって…書庫に保管しますよ(けろ)」
金蝉「あの部屋のどこにその申請にある300冊の本が入りきるって言うんだ!?」
天蓬「どうにかなりますよ、今までだって大丈夫でしたし」
金蝉「…言っておくが手伝わねーぞ(怒)」
天蓬「うちには専属の書庫番がいますからvvv」
金蝉「…2日前、捲簾が本雪崩に飲み込まれてケガしたらしいじゃねーか」
天蓬「ああ…そんなこともありましたっけねぇ(遠い目)」
金蝉「お前な…読み終わってただ重ねてるぐらいなら、さっさと自宅の方へ運べ!どうせ帰ってねーんだろ?そっちも書庫にしちまえばいいじゃねーか」
天蓬「んー、メンドくさいんですよねぇ」
金蝉「整理に毎回つき合わされるこっちの身にもなれ!何がメンドくせーだっ!!(怒)」
天蓬「はいはい、今度まとめて運ばせますよ」
金蝉「そういえば…バカ大将はどうした?」
天蓬「捲簾なら悟空と裏庭の方で遊んでましたよ」
金蝉「アイツ…何歳のつもりだ。ガキと遊んでねーで仕事しろって言っとけ(呆れ)」
天蓬「まーねぇー…最近出陣もめっきり減って時間も体力も有り余ってんですよ。でも捲簾が遊んでいるおかげで金蝉の仕事が捗っているんですから、あながち悪いとは言えないでしょう?(微笑)」
金蝉「普通にただ遊んでるだけならな…」
天蓬「おや?何か粗相でもしましたか?」
金蝉「毎回毎回帰ってきて水浸しだわ、泥まみれのままでしがみつかれてみろ!(眉間顰め)」
天蓬「あはははは…それは困りますねぇ」
金蝉「ったく…余計な手間だ」
天蓬「いちおう捲簾にも注意しておきますよ…言って聞くような人じゃありませんけどね」
金蝉「どいつもこいつもバカ揃いが…」
天蓬「あれ?そこに僕も入ってるんですか?」
金蝉「整理整頓も満足にできねーバカは何処のどいつだ(睨み)」
天蓬「そうきましたか〜」
金蝉「おい、いつまでくつろいでる気だ?俺は仕事が溜まってるんだよ」
天蓬「はいはい、退散しますよ…あ、そうだ金蝉」
金蝉「…何だ?」
天蓬「袖の下…って訳ではないんですけど、何か欲しい物はありますか?」
金蝉「欲しい物?」
天蓬「ええ、最近頻繁に頼んでしまいましたから、お礼に何かと思いまして。ここでなくて下界で手に入るものでも大丈夫ですよ。常駐している部下に頼めば手に入りますから」
金蝉「別にねーよ」
天蓬「何も…ですか?」
金蝉「ああ」
天蓬「金蝉…」
金蝉「何だよ?」
天蓬「貴方って本当に昔っから欲って言うモノがないですよねぇ…」
金蝉「物が増えたって邪魔なだけだ。それにお前らはいつも悟空に菓子を持ってきてくれているだろう。それだけで十分だ」
天蓬「僕、結構心配してたんですよねぇ…こんなに欲が無くっていいもんだろうかって。でも『物欲』はまっる切り無くても『性欲』は人並み以上にあるようなので安心したんですけど♪」
金蝉「何のことだっ!!(赤面)」
天蓬「おや?自覚ないんですかぁ〜?」
金蝉「お前にだけは言われたくねーっ!!」
天蓬「僕は自分が聖人君子だなんて思ってませんよ(ニッコリ)」
金蝉「チッ…」
天蓬「まぁ、でも…物欲のない貴方に言っても思いつかないでしょうから、第三者から見て金蝉が喜びそうな物を何か送りますよ」
金蝉「…邪魔な置物なんか持ってくるなよ(牽制)」
天蓬「失礼な、僕の部屋のアレは全部芸術品ですよ」
金蝉「だから変わり者だって言われてるんだよ…自覚しやがれ(溜息)」
天蓬「それじゃ…」
金蝉「あ、おい天蓬」
天蓬「何ですか?」
金蝉「悟空を見かけたら、夕方までには帰せよ」
天蓬「はいはい、承知しました、お父さん♪」
金蝉「誰がだっ!!」


カツカツカツカツ!
きょろきょろっ!
し〜ん…。

捲簾「うーん…後はあそこしかねーよなぁ(腕組)」

カツカツカツカツ…
バタアアアァァァンッッ!!

捲簾「ここかっ!悟空ーーーっっ!!」

グラ〜
ドドドドドドドドドド…

捲簾「うわあああぁぁぁっっ!!」

ドサドサドサドサ〜
ドサッ!

捲簾「………。」

ぺたっぺたっぺたっ…

天蓬「おや?何で扉が開いてるんでしょう?(首傾げ)」

バサッ…

天蓬「あーあ…コレ戻すの面倒ですねぇ。捲簾はどこに行っちゃったんでしょう?おや??」

バサッ!

天蓬「どなたの腕でしょう?無用心に扉を開けて遭難しちゃったんですか…さて、どうしましょうかね?」
捲簾「ブハッ!!!」
天蓬「あれ?捲簾??」
捲簾「おいコラ!『あれ?捲簾??』じゃねーよっ!考えてねーでさっさと助けろっつーの!また窒息するところだったじゃねーかよ!!(激怒)」
天蓬「まさか捲簾だとは思わなかったんですよ〜。この扉の先が魔の混沌地帯だって捲簾は身をもってよ〜っく知ってるじゃないですか?」
捲簾「まぁな、知りたくもねーけどよ。まさか、俺が生き埋めになった2日後に同じだけ本雪崩が積み重なって、同じ目に遭うとは思ってもみなかったんでな(睨み)」
天蓬「あははは〜♪だって捲簾が寝込んでる間ヒマだったもので、ずっと全集を読みふけってしまったんですよ」
捲簾「俺が寝込んで無くったって状況は変わらねーんじゃ…」
天蓬「変わりますよ?捲簾が僕を構ってくれれば、少なくともここまで積み重なるには1週間かかります。」
捲簾「1週間って…おい(溜息)」
天蓬「3倍は遅くなるでしょう?」
捲簾「変わんねーよっ!第一構うってのは何だっ!!(赤面)」
天蓬「おや?言っても分かりませんか?それでは実践で(微笑)」

ガシッ!!

