=ナチ党の結成=
昭和という時代は、一言で語れない複雑な時代でした。
戦争と負の遺産と高度成長、革命時代と宇宙への第一歩の夢。
1989年、昭和が終わった年、ベルリンの壁崩壊。
その翌年には東西ドイツが統一され、ベルリンの壁に続いて、日本ではバブル崩壊が始まった。
ロシアではゴルバチョフ大統領からエリツィン大統領が就任する。
世界中がものすごい勢いで変わり続けようとする強い勢いの中で、
何もかもがスリリングなジェットコースターにぶんぶんと振り回されるように、
風のように過ぎ去ったあの時代、私の部屋に初めてオフコンが入る。
資本主義に飲み込まれるように共産主義がどんどん崩壊するさまは、
まるでこれから世界中が1つになるかのような幻想を抱かせた。
・・・それらは、たった10数年前の出来事でした。
あれから時を経た21世紀現在、
私たちの住む世界はひとつになるなんて幻想もむなしく、
相変わらず、激動の中に取り残されています。
世界中の多くの国には既に資本が投入され、町並みばかりでなく、社会システムも何もかも変わりつつあります。
=ユダヤ人迫害の始まり・・・ゲットーへ=
社会主義って何?
前世紀の遺物となりつつある「社会主義」
私は、この社会システムにものすごく興味を持っていました。
何故って、答えは単純に、
私は資本主義の社会しか知らないから。
その中でも、特に、社会主義国が資本主義国にシフトする過程にとても興味があって。
社会主義の世界に、唐突に資本が流入したら、どのように変わるのか。
豊かな社会とは何か。そんなことにとても興味があって、
成人する少し前頃から、いつか東欧各国がある程度安定したら、
じっくりと1ヶ月くらい時間をかけてその町並みとそこに住む人々の姿を見に行きたいと思っていた。
けれど、20代前半の頃の私は相変わらず仕事も忙しくて、とても長期の休みなんて取れないし、
それどころか、夏休みもGWも休出してたから2,3日しか休めなかったのも事実。
入院を機に、多忙な業務から少し時間のとれる業務にシフトしてもらい、やっとで旅行にも行けるようになったのが3年前です。
そんな中、この社会主義をめぐる旅を実現させようと、なんとなくチャンスをうかがっていたのが昨年のGW。
1ヶ月はとてもいけなくてせいぜい10日が限界。こればかりは妥協するしかないよねー。
しかも、EURは初めてで、東欧となると簡単には行きづらい。
そんなワケで私の初めてのEURは、かなり弱気ですが昨年のイタリアです。
イタリアで、なんとな〜くEUR旅の感覚をつかんで、ちょっと自信がついた私は
今年こそは、旧共産圏の国と、ずーっと好きだった「モルダウ」の故郷、ボヘミア地方を訪れようと思いました。
最初はオーストリアやハンガリーを考えていたのだけど、
そんな考えが漠然と浮かんだ頃、出会ってしまった映画があります。
「The Pianist」
実は、この映画・・・劇場で2回も見てしまいました。
そのときに、一緒に見に行った人に教えてもらった「シンドラーのリスト」を、その後すぐに鑑賞しました。
(実はこの映画、スピルバーグ監督というので、SFかなんかだと思って興味を示さなかったんだよね〜)
そういえば、東欧。
アンネの日記にも代表される、ナチスのホロコーストの舞台。
アウシュビッツもあるんだっけ・・・
=東方への強制移住=
私は実は、ユダヤ関係にも数年前からずっと興味を持っていたのです。
宗教やイスラエルの問題、ユダヤ系財閥とか。漠然とね。
八坂神社や伊勢神宮の話、名古屋ヒルトンの「実は」な話からユダヤに興味を持ちました。
トンデモ話かもしれないけど、人間の知的好奇心なんて、たいがい「トンデモ」から興味が沸くもんじゃないかな〜
同様に、日露戦争から始まった一連の戦争、そして戦後の時代にも、なぜかとっても興味があるのです。
こう書いてしまうと、すっごいマニアでヤバイような感じですが、基本的に私はマニアではありません・・・。
