ありがとう、中野友加里ちゃん☆

 沈丁花や梅の花がほころびはじめ、春ももうすぐですね。。皆さまお元気でしょうか?
私はこの冬はひどい風邪をひくこともなく、元気でやっています。そう、からだは元気なのですが、心は寂しさでいっぱい。4年間ずっと応援してきたフィギュアスケーターの中野友加里選手が引退してしまったのです。

 オリンピックの余韻がさめやらぬなかでの引退報道は、あまり多くの方の目に触れることがなかったかもしれません。昨年末のつれづれにも書きましたが、中野選手は12月の全日本選手権で僅差で他の選手に破れ、長年の夢だったオリンピック出場はかないませんでした。4年前のトリノオリンピックのときも調子はよかったものの、当時の選考基準では他の選手に劣っていて出られなかった。オリンピックのなかった07〜08年が彼女の成績のピークで、世界ランキングでも最高4位。イエーテボリでの世界選手権ではほぼノーミスで、トリプルアクセルも跳び、4位に入賞。会場からはわれんばかりのスタンディングオベーションが起きました。それがオリンピックの年に当たらなかったのが残念ですが、これも運命なのでしょうね。

 昔から華やかなフィギュアスケートは好きでしたが、2005年のNHK杯で優勝した友加里ちゃんを見て、きれいで優雅なスケーティング、かわいらしい表情にすっかり魅了されました。浅田真央ちゃんと安藤美姫ちゃんばかりが注目されますが、私は友加里ちゃんの不器用にさえ思えるひたむきさがとても好きだった。努力し続け、どんどん強く、そしてきれいになっていく姿を見るのが嬉しかった。世界一といわれるドーナツスピンをご記憶の方も多いでしょう。トリプルアクセルは判定が厳しくなって、だんだんチャレンジしなくなってしまいましたが、最後の全日本選手権で、本人としては苦手な、でも決まれば高得点がもらえるトリプルルッツを2回入れてきた根性には惚れ直しました。オリンピック出場はかなわなかったけれど、3月中旬の世界選手権には出場予定だったので、楽しみにしていたのですが、怪我で思うように演技できないとのことで辞退、続いて引退コメント発表となりました。この春からテレビ局に就職すると報道されていたので、この日がくるとはわかっていましたが、もう一度は滑りを観られると思っていただけにショックです。

 でも、これも前にも書きましたが、彼女が決めた道なのだから応援します。私はフィギュアスケーターとしての、だけでなく、人間としての中野友加里さんのファンなのだから、スケート靴を履いていなくても、これまでの演技で勇気と感動をもらえたことに感謝しつつ、彼女の幸せを祈ります。プロになっても経済的には楽ではないらしいし、マスコミ関係の仕事をすることはオリンピック出場と共に彼女の夢だったらしいので、賢明な選択でしょう。友加里さん、ほんとうに長いあいだありがとうございました。人間の幸不幸は、どんな人でも平等で、プラスマイナスゼロだと思っているので、オリンピックに行けなかった分の幸せが、今後きっと彼女に訪れると信じています。

 そして、私がいちばん後悔していることが、ずっとテレビ観戦だけで、友加里ちゃんの演技を生で観にいかなかったこと。よく考えてみれば、昨年のうちにショーか試合に行かなければ観られないとわかっていたはずなのに、試合はさておき、ショーはまだいくらでも観られるような気がしてしまっていた。でも、公式ホームページも今月末で閉鎖されるようですし、4月からは一企業人として生きていくようなので、ショーへの出演もなさそうです。また今度、そのうちに、そのうちに。私はいつもこうして失敗する。失ってから、いつもその大事さに気づく。It Never Entered My Mind、そんなこと思ってもみなかった、ですね。いや、今回は思ってはいたのに、毎日の忙しさにかまけて後回しにしたのがさらにいけなかった。猛反省。次の機会もあると思わずに、限りある日々を大切にしなくては。

 最後に宣伝をひとつ。もうご覧いただいた方もいらっしゃると思いますが、YouTubeに、私のプロモーションビデオ第2弾「Smile」をupしました。今回は2月12日に行われた上野ジャズクラブアリエスでのバースデー&バレンタインライブのリハーサル〜本番の様子を、私の4thCD「IN CINEMA」収録のSmileのサウンドにのせてお届けしています。CDタイトルのインシネマに因んで、ちょっぴり映画風でもあります。1作目の「CALL ME」とはまた別の感じに作ってもらえて、とても嬉しく思っています。まだの方、ぜひご覧くださいね。こちらです。

 つらいときも笑ってごらん。いいこともあるから。春は別れと出会いの季節。私も頑張ろうっと。

大越 康子