捲簾「うわっ!天蓬てめっ…何考えてるんだ、バカッ!!」
天蓬「ですから、捲簾が分からないようなので行動で教えて差し上げようかな〜っとvvv」
捲簾「こんな廊下でサカッてんじゃねーっ!!(じたばた)」
天蓬「それでは、都合よく雪崩で道が出来たことですし、ゆっくりと寝室で♪(グイグイ〜)」
捲簾「昼間っから勝手に盛り上がるなあぁぁっ!!」
天蓬「捲簾は照れ屋さんですねぇvvv」←訊いちゃいねー
捲簾「コラッ!離せっての!あっ!!!」
天蓬「何ですか、いきなり叫んで?」
捲簾「俺は悟空を探してたんだよ!悟空来てねーか?」
天蓬「悟空ですか?僕は金蝉のところにいて、今戻ってきたばかりなんですよ…大体あなたが悟空と遊んでいたんでしょう?」
捲簾「だーかーらっ!探してんじゃねーか」
天蓬「はい?(首傾げ)」
捲簾「かくれんぼしてんの!」
天蓬「貴方が…かくれんぼ…ですか…っ」
捲簾「笑ってんじゃねーよ!(拗ね)」
天蓬「すいませ…っ…」
捲簾「もういいっ!」
天蓬「あ、待って…」

ぎゅっ…

天蓬「捲簾…バカにしている訳じゃないんですよ?何て可愛らしいんだろうって微笑ましく思っただけなんですから」
捲簾「一緒だよ、バカ…」
天蓬「んー、それにしても悟空はどこに隠れているんでしょうねぇ」
捲簾「範囲は決めてるから…殆ど探して、あと思いつくのはココだけなんだよ」
天蓬「まぁ、隠れやすいですけどね(苦笑)」
捲簾「こんだけ雑然としてりゃな…」
天蓬「僕なりに把握はしてますけど?」
捲簾「もぅそれ聞き飽きたって」
天蓬「だけど入り口はこのとおりですから、部屋に入れば先に悟空が本雪崩にあってるはずですしねぇ…あれ?」
捲簾「どうした?」
天蓬「向こうの窓…閉めてあったはずなんですけど」
捲簾「…やっぱこの部屋の中だな(ニヤ)」


バサバサッ

捲簾「なんだこりゃぁ〜!?この前より増えてねーか?(愕然)」
天蓬「先日捲簾が本雪崩に飲み込まれた時に、しまい込んだままだった全集が発掘出来まして〜♪ついつい読みふけってしまったら新しい山が…」
捲簾「積み上げるのはやめろっ!」
天蓬「そんなつもりはなかったんですけど(肩竦め)」
捲簾「それも聞き飽きたっつーの…(頭痛)」
天蓬「さて?どこに悟空は隠れてるんでしょうかねぇ〜」
捲簾「身体小っちぇーから本の山の影にも隠れられるよな(キョロキョロ)」
天蓬「本棚の隙間とかもね」
捲簾「チビ猿ちゃ〜ん!すぐに見つけてやるからなーっ!」
天蓬「また大人げない…遊びなんでしょう(苦笑)」
捲簾「何言ってんだよ!勝負だよ、勝負!!」
天蓬「はいはい、じゃぁ僕はお茶の用意でもしましょうかねぇ」
捲簾「おーい、悟空!天蓬がおやつくれるってよ〜」
天蓬「捲簾…(呆れ)」

しーん…。

捲簾「…あれ?」
天蓬「出てきませんねぇ?(首傾げ)」
捲簾「む?おっかしなぁ〜、食い意地張ってるチビちゃんは一発で引っかかると思ったんだけど」
天蓬「でも確かにおかしいですよ…まさか」
捲簾「まさかって…何だよ?」
天蓬「室内で本の下敷きになんかなって…」
捲簾「おい、マズイじゃねーかっ!金蝉にネチネチ何言われるかっ!!」
天蓬「捲簾…悟空の心配じゃなくって自分の保身ですか(眉顰め)」
捲簾「アイツは頑丈だから大丈夫だって!でもケガぐらいはしちまってるかも…おい、山崩すぞ!」
天蓬「どうぞ、どうせ片づけるのは捲簾ですから」
捲簾「どーいうことだ、コラッ!」
天蓬「そのままの意味です(ニッコリ)」
捲簾「…何怒ってんだよ?俺だってチビちゃんの心配してるんだぞ?」
天蓬「分かってますよ…貴方が口べたでテレ屋さんなのは知ってますからね」
捲簾「一言二言余計だっ!(赤面)」
天蓬「とにかく悟空を早く見つけましょう」
捲簾「おう!」

