正しいペアルック
ガチャン☆

甘粕「あー…暑ぃ。やっぱ当番明けに買い出しはしとくんだった。でも昨日は疲れてたしなぁ…ま、今日は非番だしゆっくり過ごし…」

チカチカ☆

甘粕「ん?留守録入ってる…」←ヤな予感

ピッ♪

大吾『あーまーかーす〜!出かけてても居留守でもどっちでもいいから早く来〜いっ!分かったなっ!夕方までだぞ〜』

甘粕「またか…ヒマ人が。オレは今日身体休める日なんだっつーの」

ソワッ

甘粕「…別に家の人出かけるとも言ってなかったよな。元気有り余ってんなら自主トレでもしろって」

ソワソワッ

甘粕「これでオレが行かなかったらどーするんだ?バカ比奈のことだから誰か他のヤツでも誘うか」

ソワソワソワッ

甘粕「ったく…しょーがねーなぁ(溜息)」←着替えたりする(笑)

ガタガタ…ガチャン☆


ピンポーン

大吾「やーっと来た!遅ぇよ甘公」
甘粕「まだ夕方じゃねーだろうがっ!しかも留守電に用件も入ってねーし(怒)」
大吾「んじゃ、用件なきゃ来てくんねーの?ただ甘粕に会いたいってだけじゃダメなのかよぅ(ぷくっ)」
甘粕「…それならてめぇから来ればいいだけだろ」←ひそかに喜び
大吾「でも今日は用件あるも〜ん♪あ、あがれよ」
甘粕「おじゃまします」
大吾「こっちこっち♪」
甘粕「…何だよ?お前の部屋じゃねーのか??」
大吾「だっておれの部屋に置いてねーし」
甘粕「???」
大吾「ちょっと座って待ってろよ!ばぁちゃんトコから貰ってくるから」
甘粕「は?貰うって…おい、朝比奈!?」
大吾「いーから、待ってろって♪」
甘粕「何なんだ…一体(首傾げ)」

ひょい

大吾「あ・ま・か・す〜♪コレッ!」
甘粕「え?ソレッて…」
大吾「えーっと…甚平っ!ばあちゃんが甘粕とお揃いで作ってくれたんだ〜vvv」
甘粕「お揃い…(赤面)」
大吾「甘粕はこっちの紺色な!でもっておれが…何色だっけ?」
甘粕「海老茶だろ…多分」
大吾「そーそー、エビね!はい、着替えて(ズイッ)」
甘粕「はー?今かよ!?」
大吾「当ったり前だろー?サイズはおれと一緒だから大丈夫なハズだし…今日近所の神社で夏祭りあるんだよ」
甘粕「ちょっと待て。まさかコレ着て一緒に行くって言うんじゃ…」
大吾「決まってるじゃん♪」
甘粕「いや…オレはちょっと…(ボソボソ)」
大吾「………あまかすぅ(ジワリ)」
甘粕「(ギョッ)あ…朝比奈?」
大吾「何だよっ…そんなにおれとお揃いじゃヤなんかよぉ(ポロポロ)」
甘粕「ばっ…そーじゃなくって!えっと…だからな?(困惑)」
大吾「もういいっ!着なくていーよっ!!おれ一人でコレ着て夏祭り行くからっっ!!」
甘粕「だから朝比奈とお揃いがイヤとか言うんじゃなくって」
大吾「言い訳なんかすることねーじゃん!折角…ばぁちゃんが生地買ってきてくれて甘粕の分も作ってくれるって言うから、おれすっげー楽しみでナイショにしてたのに…」
甘粕「だーかーらっ!勘違いするんじゃねーって…」
大吾「じゃ、おれの用事終わったから、甘粕帰ってもイイよ。でもコレはばぁちゃんがお前にって作ったヤツだからイヤでも持って帰れよな(プイッ)」

グイッ!

