♪♪ 415通信 13号 ♪♪
1997年2月1日発行


【第12回演奏会にむけて】

 昨年12月15日の第11回演奏会、12月24日のカトリック教会深夜ミサ、今年1月12日の芳田公民館新春コンサートと続いた演奏会シーズンも一段落しました。他の合唱団に参加されている方々も、それぞれの演奏会を終えてほっとされて(祭りが終わって何となく空白感を味わって)おられることと思います。 2月に入っていよいよ今年度の活動が始まろうとしています。
 2月に入っていよいよ今年度の活動が始まろうとしています。合唱の方は2月23日から、器楽の方は3月2日から練習再開です。それに先立って1月26日に第12回演奏会の選曲のためのパートリーダー会議が行なわれました。各パートリーダーから真摯で率直な(それぞれの想いを込めた希望)が出され、遅くまで活発な議論がたたかわされました。その結果、今年度の演奏曲目が次のように決まりました。

第1ステージ ヴィクトリア 聖週間聖務曲集より 聖木曜日のためのレスポンソリウム(6曲) 
第2ステージ 器楽曲集 詳細未定(決まり次第発表します)
第3ステージ バッハ カンタータ第12番 泣き、嘆き、憂い、おののき

 第1ステージについては、何人かの方からご希望のあったヴィクトリアですんなり一致しました。曲目については、ミサをやらないのは淋しいとの意見もありましたが、レクィエム(6声)と聖週間聖務曲集のレスポンソリウムの2曲が候補になりました。レクィエムにこだわる(確かに名曲です)人もありましたが、結局まだ6声(SSATTB)は無理とのことで後者に決まりました。聖週間とは復活祭前の一週間のことでキリストがエルサレムに入城してから埋葬されるまでの一週間にあたります。このうち聖木曜日はユダの裏切りとキリストの逮捕の日に当たります。レスポンソリウム、時に「応唱」とも訳される聖歌の歴史は古く、中世初期にさかのぼります。当初においては『旧約聖書』中の「詩篇」を朗誦するためのもので、先唱者に合唱が応答する形をとっていました。その後、レスポンソリウムは聖務日課(時間を定められた教会内のお勤め)のさいに行なわれる聖書その他の朗読(レクツィオ)のあと、その内容に対し信徒たちが感謝と感動を込めて応えるという意味合いを持つ、決まった聖歌の一型をさすようになりました。そのテキストはすでに「詩篇」とは限られず、おおむね聖書にちなんだ範囲で、いろいろなものが現れています。ヴィクトリアの聖週間レスポンソリウムは聖書の言葉をテキストとしており、レクィエム(6声)とならんで彼の最高の傑作とされ、1585年にローマで《聖週間聖務曲集》という名前で出版された。そこにはレスポンソリウムの他に《エレミアの哀歌》からの9つのレクツィオ、イムヌス、モテトゥス、インプロペリア、2篇の受難曲(ヨハネ伝、マタイ伝)ほか、枝の主日(聖週間の初めの日曜日)から聖土曜日までの音楽が収められています。