バサッ
ドサドサドサ〜
バサバサッ

天蓬「…いないですねぇ」
捲簾「おい、そっち居たか?」
天蓬「いえ、そっちの本棚の方はどうですか?」
捲簾「いねー。ギッチリ本積み上がってっから悟空が小さくっても隠れられねーよ」
天蓬「どこに居るんでしょう…この部屋にいるのは間違いないはずなんですけど(思案)」
捲簾「…おい、天蓬(ちょいちょい)」
天蓬「何ですか?」
捲簾「あの箱は何だ?」
天蓬「ああ、あれは先日下界から届いた置物が入っていたんですよ。捲簾も見たでしょう?机の後ろの…」
捲簾「あのたぬきの置物か?やたらタマのでっかい」
天蓬「何で捲簾はソコしか見ないんですかぁ?あんなに愛らしい芸術品を(不満)」
捲簾「どこが可愛いんだよ…あ〜んなでっかいタマ引きずってるたぬきが(呆れ)」
天蓬「タマタマって…ひそかに捲簾気に入ってません?」
捲簾「誰がだっ!」
天蓬「まぁ、その捲簾垂涎のたぬきさんが入ってた箱です。後で処分しようと思って」
捲簾「邪魔ならさっさと捨てろっての!部屋の中に放置するなよ…せめて分解して部屋の端によけろ!」
天蓬「はいはい…小言の多いお嫁さんですねぇ」
捲簾「俺がいつてめぇの嫁さんになったんだ?(ヒクッ)」
天蓬「お嫁さんが気に入らなければ通い妻とでも…」
捲簾「だーかーらっ!俺のドコがお前の嫁さんなんだよっ!!」
天蓬「え?身体が(キッパリ)」
捲簾「…もう何も言うな。あーもう邪魔くせぇ!結局俺が片づけるのかよ!!」
天蓬「いやぁ〜、働き者のお嫁さんですねvvv」
捲簾「嫁はヤメロ!!(赤面)」
天蓬「そんな恥ずかしがらなくっても〜」
捲簾「だーっ!もう!!さっさとコレ括る紐持ってこいよっ!!」
天蓬「分かりましたって…えーっと〜(ゴソゴソ)」
捲簾「全く…しょーがねーヤツ」

バコッ☆

捲簾「………あ」
天蓬「捲簾、紐はこれでいいですか?」
捲簾「居た…」
天蓬「え?何がですか??」
捲簾「コレ(ちょいちょい)」
天蓬「あれ…悟空!?」
捲簾「寝ちまってるよ(苦笑)」
天蓬「これじゃぁ見つからない訳ですよねぇ」
捲簾「おい、悟空!(つんつん☆)」
天蓬「そういえば…お昼寝時間ですか。よく眠ってますね(微笑)」
捲簾「なーんか…コイツの寝顔見てると平和だよなぁ」
天蓬「悟空のそういうところに救われているんですけどね」
捲簾「…そうだな(微笑)」
天蓬「さて、どうしましょうか?」
捲簾「とりあえず出してソファに移すか…」
天蓬「あっ!ちょっと待って」
捲簾「あ?何だよいきなり」
天蓬「んー…いいこと思いついちゃいました(ニッコリ)」
捲簾「な…何が?(ゾクッ)」
天蓬「捲簾、悟空をそっと出してもらえます?僕はちょっと準備しますから」
捲簾「…なぁに企んでるんだよ?(眉顰め)」
天蓬「企むなんて失礼な…袖の下ですよ♪」
捲簾「はぁ?袖の下??」
天蓬「ええ、金蝉へのお礼ですvvv」
捲簾「お礼?(首傾げ)」
天蓬「まぁ時期的には『お歳暮』とでも言いますか」
捲簾「それと悟空が何の関係があるんだよ?」
天蓬「それは…フフフフ」
捲簾「…俺知らね〜っと(ゾワッ)」


ガラガラガラ〜

女官「天蓬様、捲簾様もいらっしゃいませ」
天蓬「金蝉は戻ってますか?」
女官「いえ、まだお戻りになっておりませんが…」
捲簾「どーすんだよ、コレ」
天蓬「ふむ。あ、コレ金蝉に贈る約束をしていた物なんですけどね(ニッコリ)」
女官「それでしたらこちらでお預かりいたしましょうか?」
天蓬「んー…でもこのとおり僕らでも台車で運ぶぐらいですから、かなり重いんですよ」
捲簾「とってもじゃねーけどか弱い女性には持ち上がらねーわな(苦笑)」
天蓬「まぁ、金蝉には話してありますから、部屋の中に置いていきますね。もし何か訊かれたら僕からだと伝えて貰えますか?」
捲簾「ナマ物だから早く食べてね〜んってな(ニヤ)」
女官「は?」
天蓬「いえいえ、食べ物ではありませんから置いたままで大丈夫ですよ…捲簾!(ガツッ!)」
捲簾「ぐえっ!!(屈み)」
天蓬「それじゃ、運んでおきますね〜。捲簾いつまでしゃがんでるんですか?轢いちゃいますよ〜♪」
捲簾「うわっ!」

ガチャ☆

天蓬「捲簾、床に下ろしますから、そっち持ってください…いいですか?せ〜のっ!」

ドサ☆

捲簾「おい…大丈夫かよ?(聞き耳)」
天蓬「どうでしょう?(聞き耳)」

しーん。

捲簾「…大丈夫みたいだな」
天蓬「みたいですね」
捲簾「どんな反応するのかねぇ〜、お父さんは(ニヤッ)」
天蓬「さぁ?僕は金蝉の反応よりもその後の方が楽しみなんですけど?(微笑)」
捲簾「な…コレ以上ナニ企んでる訳?(ぞぞぞっ)」
天蓬「後のお楽しみって言うことで…フフフフ」
捲簾「俺…イチ抜けたいなぁ(遠い目)」

カツカツカツ…

女官「お帰りなさいませ」
金蝉「悟空は?」
女官「まだお戻りになっておりませんが…」
金蝉「あのバカ猿…いつまで遊んでやがる(怒)」

ガチャ☆

金蝉「………何だコレは?」
女官「先程天蓬様がお見えになりまして、置いて行かれました」
金蝉「天蓬が?(眉顰め)」
女官「はい。何でも金蝉様にお約束の物を届けにいらしたと仰っていました」
金蝉「フン…思いつきの割には随分と早いな。ご丁寧にリボンまでつけて…どうせロクなモンじゃねーだろ」
女官「お食事の方はいかがなさいますか?」
金蝉「ああ、悟空が戻ってからでいい」
女官「承知いたしました(ペコ)」

パタン…

金蝉「それにしても、デカイ箱だな…まさか天蓬の部屋のガラクタじゃねーだろうな?」

グイッ!