知らないことも多いし。
世の中の人々が芸能人やTV番組に興味を示すのと同じような次元で、
私は社会科学や歴史に興味を示しているだけということで・・・まぁ異常なのは認めてます。
言い訳が長くなりましたが、
この映画を見た後、ユダヤ人、ヒトラー、そしてヒムラーによるホロコーストに関して文献を探しまくり
たくさんの本を読んだ挙句、たまらなくあのホロコーストの時代と土地を検証してみたくなってしまったのです。
そんなわけで、私は早速行き先を変更。
しかし、どうあがいても短期しか行けないので、中欧3カ国に絞ることにしました。
うち2カ国は歴史における知的好奇心の満足のために。
そして、うち1カ国は、ずっと憧れていたボヘミア地方のモルダウの河を眺めるために。
=人間の選別=
で、早速旅の計画開始です。
とりあえずは2月の時点で、キャセイ・パシフィック航空(CX)でドイツのフランクフルトまでを予約。
その時点では、まだ予約が確定していなかったので、予約のFixできたシンガポール航空(SQ)を押さえで確保。
まぁ、とりあえずはまた南回りですが、いいのです。
まず第一に、直行便より安いし。それに南回りのいい点は、EUR着が早朝になること。
基本的にEURでは宿未定適当旅が一番心地良いと私の中では思っているので(笑)
夜行便でEUR入りするよりも気持ちと行動に余裕ができる早朝着便はメリットが大きいため、体力がある限りは南回りをしようと思ってます!
しかし、3月も半ば。雲行きが怪しい・・・。
中華圏内で、謎の新型肺炎が流行しているそう・・・。
今では、すっかり有名になってしまった「SARS」が出現しました。
その頃は既にCXの予約も完全にFixしており、今回はCX午後便で行くため行き帰り合わせて4時間も香港に滞在しないから大丈夫か?思っていたのですが、肺炎の感染者は激しく広がりを見せ、香港の空港では毎日のようにフライトキャンセルが出る始末。
確かに予定通り飛行機が飛べば4時間足らずのトランジットで済むけど、飛ばない場合香港で置き去り・・・。
あまりの潜伏期間の長さに、国内へ病気を持ち込む恐れ、そして周囲への心理的影響も考慮した上で他の行程を考えました。
あ、もちろん、中欧へ行くことは私の中で確定していたので、旅行を取りやめることは考えてなかった。(笑)
しかし、名古屋発なので、ルフトハンザドイツ空港(LH)、マレーシア航空(MH)、タイ国際航空(TG)の選択肢しかありませんでした。
(あ、細かく言えば成田経由JALとかチャイナとか大韓とかアシアナもあるけど、そのへんに乗る気は最初からない(笑))
LHは直行便で楽だけど、こんな急な(出発2週間ちょい前)変更は満席だろうし夜着なのがネック。
MHはいろいろな意味でヤバそうなことと、必ずKLIAで一泊しなければならないのがまたネック。
TGは私の中ではまぁまぁ気に入ってるエアラインだし、タイは収束に向かっているだろうということで、TGか?
タイはSARSも収まりかけてるけど、マレーでは感染者も出始めて、増えるかどうか現時点未知数・・・
本当はTGの午後便があったのだけど、JALのDC-10なので(笑) 午前便のTG機体でブッキング。
絶対無理かと思ったらあっさり取れてしまった・・・。
本当にこのGWは海外旅行を控える方でイッパイだったのね〜!
ちなみに、私の出発日のLHはフライトキャンセルになってました・・・。
=塀の中=
で、トーマスクック(ヨーロッパ鉄道時刻表)を購入して、国内ルーチング開始。
フランクフルトを拠点に、どう回るかを考えながら、鉄道メインの移動をしようかな〜と考えていたんだけど、
ドイツの鉄道時刻表を見てビックリ〜!フランクフルトからベルリンまでの片道が1万5千円近くしてます。
往復3万円も出して片道7時間じゃ〜ちょっとやってらんないでしょ!