 第3ステージはバッハで行こうという点に関してはまったく異論がありませんでしたが、曲目については随分もめました。指揮者からの候補曲はカンタータ第12番、22+23番、6番でした。22+23番はソプラノとアルトのデュエットがあるということで早い段階で脱落しました。12番と6番では精神的な内容の高さの難しさを取るか(高める練習をするか)、比較的平易な(そうでもないとの意見も多かったのではありますが)曲を取るかで、最後は帰る人が立ってからまで議論が長引きました。果ては、急遽150番まで候補に登るなどしましたが、いま訓練しておかないといつまで経っても出来ないだろうと言う意見と、指揮者が希望するならという意見に押されて、12番に決まりました。カンタータ12番はバッハのヴァイマール時代の1714年4月22日の復活祭後第3(ユビラーテ)日曜日に、楽師長昇進後の第2作として初演それた作品です。S.フランクの歌詞による室内楽的な規模のカンタータです。曲は、オーボエの主奏する嘆きのシンフォニアに始まる。続いて起こるヘ短調の沈痛な合唱曲は、晩年に「ミサ曲ロ短調」の「十字架につけられ」に転用されて有名なもの。「ラメント・バス」(嘆きの低音)を反復するシャコンヌ形式に沿って進められる。しかし、心はキリストの受難を思いやることによって、慰めへの足掛かりを得る(アルトのアリア)。こうして変ホ長調のアリアに入ると雰囲気は一変し、バスは明るい上行音形(終曲のコラールに関連する)に乗せて、キリストに従う決意を歌う。続くテノールのアリアでは、<イエスは我が喜び>のコラール旋律が、トランペット(初演ではオーボエだったらしいので、諸般の事情も含めて今回はオーボエ)に聞かれる。この内容は、また解説しますが、当日の使徒書簡の章句(ペテロへの第一の手紙、2.11〜20:人の立てた制度に従い、苦しみ忍べ)ならびに福音書章句(ヨハネ伝16.16〜23:イエスの別れの言葉:汝らの憂い喜びに変わる)の内容を反映したものである。

 このほかパートリーダー会議で話し合われたことは、今年は一昨年のようにパート練習をしようと言うことです。通常の練習と別に行うとこも可能であれば行いたいところですが、一昨年と同じように練習の前半を男声・女声に分かれてパート練習をするという形を取ることにしようと言うことになりました。
 今年一年、このような形で練習を進めていくことになります。皆様お忙しいこととは思いますが、各種ご予定の中でのOPEの優先順位を一つでもあげていただいて、極力練習に参加していただくようお願いいたします。メンバーが揃えば練習もはかどり、最終的には後半の練習日を増やさなくてよ良いことにつながり、あとで楽が出来ることになります。

【2.3月の練習計画】

 今年の練習も、少なくとも8月末までは第2、4日曜日(合唱のみ)です。器楽についてはそれ以外の月一回の日曜日です。今から手帳にご記入下さい。当面の練習計画は次の通りです。なお、発声練習の時間を少し長めに取ろうかと考えています。

2月23日 芳田公民館 合唱:13:00〜17:00 ヴィクトリア:第1曲
バッハ:コラール
3月2日 蔭涼寺 器楽:13:00〜17:00 曲目相談ほか
3月9日 芳田公民館 合唱:13:00〜17:00 ヴィクトリア:第2曲
バッハ:第1曲前半
3月23日 芳田公民館 合唱:13:00〜17:30 ヴィクトリア:第3曲
バッハ:第1曲後半

 駅西口のお迎えは、12時40分です。ご希望の方はお越し下さい。

【編集後記】

 1997年最初の415通信をお届けします。第12回演奏会の曲目も決まりいよいよ演奏会に向けて活動開始です。今号は楽譜ご送付の付け書的意味もあり変則の2ページでご勘弁下さい。
 第12回演奏会は11月末頃(出来れば23か24日)を考えていますが、前回お世話になった文化センターの神崎課長さんが転勤となってしまい便宜がはかってもらえるかどうか定かではありません。詳細が決まるまでもう少しお待ち下さい。でも、これがダメになるとまたジプシーです!
 ニュースを一つ。1月19日にちょらす(川崎医療福祉大混声合唱団)の定期演奏会がありました。その時のプログラムに、女声合唱組曲の「空飛ぶうさぎ」という曲がありました。障害者の方々の短い詩に曲を付けたものでポニージャックスの方々が歌っているものだそうです。この曲が26日の山陽新聞朝刊の”滴一滴”の欄に紹介されています。ちょらすの演奏会で聞いたとありました。あのような小さな(失礼)演奏会でも、誰かが聞いてくれて誰かに感動を与えることが出来るのは、合唱の強さ・多くの人が声を合わせて訴えかける強さではないでしょうか。私も感動した一曲で、ちょらすさんらしさの出た、本当に素晴らしい選曲と合唱でした。微力ながらお手伝いしている者の一人として大変嬉しく思いました。OPEやクリコや来年の悪魔の飽食もしっかり励まなければ・・・!(蛙)


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2002/01/20 10:45