金蝉「何だぁ!?この重さは??とりあえず開けてみるか」

シュルッ
ベリッ!
ガサガサ…
パコッ☆

金蝉「………何のつもりだ?(ヒクッ)」

ベリッ!

金蝉「おい、悟空!起きろ!!(ぺしぺし)」
悟空「んー…ごはん〜?」
金蝉「薬を盛られた訳じゃねーのか(呆れ)」
悟空「ふわぁっ…あれ?こんぜん…(コシコシ)」
金蝉「お前なぁ…何でこんな中で寝てんだよ?それにその格好は何だ?(頭痛)」
悟空「えー?だってケン兄ちゃんとかくれんぼしてて…あれ?何このカッコ??」
金蝉「覚えがねーのかよ…」
悟空「えっとぉ…かくれんぼしてて、天ちゃんの部屋にかくれようと思ったらおっきな箱があったから、それに入って…そしたら眠くなっちゃって」
金蝉「そのまま寝ちまったのか(呆れ)」
悟空「そうなのかなぁ…あれ?でも何で俺帰ってきてるの??(首傾げ)」
金蝉「天蓬が運んできたんだよ」
悟空「天ちゃんが?でも俺何でこんなカッコしてんの?何か白くてビラビラしてるよ?この服…それに頭にも何かついてるし??」
金蝉「俺が知るかよ…天蓬から届いた箱開けたらお前が入ってたんだ(溜息)」
悟空「そうなの?(きょとん)」
金蝉「天蓬も一体何のつもりなんだか…」
悟空「ふぅん…何かお花もいっぱい入ってるねぇ〜♪すげーきれー♪♪あれ?何だこれ」
金蝉「どうした?」
悟空「何かお手紙入ってるよ?」
金蝉「貸せ!(バシッ!!)」
悟空「なになに?なに書いてあるのー?」
金蝉「…何だ?この紙切れは??」

ガサガサ…

金蝉「なっ!?何だコレはーーーっっ!!!(叫)」
悟空「こっ…こんぜん!?どうしたの??」


バッターン!

菩薩「おう、金蝉!俺サマに黙ってチビと結婚たぁどういう了見だ?まず仲人の俺サマに挨拶するのが筋ってもんだろう?(ニヤニヤ)」
二郎神「観世音菩薩…(頭抱え)」
金蝉「けっ!??誰が誰と結婚するって!?(動揺)」
悟空「なに?なになに??(キョロキョロ)」
菩薩「なぁ〜にとぼけてんだよ?んじゃその手に持ってる物は何だ?婚姻届じゃねーか(ニンマリ)」
金蝉「これはっ…天蓬のヤツが勝手に!(更に動揺)」
菩薩「お?何だ用意がいいなぁ〜♪もうチビはウェディングドレス着て準備万端か」
悟空「うぇ…うぇでぃん…??(首傾げ)」
菩薩「おぅ、チビ似合ってんじゃねーか。カッコイイぞ〜♪」
悟空「ホント?えへへ(照)」←分かってない
金蝉「これも天蓬のヤツが勝手に着せたんだっ!!」
菩薩「なぁ〜に今更テレてんだよ。いいじゃねーか、満更でもねークセに」
金蝉「ウルセーよっ!!(赤面)」
悟空「なに?なになに??(キョロキョロ)」
菩薩「そうだなぁ…新居は別にここでもかまわねーだろ?でも新婚なんだしせめてキングサイズのでっかいベッドをドンッと入れて。式は身内だけでいいし、新婚旅行は下界にすっか。この時期だと暖かい処がいいだろう?ホレ、パンフレットだ。好きな場所決めろ(バサバサ)」
金蝉「クソババァ…何勝手に話進めてんだぁっ!!(叫)」
悟空「何話してんの〜?(指くわえ)」
菩薩「んー?金蝉とチビの結婚式の話だ」
悟空「けっこんしき…ってなに?」
菩薩「チビが金蝉のモノになってずぅ〜っと一緒にいるって約束だ」
悟空「えー?でも俺金蝉のモノだよ?(首傾げ)」
菩薩「へぇ…(ニヤリ)」
金蝉「何が言いてぇんだ(怒)」
菩薩「あー、モチロン金蝉もチビだけのモノになるぞ?」
悟空「えっ!?」
金蝉「…何だ?その驚きは」←不満
悟空「ホント?金蝉も俺のモンになるの?(じぃ)」
金蝉「そうだな…ってそんな話じゃねーだろっ!!」←我に返る(笑)
菩薩「まぁ、折角チビがおめかししてウエディングドレス着てるんだから、新郎も合わせないとな。ホレ、礼装」
金蝉「そんなモノまで用意してんじゃねーっ!」
二郎神「あのー…これはどういたしますか?」
菩薩「ん?アレか」
金蝉「何だそれは?(不機嫌)」
菩薩「結婚式には付き物だろ?祝電だ」
金蝉「はぁ!??(唖然)」
菩薩「えーっと…まず天蓬だな。『この度はご結婚おめでとうございますvvvお子さんの英才教育は僕に任せてくださいね』だと」
金蝉「何の教育するつもりだ…じゃなくって!出来るかっっ!!」
菩薩「そんなもんは分からんぞ?なんせチビのコトは未知数だからなぁ〜♪」
金蝉「だからって性別まで無視すんなっ!!」
菩薩「手ぇつけといて今更何言ってやがんだ?(ニヤリ)」
金蝉「チッ…」
菩薩「それと…捲簾からも来てるぞ?『結婚おめっとーさん!倦怠期になったらいつでも言えよ?イイモン貸してやる』だってよ」
金蝉「あんのバカ大将!ぶっ殺す!!(激怒)」
菩薩「まぁ、これ出した段階で天蓬に半殺しにあってるんじゃねーの?カラダが(爆笑)」
金蝉「…それもそうか」←何故か納得
菩薩「他にも各方面から色々来てるが、割愛すっか」
金蝉「各方面って…どこまでフイてやがんだーーーっっ!!(頭抱え)」
悟空「コレなぁに?」
菩薩「ん?これは金蝉とチビの結婚をみーんながお祝いして手紙を寄越したようなモンだ」
悟空「そうなの?お祝いしてくれてるの??」
菩薩「モチロン!金蝉はチビに出会わなけりゃ、ずーっと寂しい独り身でいただろうからな。嫁さん貰う甲斐性があってみんな大喜びだ、アッハッハッハッ!」
金蝉「クソババァ…さっきから勝手なことばっかほざきやがって(怒)」
悟空「みんな喜んでくれるの?俺と金蝉がずっと一緒で」
菩薩「あったりまえじゃねーか、なぁ金蝉?(ニヤニヤ)」
悟空「金蝉…ホント?(上目遣い)」
金蝉「うっ…………………………………らしいな(ぼそっ)」
悟空「えへへ…こんぜんっvvv(ぎゅっ)」
菩薩「あー、あとお祝いも各方面から頂戴してるからな。リスト渡すからハネムーン行ったらちゃんと土産買ってこいよ。」
金蝉「ちょっと待て。そんなモノまで貰ってやがんのか!?(呆然)」
菩薩「まぁ、新婚は何かと物入りだからな。天蓬がお前らの代わりに下界で『新婚さんラブラブ必須アイテム』を買い付けしてくるって張り切ってたぞ?」
金蝉「天蓬のヤツーーーっっ!!」
悟空「お姉ちゃん、らぶらぶあいてむって何?(きょとん)」
菩薩「ん?知りてぇか?ちょっと耳貸せ(ちょいちょい)」
悟空「なになに♪(ドキドキ)」
菩薩「それはなー…(ゴニョゴニョ)」
二郎神「…金蝉殿も苦労されますな」
金蝉「そう思うんなら止めてくれ(頭痛)」
二郎神「残念ですが…絶対ムリです(きっぱり)」
悟空「ええーーーっっ!?(驚)」
菩薩「ふふん♪楽し〜だろぉ?(ニヤニヤ)」
金蝉「???」
悟空「こんぜん………えっちぃ(ポッvvv)」
金蝉「ババァ…てめぇ何言いやがったっ!(赤面)」
菩薩「おっと、いけねー!これから俺サマは忙しいんだった。おい金蝉、チビ!」
金蝉「何だよ?(眉顰め)」
悟空「なぁに〜?お姉ちゃん」
菩薩「…二郎神(ちょいちょい)」
二郎神「………はぁ」
菩薩「チビ、もうちょっと金蝉にくっつけ。あぁ、抱きついた方がいいな」
悟空「こぅ?(ぎゅっ)」
金蝉「今度は何だよ…(溜息)」←でも満更じゃない(笑)