甘粕「ちゃんと話を聞けっ!」
大吾「………。(俯き)」
甘粕「ったく…勘違いしてんじゃねーよ(ギュッ)」
大吾「だってヤなことには変わりねーじゃん…」
甘粕「だから、イヤだなんて一っ言も言ってねーだろーが」
大吾「でも一緒に出かけるの…嫌がったじゃん」
甘粕「そりゃぁ……恥ずかしいだろーがっ!(赤面)」
大吾「へ?何でだよ??」
甘粕「考えてもみろよ?ちっちゃい子供とか兄弟とかでお揃いってのはいいけどな。デッカイ図体した大人が…しかも兄弟でもねーのにお揃いなんて恥ずかしいだろうが」
大吾「…おれ、嬉しいけど?(きょとん)」
甘粕「うれっ!?………いいか?お揃い、分かりやすく言やぁペアルックだ。直球ど真ん中で恋人同士の必殺アイテムだろー?端から見りゃ男女のカップルでも相当恥ずいのに、オレらヤローなんだぞ?男同士で兄弟でもないのにペアルック…ま、恋人同士っていうのは間違ってねーけど?」
大吾「ここここ恋人ぉっ!?(真っ赤)」
甘粕「…てめぇ、違うとか言うんじゃねーだろうな?(睨み)」
大吾「いっ…言わねーけど…っ」
甘粕「…ラブラブカップル、お揃い甚平ペアルックでイチャイチャ夏祭りでデート(ぼそっ)」
大吾「う…うわああぁぁぁっっ!!(赤面)」
甘粕「ホレみろ、恥ずかしいだろーが」
大吾「たっ…確かに……でもでも(モジモジ)」
甘粕「何だよ??」
大吾「そーゆーのいっぺんぐらい…やってみたい…かも(ポッ)」
甘粕「…分かった。そのかわり、やるからにはフルコースだぞ!」
大吾「へ?何…フルコースって??」
甘粕「…ラブラブカップル、お揃い甚平ペアルックでイチャイチャ夏祭りでデート、祭で食うのも飲むのも『食わせっこ・飲ませっこ』、人気のない神社の奥でこっそりイチャイチャは当たり前!その後はお互い高ぶりきった愛を確かめ合う為に、勿論ラブホへゴー!あ、ちなみにオプション選択でオレんちでもオッケーだ」
大吾「なっ!?何だよそれーっっ!!(叫)」
甘粕「んなモン当然だろ?恥ずかしい思いするんだったらそれぐらいやんねーと。さ、出かけるか♪」
大吾「はぁ?…っていつの間に着替えてんだよコラッ!!いや…その…やっぱおれ…」
甘粕「勿論ヤダなんて言わねーよな?朝比奈クン(ニヤッ)」
大吾「あ…うっ…(脂汗)」
甘粕「ほらほら、お囃子が聞こえてきたぞー?屋台もいっぱい出てるんだろうなぁ…」
大吾「ううううっ…でもでも…(真っ赤)」
甘粕「早く行かねーといっぱい食べられないよなぁ…」
大吾「………行く」
甘粕「ったく…ジタバタしたってどうせ行くんだろうが。あ、そうそう!ちゃーんと恋人同士らしく手ぇ繋いで行こうな〜♪(にやにや)」
大吾「甘公…おもしろがってんだろ?」
甘粕「何が?恋人同士として当たり前のコトじゃねーか、ホレ行くぞ(ずるずる)」
大吾「やっぱヤだああぁぁぁ〜」
甘粕「うるせー(殴)」
大吾「じゃ、手繋ぐのだけは…」
甘粕「ぜってぇ離さねー(ギュウッ)」
大吾「甘粕のばかやろおおぉぉぉっっ!!(号泣)」


