毎日、悲喜こもごも

 急に寒くなりましたね。もはやコートなしでは出かけられません。私の部屋はわりと寒いので、早すぎる気はしましたが、ストーブも出して、朝と夜中は使いはじめました。かと思えば、今日は台風で、もう季節がいつなのかわかりません。昨日はスーパーマーケットに、ダウンのロングコートの奥様と、半そでのアロハシャツの若者がいました。今が何月だから、とか、こんな格好はさすがにおかしいだろう、とか抜きにして、ただその日の自分の体調にあった身支度だけを考えるべきかもしれません。

 さて、タイトルの「悲喜こもごも」は、私の好きな言葉なのです。人生楽ありゃ苦もあるさ、と同じ意味合いですかね。以前、私の友人でオリジナル曲を歌っている歌手が、何組もバンドが出るイベントで歌ったあと司会者に「今日はどうでした?」ときかれ、「う〜ん、そうですね。悲喜こもごも、といったところではないでしょうか?」と答えていたのが、とても印象深かったのです。この答え、まさに絶妙。彼女のバンドはベテランで、そのイベントでもトリだったし、それは素敵なパフォーマンスだったのですよ。でも、観客にはわからないところで、「打ち合わせとちが〜う」とか「リハーサルのときのほうがよかった・・」とか、逆に「うまくいかなくて何べんもリハーサルして不安だったけれど、本番はバッチリ決まった!」とかあるに決まっているのです。(というか、私の場合はいつもそう)なかなか正直にそうは言えずに、「楽しかったです」とか「来てくれたお客様ありがとうございました」とか言うと思うのですが。もっとも失敗した部分も全部ひっくるめて、それでも楽しいと思うから、ライブを続けているのですけれどね。

 で、最近の私に起こった「悲」のほうは、来春ライブが決まっていた調布の蝦澤珈琲店が来月で閉店してしまうこと。まあ、大分先の予定だったので、まだミュージシャンに依頼していなかったのは、不幸中の幸いでした。いいお店でしたが、やはり現在のご時世ではちょっと難しかったかもしれません。将来また機会があったら、是非歌わせていただきたいです。もうひとつは、来年あと1回出られれば、出演10周年を迎えられた水天宮ロイヤルパークホテルのスカイラウンジ・オルフェウスが,1月からはボーカルは休みにすることに決まったこと。当初、毎月出ていたのが、最近では2〜3ヶ月に一度になってきていましたが、10年前、自分ひとりでこのラウンジを訪ね、「素敵なお店なので、私も歌わせていただきたい、どうしたらいいでしょうか?」と営業したこともあって、大変に思い入れの深いラウンジです。もしも「また大越さんを出してほしい」とか「大越さんの出演、次回はいつですか?」というお客様からの問い合わせをホテルに直接していただければ、来年3月以降に《復活できるかもしれない》とのことです。12月15日(水)にとりあえず決まっている最後の出演がありますので、もしもよろしければそれ以降に、ホテルにお電話していただけますように、よろしくお願いいたします。(ロイヤルパークホテル代表03・3667・1111←20Fのスカイラウンジオルフェウスを、と頼んでまわしてもらってくださいね)

 なんだかお願い事のコーナーになってきちゃいましたが、そんなこんなで、先週は「悲」な出来事が続きました。でもちょっと遡ると、とっても「喜」なこともあったのです。前回のつれづれで書いたように、10月8日、御徒町アリエス出演10周年祝ライブを行い、たくさんの方々にご来場いただきました。お忙しいなか、来てくださった皆様、本当にありがとうございました。最終ステージ、バンドでの演奏が終わって、私が出て行こうとすると、バンドの3人から「10周年おめでとう。これからもよろしく」と、花束が!え〜びっくり!まさかバンドの皆からお祝いの言葉とお花をもらえるとは思ってもみなかったので、大感激。お花を受け取って、思わず「今、ここで泣いていいですか?」と聞いてしまったほど。お化粧が崩れるので泣くのはやめたけれど、このメンバーにめぐり合えるまでの色々な日が思い出されて、ほんとに泣きたいくらいでした。そのうえ、ステージが進んで、あと1曲で終わり、という時刻になって、高校時代の友人が文字通り、駆けつけてくれて、大感激!最後のStand By Meは、このままずうっと皆といられたらいいのに、、と思いながら歌っていました。今、思い出しても幸せな夜だったあ・・・。

 悲喜こもごもの「こもごも」は「交交」と書くんですって。毎日、いろんなことがありますが、一喜一憂せずに、その時にできることを、少しづつでも続けていこうと思っています。ずっと以前はほとんど毎日、歌う仕事をしていた時期もあったので、今もたくさん人前で歌わなくていけないのでは?と思ったりしますが、よく考えると、残念ながら昔ほど若くないので、あんまりたくさんライブがあっても体力・気力が続かないのです。なので、当面は仕事の本数を増やすことではなく、完成度を上げる方向で進んでみます。12月に備えて、クリスマスソングの準備もしなくては。そうそう、クリスマスソングのPVももうすぐ製作予定なのです。ドキドキ。完成したら、またYouTubeでご覧いただけるようにしますね。どうぞお楽しみに☆

大越 康子