カシャ☆

悟空「ん?(ぱちくり)」
金蝉「何だぁ?」
菩薩「どうだ?ちゃんと撮れたか?」
二郎神「はい、大丈夫です」
菩薩「よし!さっそく注文してこい」
金蝉「おい、何だよ今のは!?」
菩薩「何って…結婚報告の挨拶状を作るんじゃねーか。常識だろ?(ニンマリ)」
金蝉「なにいぃぃっっ!?(愕然)」
菩薩「あ〜俺サマってば何て甥思いなんだろうなぁ〜♪あ、さっさとハネムーン先選んでおけよ?とりあえず今日は新婚初夜だからな、邪魔はしねーよ!ハッハッハッ」
金蝉「ふざけんのもいいかげんにしろーーーっっ!!」
菩薩「じゃぁ〜な、チビ!旦那様に優しくしてもらえよ〜♪」
金蝉「おい、待ちやがれっ!クソババァ!!!(絶叫)」

バタン☆

悟空「いっちゃったよ?お姉ちゃん」
金蝉「………。」←激しく混乱中


そして3日後。

天蓬「おはよーございます〜♪」
悟空「天ちゃん!おっはよ〜♪♪」
金蝉「出たな…諸悪の根元」
天蓬「ヤダなぁ、なんのことですか?(ニッコリ)」
金蝉「冗談にも限度っつーもんがあるだろうがっ!(バン!!)」
天蓬「冗談?(首傾げ)」
金蝉「お前…まさか(引きつり)」
悟空「ねーねー天ちゃん!そのおっきな箱なぁに?」
天蓬「コレですか?『新婚さんラブラブ必須アイテム』ですよvvv」
悟空「えっ!?(真っ赤)」
天蓬「おや?悟空…ほっぺが赤いですよ〜?(チラッ)」
金蝉「…何だよ?(眉顰め)」
天蓬「金蝉…貴方どんな説明をしたんですか?」
金蝉「ババァがしたんだっ!」
天蓬「あ、成る程ね。悟空、他にもあるんですよ〜♪」
悟空「他にも?」
捲簾「てめっ…天蓬!なに俺にだけ大荷物持たせてんだよ(怒)」
天蓬「だって、捲簾の方が肉体派じゃないですか〜」
捲簾「…絶倫のクセに(ボソッ)」
天蓬「荷物は下半身で持ち上げたりしないでしょう?捲簾持ち上げるんでしたら自信あるんですけど?(微笑)」←ナニで?
捲簾「あー、荷物持ちでよかったなぁ(涙)」

ドサッ!