ハンコ集めてお願い
大吾「ふ…ふああぁぁぁ〜(欠伸)」
甘粕「何だよ、眠いのか?」
大吾「んー…今日は昼寝しなかったから、ちょっと…」
甘粕「あ?昨日夜更かしでもしたのか??」
大吾「してないよ〜。ずっと早起きだから…すぐ寝るもん」
甘粕「へー、規則正しいじゃねーか。せっかくの夏休みなのに」
大吾「だからぁ、夏休みだから早起きしなくちゃいけないんだってば」
甘粕「はぁ?何でだよ??(首傾げ)」
大吾「だってさぁ…毎日ラジオ体操行かなきゃダメなんだもん。ちゃんとハンコ押してもらってさ。2学期始まったら提出することになってるから(ぷくっ)」
甘粕「あー、毎朝公園に集まってやるアレかぁ…懐かしいな」
大吾「あまかすもやってたの?」
甘粕「オレが小学生の頃もあったな。ま、ラジオ体操じゃねーけど今も訓練前に準備運動はするし」
大吾「へぇ…そうなんだ。じゃ、あまかすも早起き苦手だったの?」
甘粕「いや?ちゃんと目覚まし鳴る前に起きてたし、朝身体動かすと気持ちいいしな」
大吾「ふぅん…すごいなぁ。おれいくら寝ても眠くってさぁ〜」
甘粕「大吾の場合、1日中遊びまくってるからだろ?(苦笑)」
大吾「そんなに遊んでねーもんっ!ちゃんとあまかすに言われたとおり宿題もやってるしっ!」
甘粕「分かってるって。んな怒ることねーだろーが」
大吾「だってだってっ!おれ…ちゃんと約束守ってるのに…」
甘粕「…そうだな、エライエライ(なでなで)」
大吾「もうっ!子供扱いすんなよぉ〜っ!!」
甘粕「あ、そこ計算間違ってるぞ」
大吾「え、うそ?どこどこ??」
甘粕「ここ!よーっく問題見てみろ?それにこれができねーと今日のノルマは終わんねーぞ?」
大吾「分かってるよぉ…でもさ(ブツブツ)」
甘粕「あっそ。今日はずぅーっと勉強だけでいいんだ?(ニヤニヤ)」
大吾「えっ!?やだよぉ〜、折角あまかす明日お休みなのに〜(焦り)」
甘粕「そんじゃ、頑張って解かなきゃなぁ(ポンポン)」
大吾「…あまかすのいじわるぅ」
甘粕「大吾の為じゃねーか。ホラ、むくれてねーで集中する!」
大吾「はぁ〜い」


甘粕「…できたか?(ひょい)」
大吾「多分…合ってると思うんだけど」
甘粕「どれ?んーっと…」
大吾「…どう?合ってる??(ドキドキ)」
甘粕「おっし、合ってるな。んじゃ花マル〜(キュキュ〜ッ)」
大吾「やった〜♪じゃぁ今日の分はもう終わり?」
甘粕「そうだな」
大吾「そんじゃ、これっ!ハンコ押して〜vvv」
甘粕「えーっと…今日のトコは〜」

