| ■続続・芦原さんは言いました | |
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「芦原さん、ひでぇ…」 まだ、進藤ヒカルは言っていた。 緒方と一緒にうっかり入った居酒屋で――あの人がビールに焼きイカのタイプだとは思わなかった――芦原達は、ヒカルや緒方を肴に酒を飲んでいたのだった。 「大体、ボクが女の子だなんてひどいよ」 話を聞かされた塔矢アキラも、横でふくれていた。 「スマンスマン、でも面白いネタだったからつい遊んじゃってさァ」 頭を掻くと芦原は、全く悪びれない。 「これで進藤が女の子の話だったら、すぐに終わっちまうんだぜ」 いきなり話を振られ、 「なんで?」 とりあえずヒカルが問い返してみると、 「だってさァ、オマエが女の子で、アキラと出会うだろ。運動の得意な元気少女が、碁にしか興味のない男の子にコクられたって、すぐ振っちゃうだけだもんなァ。かわいそうだけどアキラ、見込みないよ」 さすがに“友人”、芦原は容赦ない。アキラは半ば沈んでいた。 「進藤が女の子だったら、ボクは相手にもされないのか」 「うん、まずムリだろ。何かない限り」 「そんなことねぇよ!オレ、オマエの打つ姿、好きだもん!一目見たら惚れるぜ!」 ガタッと、どこかで物音がしたような気がするが…?誰も気にしなかった。 「そうか?」 「おう!だから打とうぜ!」 いそいそと二人が碁筍を開けてしまったので、芦原は二人の会話のビミョーな問題にそれ以上突っ込みは入れなかった。 ま、碁に惚れるのもアキラに惚れるのも、進藤には同じことなんだろう。 そう受け止め、席を立とうとして気付いた。 「アレ、和谷くん。なんでそんなとこで正座してんの?」 椅子と椅子の間で固まっていた和谷は、意味もなくコクコクと首を振った。 「ヒマなら、オレと一局打とうぜ」 災いを振りまいて歩きながら、今日も芦原は、にこにこと笑っていたのだった。 |
| ─ fin. ─■■ | |
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