悟空「ふぇ…なんかいっぱいあるな(キラキラ☆)」
金蝉「何だよ?コレは」
天蓬「言ったじゃないですか〜。『新婚さんラブラブ必須アイテム』ですってば」
金蝉「だからな…俺が何時結婚するって言ったんだよ!(怒)」
天蓬「え?しないんですか?こぉ〜んなカワイイ悟空と一緒にいながら!尚かつこおぉ〜〜〜んなまだ幼気で愛らしい悟空にシッカリチャッカリ手を付けながら!責任とらない気なんですかぁ?」
捲簾「金蝉…喰い逃げ?(ニヤニヤ)」
金蝉「それとこれとは話が別だっ!第一コイツはまだ子供でしかも男じゃねーか!!」
天蓬「やだなぁ〜、天界人がそんな人間みたいなモラルかざしてどうするんですか?(ニッコリ)」
金蝉「アンモラルの権化に言われたくねーっ!」
捲簾「んー?でも俺ん所にコレ来てたけど?(サッ)」
金蝉「あ?何だソレは??」

ピラッ。

天蓬「あ、そうなんですか?僕今日は郵便受け取ってないから見てませんでしたよ〜。へぇ…イイカンジじゃないですか」
金蝉「なっ…何だコレはーーーっっ!!」
捲簾「何だって…どう見ても結婚の挨拶状だな(キッパリ)」
天蓬「観音もこーいうことに関しては素早いですよねぇ」
捲簾「…どうせお前の入れ知恵だろ?」
天蓬「いやだなぁ…僕は結婚のしきたりとはこういうもんだって教えただけですよ(微笑)」←黒
金蝉「あのクソババァ!!!」
天蓬「金蝉、そんなに怒鳴ってばかりだと血管切れますよ?一体何が気に入らないんですか?悟空を自分だけで独り占め出来るってことじゃないですか」
金蝉「…独り占め?(ピクッ)」
天蓬「そうですよ。だからこそ金蝉が喜ぶだろうと思って僕がもの凄い労力でお膳立てしてあげたのに…うれしくないんですか?悟空を独占出来て」←トドメ
金蝉「………独り占め(妄想)」
悟空「ねーねー、天ちゃん!コレ何入ってるの〜?」
天蓬「あ、じゃぁ開けてみますか?(ニッコリ)」
悟空「わぁ〜い♪(ピョンピョン)」
金蝉「何を持ってきたんだ?」
捲簾「あくまでも天蓬の趣味だから(ヒクッ)」
金蝉「貴様…止めなかったのか?」
捲簾「言ったって聞かねーもん(キッパリ)」
金蝉「ったく…(頭痛)」
天蓬「まずですね〜コレ!金蝉と悟空のペアパジャマです〜♪」
悟空「うわぁっ!お揃い!?」
金蝉「おい…捲簾(引きつり)」
捲簾「だから、言ってもムダだったんだって!天蓬があのハート総柄じゃないとダメだって言い張って(同情)」
天蓬「まぁ、それだけでは折角の新婚さんに刺激が足りないかなぁ〜と思いましてコレも買いました♪」
悟空「んー?何かフリフリしてリボンがいっぱいだな?それにスケスケだよ?」
金蝉「…捲簾っ!(怒)」
捲簾「だーかーらぁ!止めたんだけどさ…それなら俺の分買うって聞かなかったから(涙)」
金蝉「………。」
天蓬「後ですねぇ、食器とか普段使う物もぜ〜んぶお揃いにしたんですよvvv」
金蝉「何でアイツはあんなに楽しそうなんだ?」
捲簾「純粋な友情から…じゃねーのは確かだと思う。なんたって天蓬だし」
金蝉「………。」
悟空「ホントだぁ〜!いっぱいあるね、天ちゃん♪」
天蓬「あ、色々入ってますから見てていいですよvvv」
悟空「わぁ〜い♪」
天蓬「あ、金蝉!(ちょいちょい)」
金蝉「???何だよ(不審)」
天蓬「コレは金蝉に…楽しさは僕が保証しますから(ニッコリ)」
金蝉「…何が入ってるんだ、この箱は?(眉顰め)」
天蓬「まぁちょっとした小道具ですよvvv」
金蝉「小道具?」
天蓬「全て僕のお薦めですから。使い方はマニュアルも一緒に入ってますから大丈夫です(微笑)」
捲簾「天蓬…それってまさか(脂汗)」
天蓬「はい、捲簾はぜ〜んぶ使ったことのある楽しいベッドで使うオモ…」
捲簾「わーっわーっ!!(叫)」
金蝉「何だとおぉぉっっ!!」
天蓬「コレを使った時の捲簾ってばスッゴク可愛くなって、理性なんか吹っ飛んじゃいましたよ〜vvv」
捲簾「…お前に理性なんかあったかよ」
天蓬「金蝉は悟空がそうなったらちょっとイイと思いません?いつもと違う悟空が見れますよ?(ニーッコリ)」
金蝉「…何?(ピクッ)」
天蓬「一度くらい使ってみる価値はあると思いません?」
金蝉「まぁ…一度……ぐらいなら(コホン)」
捲簾「おいおい…(呆れ)」


そして。

ぽてっぽてっぽてっ…

悟空「天ちゃ〜ん、居るぅ?」
天蓬「はい、居ますよー…悟空?どうしたんですか??」
悟空「んー?何が?」
天蓬「何か元気が無いというか…どこか体の具合でも悪いんですか?」
悟空「ううん…ちょっと怠いけど」
天蓬「悟空、ちょっとこっちへ(ちょいちょい)」

こつん☆

天蓬「んー?熱はないようですね…風邪かと思ったんですけど。喉が痛かったりしてませんか?」
悟空「痛くないよ?(きょとん)」
天蓬「そうですか…食事はちゃんと食べてます?」
悟空「うん…だっておなかすくし、食べないともっと動けないし」
天蓬「もっと動けない?(首傾げ)」