ポンッ☆

大吾「えへへ…20個たまった〜!あと10個だよな♪」
甘粕「そうだな。あと10個貯まったら、大吾念願のデート権利獲得(苦笑)」
大吾「もうちょっとだなぁ…がんばろーっとvvv(ニコニコ)」
甘粕「それにしても…お前コレ初めてからは真面目に勉強集中する様になったよなぁ」
大吾「だってさ〜、何か目標っていうか、ご褒美あるとヤル気出るじゃん♪」
甘粕「現金すぎるんだよ!自主的にもーちょっと勉強するようになるといいんだけどな」
大吾「…あまかす、もしかして迷惑?」
甘粕「そんなんじゃねーよ。別にこんなことしなくても、大吾が行きたいトコあるんだったら連れっててやるのに…」
大吾「あまかすぅ…(キラキラ)」
甘粕「まぁ、遠くはムリだけど、臨港とか近辺なら…」
大吾「でも…あまかすだって仕事で疲れてるだろ?テレビで消防士の番組とか見たりするけど、すっげー大変そうだし…」
甘粕「ったく…気ぃ遣ってんじゃねーよ(ポンッ)」
大吾「だってだって!」
甘粕「ホントに疲れてる時ならちゃんと言うって。オレは大吾に気ぃ遣うつもりなんかねーからな」
大吾「あまかす…それって…おれのこと…えっとぉ…(もじもじ)」
甘粕「そ。オレは自分の恋人に気を遣ったりなんかしねーの」
大吾「……うん(ニッコリ)」
甘粕「で?どーするんだ、コレ。続けるのか?」
大吾「これは続けるよっ!だって…やっぱ頑張ろーって気になるし♪」
甘粕「ふーん…ま、大吾がそれでいいんなら、オレはかまわねーけど。でもハンコいっぱいになったら何処にデート行きてぇんだ?遊園地か?ディズニーランドとか…新しいのも出来たしな」
大吾「それもいいけど、違うも〜ん♪」
甘粕「んじゃ、何処だよ?」
大吾「えっとねぇ臨港に出来た『パラダイスゲート』ってトコ!」
甘粕「あー?『パラダイスゲート』だぁ??どっかで訊いたことがあるような…(首傾げ)」
大吾「んとね、車じゃないと行けないトコにあるってゆってた」
甘粕「臨港で…車でしか行けない?………って、お前!『パラダイスゲート』って、この前オープンしたラブホじゃねーかっ!!」
大吾「そーそーvvv何かねぇ、部屋の中にプールとかあるんだってさ〜♪」
甘粕「ちょっと待て。何で小学生のお前がそんなこと知ってるんだ?(怒)」
大吾「んー?友達がね、海に遊びに行ったんだけど、どこも泊まれるところが見つからなくって『パラダイスゲート』に泊まったんだってさ」
甘粕「あー、今はピークだから予約しねーで行っても空きなんかねーしなぁ。でも家族でラブホっていうのは…」
大吾「え?」
甘粕「え?ってお前…だからお前の友達、家族で行ったんだろ?」
大吾「………。」
甘粕「おい、お前の交友関係ってどーなってるんだ?(ヒクッ)」
大吾「えっと…普通の小学生」
甘粕「普通の小学生はラブホなんか行かねーんだよっ!(べしっ)」
大吾「痛いっ!なんだよぉ〜おれはまだ行ったことねーじゃん!!」
甘粕「ラブホに行きたがる小学生もいねーんだよっ!!(べしべしっ)」
大吾「だってさぁ…あまかすだっていっぱいエッチするじゃん(ポッ)」
甘粕「…そーいうのはな、もっと成長してからでいいんだよっ!第一ラブホなんてヤる場所がねーから行くモンだ」
大吾「えー?そうなの??でもたまには『しちゅえーしょん』が変わった方がスッゲェ燃えるってゆってたけどなぁ〜」
甘粕「…だからな?そんなこと言いやがる普通の小学生のダチってーのをいっぺん呼んできやがれっ!説教してやる!!」


愛が足りない
カチャ☆

甘粕「はぁ…スッキリした。やっぱ疲れてる時は風呂に浸かんねーとダメだな」

ペタペタペタ
ストン

甘粕「よっと…あー、疲れた。もう動きたくもねー」

ピンポーン♪

甘粕「…さて、寝るか」

ピンポンピンポ〜ン♪

甘粕「えーっと、目覚ましは…」

ピンポンピンポンピンポンピンポーンッ♪

甘粕「…アイツはぁぁぁっ!(怒)」

ドスドスドス
バンッ!

甘粕「ウルセーんだよ!バカ比奈っ!!さっさと家帰れ―――」

ふらぁ〜
ガコッ!

