Erogramer /新名一澄さんより強奪…いえいえお祝い頂きました。

本日の宿泊先は小さな町。
それでも宿では一人一部屋確保できて、一行に安眠が約束された。

コンコン☆

部屋で寛ぐ悟浄の元へ、礼儀正しいノックの音。
「八戒?」
ドアに向いてベッドに座っていた悟浄は、そのままの姿勢で声を掛け、入室を促す。
ドアが開いて現れたのは予想通り八戒で、
「よくわかりましたね?」
微笑みながら室内に足を踏み入れた。
「あ?だって、サルはノックなんかしねぇし、三蔵がわざわざ自分から来る訳ねぇし、あと、お前しかいねぇじゃん」
当たり前のように笑う悟浄に
「宿の人かもしれないじゃないですか?」
八戒も笑顔で答える。
「ん?そーね?でもノックひとつでもお前だってちゃんと判っちゃう訳よ、オレ様は」
キシシと笑って「さすがオレ!スゴイ」と自画自賛の悟浄に、なぜか八戒は表情を固めて立ち尽くす。
「?…どした?」
その様子を不審に思った悟浄が声を掛けると
「悟浄…あなたって人は…もう…」
八戒は俯いて身体を震わせ、次の瞬間
「もうっ本っ当ーに可愛い人ですねーッ!」
両手を広げてベッドの悟浄にダイブしてきた。
「どわっ!!」
自分と大して変わらない体格の人間に思いきり飛びつかれた悟浄の体は、
当然ながらそのまま後ろに転がる。
ベッドの上に、八戒に抱きつかれたまま倒れ込んだ悟浄は
「なんだよ、急にっ!」
事態が把握できず、天井を見たまま驚きの声を上げた。
「あぁもう…悟浄…」
そんな悟浄に構うことなく胸元に頬擦りする八戒。
「今すぐ犯したい…」
胸元でグリグリと頬だの額だのを擦り付けながら囁かれた物騒なセリフに
「はぁっ!!何言ってんだよ!オイ、ちょっと…っ!」
両手ごと抱きしめられている体勢のまま、ジタバタと悟浄は暴れる。
「ちょっ…離れろって!コラーッ」
「フフ…そんなに赤くなって…かわいいですね…」
「リキんでっからだよ!アホ!」
「ノックだけで僕が判るだなんて…そんなに僕に夢中なんですね…」
「ノックにも癖があるんだって!バカ!」
「ホントに悟浄は可愛い…」
人の話など全く聞かず、悟浄をガッチリ押え込んだままウットリ溜息を吐く八戒に
「誰か助けてくれーっ!」
虚しく叫んだ悟浄だった。

一澄さん、ありがとう…八戒さんの姿に一澄さんの生き霊がダブッて見えます(爆笑)。