哀愁のアフターヴァレンタイン



部下A「ん?(クンクン)」
部下B「…どーかしたのかよ?」
部下A「何か…匂わねーか?(クンクンクン)」
部下C「そう言えば…何か甘い匂いするな?(クンクンクンクン)」
部下A「だろ?菓子っつーか…」
部下B「どこから匂ってるんだ?」

ぷわわわ〜ん…。

部下C「あっちの宿舎から匂ってくるな」
部下A「にしたって、何で宿舎から菓子の匂いなんかするんだ?(首傾げ)」
部下B「大将が何か作ってるんじゃねーの?」
部下C「大将の宿舎は逆だろ?何だろーなぁ…コレ…ケーキとか焼いてるような匂いと違うし」
部下A「…何で区別つくんだよ?」
部下C「え?たまーに彼女が遊びに来て作ったりしてるから♪」
部下B「テメッ!惚気かよっ!!(べしべし☆)」
部下C「イテーよっ!焼くな焼くな〜アッハッハッ!」
部下A「うーん…確かにオーブンで菓子焼いてる匂いじゃねーよな?(うんうん)」
部下B「…何でお前まで分かんの?」
部下A「あ?カミさんが子供達にしょっちゅうオヤツ作ってるから、それぐらい分かるよ」
部下B「どーせ…俺だけ…彼女も奥さんもいねぇよーだ(いじいじ)」
部下C「いじけんなって!(ポンポン☆)」
部下A「アッチの宿舎方面から匂ってくるってことは…しかも結構遠くないだろ?匂い強いし」
部下C「アッチの宿舎で菓子の匂い…一番近くの部屋って言えば(思案)」
部下B「元帥の部屋っ!」
部下A「え?元帥また通販しちゃったのかっ!?」
部下C「いや…違うな。元帥のノートパソコンは大将が没収しちゃってるし」
部下B「そう言えばさぁ…最近元帥お見かけしたか?」
部下A「そう言えば…」
部下C「確かヴァレンタインデーの日は公休だったよな?元帥と大将」
部下B「俺らがお会いしたのはその前日だろ?それから誰か元帥お見かけしたか?」
部下A「いや…俺はお会いしてない」
部下C「俺も…全然」
部下B「大将は公休の翌日いつもどおりに出てきたよな?」
部下A「あぁ。そう言えば大将が…(回想)」
部下C「なになに?大将に何かあったのかよっ!」
部下A「いや…大将じゃなくって。結構決裁書類が回ってきてたんだけど、大将が『天蓬の書類は全部俺に回して?アイツ今チョー忙しいから♪』っておっしゃって…」
部下B「元帥が?」
部下C「お忙しいって?」
部下B「じゃぁ、自室の方で籠もって仕事されてるってこと?」
部下A「さすがに俺だって詳しくは聞いてねーよ」
部下B「何だよぉ〜っ!」
部下C「それ、3日前の話だろ?じゃぁ元帥って今も宿舎の自室にいらっしゃるんだよな?」
部下A「その方面からこの甘い匂い…」

ぞぞぞぞぞっ!

部下B「なっ…なななな何かヤな予感がするっ!」
部下C「おっ…俺もっ!元帥に何か遭ったんじゃっ!?」
部下A「とりあえず…様子窺ってきた方がいい…よな?」

スタスタスタ…ピタ☆

部下C「うわっ!何だぁっ!このクソ甘ったるい匂いっ!?」
部下A「何をどうしたらこんな匂いすんだよっ!?」
部下B「コレってさ…チョコじゃねーか?」
部下C「はぁ?チョコぉ??チョコがこんな強烈な匂いするもんかぁ??(驚愕)」
部下A「うっ…段々匂いがキツクなってきた…っ!」

スタスタスタ…ピタ☆

部下B「あれ?元帥の部屋じゃねーか?」
部下A「扉が…少し開いたままになってるぞ?」
部下C「いや?何か…扉に挟まってねーか?」
部下A「確認した方がいいなっ!」

タッタッタッタッ…ピタッ☆

部下B「あれ…って、ヒト?」
部下A「白衣…って、おいっ!?(焦り)」
部下C「元帥じゃねーかっ!元帥がお倒れになってるんだって!!(慌て)」

ダダダダダダダーッッ!!

部下A「元帥っ!元帥っ!如何なされましたかっ!?」
部下B「しっかりなさってくださいっ!元帥っ!!」
部下C「うわっ!何コレ…っ!元帥…チョコ臭っ!?(驚)」
部下A「とりあえず呼吸を…元帥っ!聞こえますかっ!元帥っ!!」
部下B「体勢を仰向けにした方がいいんじゃねーかっ!?」
部下C「元帥失礼しますっ!身体を返しますからねっ!」

ごろ〜ん。

部下A「ーーーーーっっ!?」
部下B「ーーーーーっっ!?」
部下C「ひいいいいぃぃーーーっっ!?元帥っ!元帥の顔がっ!土気色に変色してっ!?」

ぷわわわ〜ん…。

部下A「…チョット待て(クンクン)」
部下B「何冷静になってんだよっ!早く医務室へ運ばねーとっ!元帥白目剥いちゃってるじゃねーかよ〜っ!」
部下C「あれ?コレって…もしかして?」

ピチョリ。
ペロッ。

部下C「甘い…チョコだ」
部下A「あ?やっぱりそうか?」
部下B「は?チョコって!?」
部下A「何で元帥チョコまみれなんだろう?(首傾げ)」
部下C「口からもチョコ噴いてるな?(観察)」
部下B「そうじゃなくって!とにかく元帥を医務室に運ばないとマズイだろーがっっ!!(怒鳴り)」
部下C「あっ!そうだなっ!」
部下A「じゃぁ俺らで元帥運ぶから、お前大将に知らせてきてっ!」
部下B「分かったっ!!」



…こうして天蓬は捲簾からの愛のショコラフランボワーズを食べたい一心で、通販したチョコを三日三晩食べ続けてましたとさ。



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