ということで、とりあえず近距離フライト探しを・・・。
TGの路線を調べてみたら、BKK発の私の予定TG機は、実はLHとまったく同じ時間に出発・到着するLHのコードシェア便があり(同じ機体かもしんないけど私のTGコードは3桁だったからよくわからない)、その後LH機体のコードシェア便でベルリンまで接続している様子。
乗り継ぎ時間は55分。バッチリじゃーん!と、私の購入した航空券にベルリンまでのフライトを追加でつけてもらえないかお願いしたのだけど・・・なんでも、規則が変わったかなんか知らないけど、この航空券クラスでは追加はダメ、らしい・・・?(ちなみにHです)
追加はTGとLHのコードシェアであっても、TG機体便でなければ接続できないそうだ・・・。
正直いって、私は航空マニアではないので深いところまでは理解できない。
しかし、とにかく区間を付けることはできないということで、代理店の鳥居様(大変有能です!!)に泣きついたところ、
なんと、LHの単独運賃で安い値段のものを購入できることになりました!
ベルリン〜フランクフルト間の単純往復ですが、でも本当に列車移動の手間と金額を考えると・・・本当に感謝。
も〜う、最高!!鳥居様、本当にいつもいつもありがとうございます。
(私が海外に行けるのは、いつも鳥居様のおかげ。。。)
しかし、ここで重要な点に気づいた・・・。
ワタクシのTG+LHの合計額は、既にLH直行便の値段になっていました。(爆)
おいおい、LHだったらプラハでもワルシャワでも直行で行けたじゃん!オープンジョーもできたじゃん!
・・・と悔やんでも後の祭。
はい、私がしっかり下調べしてなかったからいけないんです〜・・・とほほっ。
=かなりオススメ代理店〜名古屋・成田発扱ってます〜=
しかし、ここでまた問題が勃発。
フランクフルトでの乗り継ぎ時間が55分だったため、購入拒否されてしまったのです。
そう・・・いわゆるMCT割れ、というヤツ。
LHもTGもスターアライアンスだから、ハンドリングも乗り継ぎは悪くないと思ったのだけど、
なぜかスターアライアンスの中で、TGは差別されているらしい・・・。
INT'LがLHやNH(全日空)ならば55分の乗り継ぎでもOKだけど、TGだとダメです、という明らかな差別。
というか、コードシェア便ですよ?(たぶん)
同じ飛行機に乗っているというのに、チケットがLHというコードだったら乗り継ぎOKなのに、
チケットがTGというコードだったら乗り継ぎ不可能って、そんなんアリ!?
まぁ文句をいっても仕方がないので、あきらめて便を遅らせました。
(大丈夫、大丈夫・・・便を遅らしても電車で行くより4時間も早くつくよ!と言い聞かせながら〜笑)
なんとかやっとでルーティングが完了したのが出発の1週間前。
大丈夫か?いつものことながら!?
ま、そんなわけで、最後の問題は「SARS対策」と「仕事対策」。
出発の4日前に熱出して寝込んでいたのは私です〜。
というわけで、SARSのウイルスに有効な消毒薬の種類を調べ、アルコール系が良いという結論を出した。
(今だから言うけど、マスコミさん。ウイルスに効果ある消毒の種類くらい早いうちから告知してください!)
それ以前に、まずは基本の手洗い、うがいなので、薬用ハンドソープを購入。(ボトルに詰め替えた)
そして、ヨウ素も効果があるということで、イソジンガーグルを購入。
最後に、消毒用エタノールを購入し、スプレーに詰め替えた。(容器が溶けるかどうか調査必要)
マスクは花粉症用をゲット。目薬も持った。
そしてそして、リポビタンゴールドを購入。
そして、仕事をフルスピードで5月半ばの分まで完璧に仕上げて泥のように眠った・・・。
はぁ〜〜〜、今回の旅の準備は鬼のように疲れました・・・。
今回の旅の行程
ベルリン(ドイツ)
↓
クラクフ(ポーランド)
↓
オシヴィエンチム(ポーランド)
↓
プラハ(チェコ)
↓
ドレスデン(ドイツ)
↓
ベルリン(ドイツ)
=== Route ===
Pink : Air
Yerrow : Night Train
Blue : Bus
Green : ICE(Rapid Train)
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