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THE WHO / ザ・フー

「高木ブーがいないなんて言うなよ」
                松田   裕之

断言しよう「ザ・フーはドリフターズである」

もちろんピートはいかりや長介だ。ロジャーは加藤茶だし、末期のキースは荒井注そっくり。顔は似てないがジョンと仲本工事は職人的ポジションが同じだ。私の仲間内ではビデオ「キッズ・アー・オールライト」のことは「8時だよ全員集合!」で通っているし、マイ・ジェネレーションのイントロを聴くと「どん、どん、ドリフの大爆笑♪」と歌い出す奴までいる。

メンバーに結構情けない理由の逮捕者が出たり、キース(荒井注)が一番最初に死んだりと共通点は多々あるが、両者とも極悪非道の限りを尽くすパフォーマンス(ライブあるいはテレビで)が素晴らしい。大きな差異はドリフの方が最後に「歯を磨けよ!」「勉強しろよ!」などと感情はこもってないが一応まっとうな決め台詞で大円団となることだ。フーは最後の最後までドラムは蹴飛ばすわ、ギターは放り投げるわ、マイクはグルグル回すわ、ジョンは逃げるわで、終わりがないサバトというか、救いがないわけですな。これが日本でセールス的に大失敗に終わった最大の理由ではないかと疑っておる。日本は仏教の国ですから救いがないとね。水戸黄門でも観て、もう少し研究の余地が有ったのではないかと惜しまれますな。

サイケ全盛時に格好だけサイケで、その極悪非道ぶりは変わらなかったフーというバンドはロックとはなんたるかを熟知していたバンドだと思う。客なんか聞いちゃいない。爆音でバーンと鳴らしときゃいいんだよと言い放つ。初期衝動、衝撃、ムーブメント、ファッション・・・ロックの重要な要素を一通りやり尽くした後、フーは必然的に無くなった。パンクだとか次の世代に遺伝子を残しつつ。その時ピートは言っただろう「次いってみよう!」と。


     ・シングル「恋のピンチヒッター / Substitute」
     ピンクレディーの曲ではないし、もちろん阿久悠作詞でもない。   

     ・ビデオ「キッズ・アー・オールライト / The Kids Are Alright」
     ロックってなんぞや?てことが全て分かる。



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The Who 「The Who By Numbers」



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