カツカツカツカツ

捲簾「おーい、天蓬!さっき…おりょ?」
悟空「あ、ケン兄ちゃん」
捲簾「おう!さっきはサンキューな…若奥様vvv(ニヤニヤ)」
悟空「あぅ…(真っ赤)」
天蓬「捲簾ってば…さっきってのは何ですか?」
捲簾「ああ、俺が待機所に行く途中で悟空に会ってな。土産貰った(苦笑)」
天蓬「土産…ですか?」
悟空「あ、そうだっ!天ちゃんにも渡しに来たの…これ、お土産(サッ)」
天蓬「はぁ…ありがとうございます。で、何のお土産なんですか?」
悟空「んと、おまんじゅう!食べたらすっごくおいしかったから。お店のおばちゃんも一番のおすすめだってゆってたの!」
天蓬「温泉饅頭…捲簾?」
捲簾「あ?何だよ(ニヤッ)」
天蓬「天界に温泉なんてありましたっけ?」
捲簾「ある訳ねーじゃん。もちろん下界の温泉だろ?」
天蓬「もしかして悟空?」
悟空「なぁに天ちゃん?(首傾げ)」
天蓬「下界に行ってたんですか?」
悟空「うんっ!金蝉と一緒に俺が前居たところとか温泉とか…すっげー人が一杯いてにぎやかだったよ〜!ごはんもすっげーうまくってさぁ(思い出し涎)」
天蓬「はて?どういうことでしょうか」
捲簾「アレだろ?新婚旅行ってーヤツ」
天蓬「え?アレってまだ続いてたんですか〜??」
捲簾「お前…火種作ってガンガン強風で煽って散々延焼させたのは天蓬だろうが!(呆れ)」
天蓬「そうですけどね…そこまで本気にされるとは予想してなかったので(ポリポリ)」
捲簾「…お前ってそういうヤツだよな(溜息)」
天蓬「でもよく下界へ降りれましたねぇ…」
悟空「なんか、お姉ちゃんが『俺サマに不可能はなーいっ!』って…いきなり来て荷物と一緒に引きづられってってポイッって門から出されたの。気が付いたら俺が住んでた森の中で…」
捲簾「ポイッって…(呆れ)」
天蓬「ほぅ…なかなかやりますね、観音も。自分の暇つぶしに対する手間を惜しまない飽くなき挑戦…いやはや感服しますね。僕もその強引なところを見習いたいもんです(しみじみ)」
捲簾「お前が見習ったりしたらシャレになんねーっつーのっ!!(必死)」
天蓬「悟空、楽しかったですか?(ニッコリ)」
悟空「うんっ!森も昔と変わってなかったし…俺金蝉に見せたかったんだ〜『ここが俺の住んでた場所だって』それにね?お泊まりした旅館のごはんがすっげー美味しかったし、温泉もすっご〜く気持ちよかったの!」
天蓬「それはよかったですねぇ(微笑)」
悟空「そんでね?ずっと金蝉と一緒にいれたから…もっと嬉しかったの(真っ赤)」
捲簾「ほー?そりゃぁ熱烈に愛されちゃったってことかしら〜?やるねぇ、金蝉パパも(ニンマリ)」
天蓬「いいですねぇ…熱烈ラブラブvvv(遠い目)」
捲簾「お…おい、天蓬?(ゾワッ!)」←危険信号
悟空「あ、天ちゃんも下界に降りた時に温泉行ってみれば?すっげー気持ちいいよ♪(ニコッ)」←天然
天蓬「そうですね…遠征のあと3日ぐらい行方が分からなくなるぐらい、どうっていうことないですよねvvv」
捲簾「あるに決まってんだろ!上にどう報告しろってゆーんだよ、バカッ!!」
天蓬「捲簾が気を揉む必要ないでしょう?だって一緒に行方不明になるんですから♪」
捲簾「はいぃ〜?(脂汗)」
天蓬「本当に…貴方は討伐の度に先陣切って無茶ばっかするんですから。療養がてらに温泉へ行ったって問題はないですよ(けろっ)」
捲簾「何言ってんだよ!それじゃ天界に戻って誰が報告…」
天蓬「そんなの先に報告書作成して部下に渡しておけばいいんですよ。貴方の熱烈なシンパの部下達ですから、ケガの療養で帰還が遅れるって言えばいくらでも口裏合わせますよ。あー、ムカツクほどの忠誠心ですよね〜」
捲簾「お前…何怒ってんだよ?」
天蓬「怒ってなんかいませんよ。ヤキモチ焼いてるだけですから」
捲簾「…バカ(赤面)」
天蓬「あ、報告書で思い出しました!この前の部下達の偵察時の報告書で、1箇所貴方のサインが必要だったんですよね。僕としたことが見落としてまして…丁度いいですから今書いて貰えますか?」
捲簾「ん?いいけど別に」
天蓬「えーっと…この辺にしまって置いたんですけど」

バサッ!
ガタガタガタ

捲簾「それ…しまってねーだろ(頭痛)」
天蓬「あ、ありました!はいペン。ここにサインして下さい」
捲簾「ココか?(サラサラ〜)」
天蓬「はい、確かに…フフフフ」←あれ?
捲簾「な…何だよ、その笑いは?(ゾクゾクッ)」←ヤな予感
天蓬「捲簾、コレなんでしょう?(ニッコリ)」

