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続続・芦原さんは言いました

「芦原さん、ひでぇ…」
 まだ、進藤ヒカルは言っていた。
 緒方と一緒にうっかり入った居酒屋で――あの人がビールに焼きイカのタイプだとは思わなかった――芦原達は、ヒカルや緒方を肴に酒を飲んでいたのだった。
「大体、ボクが女の子だなんてひどいよ」
 話を聞かされた塔矢アキラも、横でふくれていた。
「スマンスマン、でも面白いネタだったからつい遊んじゃってさァ」
 頭を掻くと芦原は、全く悪びれない。
「これで進藤が女の子の話だったら、すぐに終わっちまうんだぜ」
いきなり話を振られ、
「なんで?」
とりあえずヒカルが問い返してみると、
「だってさァ、オマエが女の子で、アキラと出会うだろ。運動の得意な元気少女が、碁にしか興味のない男の子にコクられたって、すぐ振っちゃうだけだもんなァ。かわいそうだけどアキラ、見込みないよ」
 さすがに“友人”、芦原は容赦ない。アキラは半ば沈んでいた。
「進藤が女の子だったら、ボクは相手にもされないのか」
「うん、まずムリだろ。何かない限り」
「そんなことねぇよ!オレ、オマエの打つ姿、好きだもん!一目見たら惚れるぜ!」
 ガタッと、どこかで物音がしたような気がするが…?誰も気にしなかった。
「そうか?」
「おう!だから打とうぜ!」
 いそいそと二人が碁筍を開けてしまったので、芦原は二人の会話のビミョーな問題にそれ以上突っ込みは入れなかった。
 ま、碁に惚れるのもアキラに惚れるのも、進藤には同じことなんだろう。
 そう受け止め、席を立とうとして気付いた。
「アレ、和谷くん。なんでそんなとこで正座してんの?」
 椅子と椅子の間で固まっていた和谷は、意味もなくコクコクと首を振った。
「ヒマなら、オレと一局打とうぜ」
 災いを振りまいて歩きながら、今日も芦原は、にこにこと笑っていたのだった。
─ fin. ─■■

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