大吾「………。」
甘粕「…おい、あさひな?(つんっ)」
大吾「………痛ぇ(ボソッ)」
甘粕「だろうよ、玄関にそんだけ豪快に突っ込んで倒れりゃーな(呆れ)」
大吾「甘粕…冷たい(ゴニョ)」
甘粕「機嫌悪ぃからな」
大吾「…何でだよ」
甘粕「そりゃ当たり前だろ?現場で疲れ切って、さぁこれからゆっくりと寝よう!って時に、バカみてぇにチャイムならされるわ勝手にデカイ男に玄関先で行き倒れられて、にこやか〜にお出迎えするとでも思ってんのか?(踏み)」
大吾「…違う」
甘粕「あ?何がだよ(眉顰め)」
大吾「前は違った!優しい甘粕なんて気持ち悪ぃけど、それでもちょっとは優しかったっ!!(ガバッ)」
甘粕「てめぇ、ケンカ売ってんのか?(怒)」
大吾「やっぱ…そうなんだ…な。ホントだったんだ…噂(じわっ)」
甘粕「噂ぁ?何のこと言ってんだよ」
大吾「もうおれのこと飽きたんだな…だからっ…おれと別れよ…て…思っ…」
甘粕「はぁ?何だそりゃ??(驚)」
大吾「とぼける気かよっ!甘粕なんか…甘粕なんかっ…チクショーッッ!!」
甘粕「おわっ!ちょっ…朝比奈っ!?」

グイッ

大吾「うわっ!?(慌て)」

ガコッッ!!

大吾「うぐっ!」
甘粕「朝比奈!悪ぃ!大丈夫か?おいっ!?」
大吾「………。(ぐたっ)」
甘粕「あーあ…」


ぴたっ。

大吾「んあ…?」
甘粕「朝比奈っ!…大丈夫か?」
大吾「あ…れ?おれ…痛ぅっ!」
甘粕「玄関でコケて頭打ったんだよ。気持ち悪くねーか?」
大吾「頭…痛ぇけど」
甘粕「いちおう病院行った方がいいか?」
大吾「コブ出来たぐれーで病院なんか…ってぇ…(涙目)」
甘粕「バカッ!打ち所悪かったらどーすんだよ…そんぐれー知ってるだろーが」
大吾「今更…気、なんかつかうなよ(ボソッ)」
甘粕「あー?頭打ってるんだから心配するに決まってんだろ」
大吾「そっか…職業だもんな。おれだからって訳じゃ…」
甘粕「おい、お前さっきっから何拗ねてんだよ?つっかかる言い方ばっかしやがって!そういえばさっきも訳分からねーことブツブツ言ってたよな?『飽きた』だの『別れる』だの…てめぇどー言うつもりだ?」
大吾「だってだって!おれと別れてぇんだろ!?」
甘粕「誰が別れてやるかっ!てめぇが別れるつったら鎖でグルグルに繋いで一生閉じこめてやるぞ、あぁ!?」
大吾「………うそ」
甘粕「まさか、お前…オレと別れたいからって、さっきから滅茶苦茶なこと抜かしてやがんのか?(睨み)」
大吾「違っ…それはお前だろっ!!」
甘粕「だからオレは別れてやらねーって言ってんだよっ!!」
大吾「………ほんとに?」
甘粕「お前…さっきっから全っ然話が見えねーんだよ。最初っから説明しろ(溜息)」
大吾「最近さ…甘粕あんま電話してこねーし」
甘粕「…同じ職場で毎日会ってるのに、電話する必要がどこにあるんだ」
大吾「それに休みで一緒にいても、おれのことほったらかして本ばっか読んでるし」
甘粕「ほったらかしてるのはてめぇの方だろ?ゲームばっかやりやがって!本でも読んでるしかねーだろーが」
大吾「…それだけじゃねーもん(上目遣い)」
甘粕「な…何だよ(どきどき)」
大吾「昨日…本局行ったら、警防部のヤツが…この前甘粕が女と仲良く歩いてるとこ見たって。あれはどー見ても絶対デートだって言ってたっ!」
甘粕「そりゃ人違いだろ…(溜息)」
大吾「嘘だっ!お前すっげぇ目立つんだぞ。見間違える訳なんかねーじゃん」
甘粕「あのなぁ…ここ半年、オレが休みの日はどーしてたかなんて、てめぇだってよーっく知ってるんじゃねーの?ずっと朝比奈と一緒にいるのに、いつオレが女とデートなんか出来るんだよ?」
大吾「………あ(赤面)」
甘粕「お前は…んなくだらねーコトで騒いでたのか(呆れ)」
大吾「くだらなくなんかねーっ!おれには…おれ…っ(俯き)」
甘粕「ふーん…そんなに気になるぐれー、オレのこと好きなんだ(ニヤニヤ)」
大吾「う…うぅ…(かああぁぁぁっ)」
甘粕「…好きじゃねーの?」
大吾「うううぅぅぅ〜〜〜」
甘粕「あっそ。じゃ、用がそれだけなら帰れよ。オレもう寝るし?」