ピラッ

捲簾「へ?報告書だろ…ん!?(じぃ)」
天蓬「これで僕たち立派に夫婦ですねっvvv」
捲簾「なっ!婚姻届!?(愕然)」
天蓬「これで正々堂々と捲簾を独り占め出来るなんて…もう誰にも邪魔なんかさせませんよ(微笑)」←黒
捲簾「チョット待てっ!サインはともかく、その俺の印は何で!?」
天蓬「あ、コレですか?…簡単ですよ…こんなモノ写し取るのなんか」←それは犯罪です
捲簾「よこせっ!」
天蓬「ダ・メ・ですよ〜♪まぁ僕としては形にはこだわらないんですけど、形でも牽制はできますからね。これで名実共に貴方は僕のモノですからvvv(ニッコリ)」
捲簾「ほっ…本気じゃねーよな?は…ははは(脂汗)」
天蓬「あっ!いけない!!さっそくお披露目パーティとか新居の用意とか新婚旅行の段取りをしなくては!!ということで、捲簾は身体一つでお嫁に来てくれればいいですからね〜vvv」
捲簾「なっ…何勝手に話をすすめ…」
天蓬「さぁ、忙しいっ!じゃ、僕は用事がありますから。悟空、後で金蝉の所にも挨拶に行きますからね〜」
捲簾「ちょっ…天蓬!待てって―――――」

バタンッッッッッ!!

悟空「…天ちゃん楽しそうだね(ボソッ)」
捲簾「………。(絶句)」
悟空「ケン兄ちゃん、天ちゃんのお嫁さんになるの?」
捲簾「なる訳ねーだろ…」
悟空「ケン兄ちゃん、天ちゃんが好きじゃないの?(首傾げ)」
捲簾「好き…だけどな。それとこれは別問題―――――」
悟空「な〜んだ!じゃ好きなんだから、ケン兄ちゃん天ちゃんのお嫁さんなんだね!?俺みんなに教えて来なきゃっ!」
捲簾「はぁっ!?」
悟空「んじゃケン兄ちゃんまったね〜♪」
捲簾「待て待てっ!教えるって、悟空っ!?俺はちがっ…(焦り)」

バッターーーーンッッ!!!

捲簾「………俺、どーなっちゃうの?(号泣)」




悟空の腹痛?
悟空「う〜ん…こんぜんっ…」
金蝉「まだ痛いのか?(焦り)」
悟空「いたい…お腹ぎゅって痛くなるの…っ」
金蝉「とにかく、もう少ししたら天蓬が薬持ってくるから、ちょっと我慢しろ」
悟空「ん…こんぜん…お仕事は?」
金蝉「んなこと気にしてんじゃねー(溜息)」
悟空「じゃ…手…っ…つないでてくれる?」
金蝉「ああ、側に居てやるから」
悟空「よかったぁ…」
金蝉「それにしても何だっていきなり腹なんか(眉顰め)」

コンコン☆

天蓬「どうですか?具合の方は…(ひょい)」
金蝉「天蓬か…変わんねー」
天蓬「そうですか…薬持ってきたんですけど、腹痛のだけで良かったのかどうか」
金蝉「腹が痛いとしか言ってねーから大丈夫だろ」
天蓬「それにしても急にどうしたんでしょうねぇ」
金蝉「分からん。食事だっていつも通りだし、特に食い慣れねーもの出したりもしてないしな」
天蓬「そうですか…食べ合わせですかね」
金蝉「そうかもな」
天蓬「それにしても…(微笑)」
金蝉「…何だよ?(不審)」
天蓬「いえ、貴方がここまで慌てて、不安げにしている姿を見られる日がくるなんてね(ニッコリ)」
金蝉「うるせーよ(赤面)」
天蓬「さて、薬飲ませた方がいいですね。悟空、起きあがれますか?」
悟空「ん…天ちゃん…っ?」
天蓬「はい、薬持ってきましたからね。コレ飲めばお腹痛いの治まりますから」
金蝉「ほら、身体起こすぞ」
悟空「うん…」
天蓬「…ラブラブですねぇ」
金蝉「身体起こしただけだろっ!!」
天蓬「以前の貴方ならそんなことしないでしょう?」
金蝉「…いーから薬っ!」
天蓬「はいはい、照れること無いのにねぇ…悟空、これ飲んでくださいね。ちょっとしたら痛み取れますから」
悟空「うぇ〜、まずいよぉ」
金蝉「不味いから効くんだよ。ほら、寝ろ」
悟空「ん…」

コンコン☆

捲簾「おーい、チビ猿ちゃんの具合どうだ?」
天蓬「今薬飲んだところですよ」
金蝉「お前まで…(額押さえ)」
捲簾「まーまー、そんで?食い過ぎってヤツか?」
金蝉「いつも通りしか食わせてない(憮然)」
捲簾「それもすっげー量だけどなぁ(苦笑)」
天蓬「まー、食べ合わせでしょうね」
捲簾「そっか。ところでさ」
金蝉「何だ?」
捲簾「いや、この前俺と天蓬で下界から持って帰ってきた正月用の鏡餅」
金蝉「あ?それなら向こうの部屋の棚の上に猿が飾ってたが…それがどうした?」
捲簾「んー、何かさ…足りねーんだよな」
天蓬「足りない?何がですか??」
捲簾「ほら、あれって3段だったろ?さっき見たら2段で飾ってあった橙が無くなってるんだよなぁ」
金蝉「無くなってる?」
天蓬「…もしかして(チラッ)」
金蝉「まさか!おい、悟空!!」
悟空「ぅん?なぁに…こんぜん」
金蝉「お前、あの飾ってた鏡餅…そのまま食ったのか!?」
悟空「えっ!?あ…う…(コソコソ)」
金蝉「布団に隠れるんじゃねーっ!食ったんだな!?」
悟空「う…だってぇ…俺腹減って…」
天蓬「…それですね、腹痛」
捲簾「つったって…そのまま食うかぁ?普通(呆れ)」
金蝉「こんのっ…バカ猿がああぁぁっっ!!(グリグリ)」
悟空「うぎゃっ!いたっ…いたたたたっ!ごめんなさいぃぃ〜!!(号泣)」
天蓬「今度は焼いたのを上げましょうね(ニッコリ)」
捲簾「…違うだろ、おい」