ぎゅっ。

甘粕「…何だよバカ比奈(ちらっ)」
大吾「………好き」
甘粕「んで?どーして欲しいんだ?」
大吾「寝るなよ」
甘粕「起きてるだけでいーのか?」
大吾「おれのこと…かまって」
甘粕「かまってるじゃん」
大吾「そーゆーんじゃなくって…」

ちゅ。

甘粕「こーゆーこと?(ニヤ)」
大吾「もっと…」
甘粕「ん?」
大吾「もっといっぱい…かまって(赤面)」
甘粕「んじゃ、続きはベッドでな」


テクニシャン
ガチャン☆
パタパタパタパタ

大吾「あまかす〜!」
甘粕「部屋ん中で走るな!下に迷惑がかかるっ―――何だぁ、それ?」
大吾「うなぎーっっ!!」
甘粕「いや、うなぎは分かるけど…何で大吾が持ってるんだよ?」
大吾「今日ね、子供会で『うなぎ早つかみ大会』があって、おれ3位だったの〜♪(威張り)」
甘粕「へぇ、すげーじゃん。で、その商品がうなぎだったのか?」
大吾「そう!」
甘粕「…でも、そのうなぎどーすんだ?」
大吾「え?うなぎって言えば『うな重』でしょ??」
甘粕「その『うな重』を誰が作るんだよ(溜息)」
大吾「え?あれ??」
甘粕「あのな、大吾。普通の食事作るのとは訳が違うんだ。うなぎなんて捌くの大変なんだぞ?いくらオレだってうなぎはなぁ…」
大吾「そうだったの…あまかす料理上手だし、色んなモン作れるからうな重も大丈夫だと思って(しゅん…)」
甘粕「かと言って水槽でうなぎ飼う訳にはいかねーしなぁ(思案)」
大吾「…やっぱ返してくるよ。」
甘粕「うーん…あっ!そうだ(ぽむっ)」

ごそごそごそ…

大吾「あまかすー?どうしたの??(きょとん)」
甘粕「ん?ちょっとな。えーっと、確か番号入力してあったよなぁ」

ピッピッピッ☆

甘粕「お、あったあった!」
大吾「???」
甘粕「………あ、もしもし?甘粕だけど、おう!久しぶり…あ?ばぁか、バリバリ働いてるっつーの。ん?休みは平日で不規則だからなぁ…おう、そん時は連絡してくれよ。あ、それでお前に訊きたいことがあるんだけどよ。確かお前の叔父さんって、うなぎ屋やってたよな?鯨台の店だっけ…うん…あ、やってる?そんでさぁ、ちょーっと頼みがあるんだけどなぁ。ちょっとうなぎを貰ったんだけどよ、いくら何でも素人が捌ける訳ねーじゃん?そう、頼めるか?時間言ってくれれば今日持ってくけど…訊いといてくれる?そっか、助かるよ。うん、うん…分かった、じゃぁ連絡待ってるから」

ピッ☆

甘粕「これでオッケーと」
大吾「あまかす?」
甘粕「大吾、うな重食えるぞ」
大吾「えっ!?ほんと??」
甘粕「ああ、今高校の時のダチに連絡して捌くの頼めそうなんだよ。そいつの叔父さんがうなぎ屋でさ、今頼めるか訊いてくれるって」
大吾「やったぁ〜!うな重〜vvv」
甘粕「えーっと…4匹いるのか。じゃぁ、ちょうどいいな。おばさんとおばあさんの分もあるし」
大吾「え?いいの??」
甘粕「良いも何も…うなぎゲットしたのは大吾じゃねーか(苦笑)」
大吾「えへへ…うな重なんて滅多に食えないから喜ぶなぁ〜♪」
甘粕「親孝行できるじゃん、大吾」
大吾「え?そっかな?(照れ)」

PPPPPP♪

甘粕「お、来た来た」

ピッ☆

甘粕「もしもし?おう、どうだった?うん…そっか!うん…4時な?分かった。サンキュー!今度おごるよ、そんじゃまたな!」

ピッ☆

大吾「大丈夫だって?」
甘粕「ああ、4時に来てくれれば捌いて蒲焼きにしてくれるってさ」
大吾「わぁ〜い♪」
甘粕「そんじゃ、うなぎ弱らない様に水にでも入れておいた方がいいな(キョロ)」
大吾「何に入れるの?」
甘粕「とりあえず…洗面器にでも入れておくか。大吾、袋持って一緒に来いよ」
大吾「おっけ〜」

ジャーーーー
キュッ。

甘粕「…結構デカイな、うなぎ」
大吾「美味しそうだよね(涎)」
甘粕「んじゃ、こっちに移せよ」
大吾「うん!」

ざぱっ!
にょろん…

大吾「あっ!1匹脱走したーっ!!」

ガシッ!
にょろ…

大吾「うわっ!うわわわわっ!!(焦り)」
甘粕「ほらっ!早く洗面器に―――」

すぽんっ!

大吾「うひゃっ!!」
甘粕「大吾!?」
大吾「やっ…シャツの中!?ちょっ…うわ…ぁ…ぎゃははははっ!くすぐっ…ひゃはははは(ゴロゴロ)」
甘粕「おい、バカ!早くシャツ捲って出せって」
大吾「わ…わかって…ひいいぃぃ〜(ジタバタ)」

にょろん…

甘粕「………あっ!?」
大吾「うん?…やっ!?…なっ…うなぎっ…やぁっ…(ビクンッ)」
甘粕「………。(ゴクンッ)」←生唾
大吾「やんっ…あまかすぅ…どーにかっ…ああんっ…(悶え)」
甘粕「…うなぎプレー(ぼそっ)」
大吾「あ…ああああっっ!!」←?(笑)

パタッ☆
にょろ…

甘粕「…いいテクしてるじゃねーか、お前(感心)」
大吾「あまかす…何で助けてくれなかったんだよぉ(グッタリ)」
甘粕「いや、あんまりにも気持ちよさそうだったから」
大吾「ばかっ!(赤面)」
甘粕「分かった。助けなかったお詫びに、今度はオレのデッカイうなぎを喰わせてやろう」←オヤジ
大吾「あまかすのバカバカーーーっっ!!(涙)」


オトコの事情
大吾「なーなー、甘粕〜?」
甘粕「あぁ?何だよ」
大吾「甘粕ってさー…エロ本読んだコトってあんの?」
甘粕「………何だって?」
大吾「だからー、エロ本。読んだことあんのかなーって」
甘粕「てめぇ、オレを何だと思ってるんだ?(怒)」
大吾「だって、エロ本なんか必要ないって顔してるんだもん」
甘粕「どーいう顔だよ、そりゃ」
大吾「ん?そーゆー顔(指さし)」

ツカツカツカ
ガシッ!!
ずるずるずる〜

甘粕「…てめぇはこっから落とされてーらしいなぁ?(激怒)」
大吾「ぎゃーっ!嘘!冗談だってばーっ!!ここ!テメーんち10階だぞ!シャレになんねーっっ!!!」

ぽいっ。
ドサッ!!

甘粕「…次はケツ蹴って落としてやる」
大吾「ったく…ちょっとしたお茶目な疑問じゃねーかよぉ〜」
甘粕「デカイ図体して子供みてぇなコト言ってんじゃねー」
大吾「だって、なんとなく思ったからさ」
甘粕「オレだってなぁ、幼気な青少年時代があったんだぞ?最初っから今みてぇな訳ねーだろっ!」
大吾「やー、甘粕だったら最初っから…」
甘粕「…訓練と違ってココには網なんか張ってねーぞ(怒)」
大吾「ボケただけじゃんっ!マジに取るなよぉ(怯え)」
甘粕「次はねーと思え(脅)」
大吾「ふ、ふーん…んじゃ、甘粕でも読んだことあるんだ。やっぱベッドの下とかに隠したりした?」
甘粕「んな分かりやすいところに隠すのなんかバカのやることだろ?」
大吾「…バカで悪かったなっ!」
甘粕「しかも、未だに隠してやがるしな(ニヤッ)」
大吾「なっ!何でそんなこと知ってるんだよ!?(赤面)」
甘粕「…はぁ?マジかよ、お前(呆れ)」
大吾「はっ!甘公ひっかけたなーっ!!」
甘粕「自分から勝手にバラしたんだろ?バカ比奈」
大吾「べっ…別に昔のヤツをそのまま置いてあるだけだっ!捨てるにしてもバレたらカッコ悪ぃし」
甘粕「そんなの夜中にコッソリ捨てりゃいーだろ?」
大吾「おれんちの近所はゴミ出しチェックしてるオバチャンがいるんだよ」
甘粕「んじゃそのままでいーんじゃねーの?朝比奈クンご愛用なんだしな〜」
大吾「だからっ!今は全然使ってねーって!!(ムキ)」
甘粕「別に恥ずかしがることねーじゃん。単なる生理現象だろ?それこそ仮眠室でおっ勃てて寝る方がカッコ悪いっての(あっさり)」
大吾「もうっ!しつこいなぁ〜!だから、今はそんなモン無くても…」
甘粕「そんなモン無くても?ほぅ…そんじゃ最近、朝比奈クンのオカズは何な訳?(ニヤリ)」
大吾「あっ!(真っ赤)」←バカ
甘粕「ほれほれ、言ってみろ、ん?」
大吾「うっ…ううううぅぅ〜(睨み)」
甘粕「なーにカワイイ顔してんだよ?どーせならオレも参考にしようと思ってるだけじゃん♪」←確信犯
大吾「なんも考えてないっ!」
甘粕「嘘付け。てめぇで擦ってるだけじゃいっつもイケねーって泣いてお強請りするヤツが」
大吾「なっなななな…なに言ってんだよっ!(叫)」
甘粕「あー、うるせー。今もアレん時も声がでけぇんだよ、お前は」
大吾「そんなの…言わなくたって…(ぐすっ)」
甘粕「お、おい…泣かなくったっていーだろ(焦り)」
大吾「お前が意地悪ぃことばっか言うからっ」
甘粕「朝比奈が顔真っ赤にしてカワイイ反応するからつい…悪ぃ(ぎゅっ)」
大吾「…んなんじゃダマされねーもん(拗ね)」
甘粕「で?朝比奈の現在のオカズはコレと(ぎゅっ)」←?
大吾「あっ…いきな…やぁ…っ(悶)」
甘粕「じゃぁ、からかったお詫びに、朝比奈クンへ新しいオカズを提供してやろう♪」←最初っからソノ気
大吾「んじゃ…甘粕の…は?」
甘粕「んー?オレはお前のイク時の顔だけで十分」
大吾「…お手軽」
甘粕「うるせー」