夏休みの日記



  今年の夏休みは8月11日から16日で、実家のある秋田に帰りました。私はここ何年もお正月、ゴールデンウィーク、お盆と年に3回帰省しています。あまりに、毎回帰るので「秋田に恋人がいるんじゃないか」「いや、隠し子が・・」とかいうご質問を受けたりしますが、残念ながらそうではないということの証明も兼ねて(?)、とっても久しぶりに書く、夏休みの日記です。

  8月11日(土)朝7時起床。前夜、帰るやいなや寝てしまったので、これから帰り支度をしなければいけない。新幹線は13:25東京発。急げ。掃除、洗濯、荷造り。休みといってもその間にやりたいことはあるので、その用意。今回は名刺整理と手紙書きだから、住所録と便せんセットを鞄に入れる。ポータブルMDも忘れずに。新聞販売店に休みの連絡をしたり、留守番電話のメッセージを吹き替えたり、一人暮らしで何日か留守にするのは、なにかと手間がかかる。この週のライブに来て下さった方にお礼メール書き。メールアドレスのない方には秋田から郵便を出すことにして、なんとか準備が出来、お昼すぎに家を出て東京駅へ。奮発して1000円の「のんびり小町弁当」(きれいで、おいしい。女性にオススメ)と週刊文春を買い、秋田新幹線こまち15号へ。
  私は飛行機は苦手。どうしても足が浮いている感じがしてだめなんです。秋田まで直通の新幹線ができて、本当に便利。景色を眺めつつ、お弁当を食べて、文春を読み始めたとたんに眠ってしまい、目が覚めたら盛岡。MDでこれから覚えたい曲を聴いているうちに、17:36定刻どおり秋田駅着。迎えに来てくれた父の車で家へ。16日から秋田でワールドゲームズが開催されるとのことで、町のあちこちに万国旗がはためいている。母の手作りカレーの夕食後、午前中の続きでお礼の手紙書き。入浴後、23時頃就寝。午前0時より前に眠るのは1年に数えるほどしかないが、たいてい実家に帰っているときだ。

  8月12日(日)さすがに朝晩は涼しく、気持ちよかったのか10時まで眠る。甲子園の第一試合。秋田代表の金足(かなあし)農業高校は、残念負けてしまった。両親と市内のスーパー長崎屋へ買い物に行く。私がいま住んでいる桜新町には大きいスーパーはないので、商品が多くきょろきょろ。どっちが都会かわからない。店内の100円ショップにも行ってみる。これも家の近所にはないので珍しく、商品に見入ってしまう。その後、近所に住む祖母の家へ。叔母も来ていて皆でお茶。祖母の家の庭はお花や野菜でいっぱいで私の大好きな場所。この時期はきゅうり、なす、みょうがが採れる。きゅうりの収穫をもらって帰る。夕食後、あとかたづけ。作るのは苦手でもお皿洗いとかたづけは好きなので、得意なほうだけ手伝って、夜は手紙書き。1時過ぎ就寝。

  8月13日(月)8時起床。今日は能代市へ父方のお墓参り。朝食後、慌ただしく9時半に車で出発。能代まで1時間半はかかるのだけれど、父しか運転できないので替わってあげられず申し訳ない。かといって私のような運動神経のない人が運転免許を取ろうとしたら、そのほうが親は心配かもしれない。都会に住んでいるからいまはいいけれど、将来郊外に住むことになったら、やっぱり運転できないと困るんじゃないかな・・・。どんなオバサンでも何とかかんとか取れているんだから、私も時間をかければ大丈夫取れるかな、まず視力が悪いからメガネ作らないと・・、などととりとめのないことを考えているうちに能代到着。お墓参り。さすがに13日。ものすごく混んでいた。スーパーサティ内のおそば屋さんでお昼、またサティ内の100円ショップをのぞく。母は2つで1キログラムの小さいダンベル、私はマッサージグッズを買う。帰り道ラジオで小泉首相靖国神社参拝のニュースを聴く。夜はまた手紙書きと住所録整理。11時半就寝。

  8月14日(火)8時起床。今度は母方のお墓参り。こちらは秋田市内。朝食後、祖母の家へ寄り、叔父の車で両親と私との4人で行く。祖母はお留守番。昨日とはうってかわって人はまばらで静か。お墓参りってなんとなくおままごとみたい。お墓を掃除して、きれいにお花やお線香やお菓子を飾って・・。変かもしれないけれど、私は好き。このお寺には昔祖母の家にいたコロという犬のお墓もあって、こちらにも忘れずにお参り。幸せな犬。私は覚えていないけれど。帰り、またしても100円ショップとマックスバリュという大きいスーパーで買い物。もう100円ショップ評論家になれそう。その後祖母の家で皆でお昼ご飯。今日もきゅうりの収穫をもらって、夕方自宅へ帰る。するとテレビで「開運!なんでも鑑定団」の再放送をしていたので、楽しく見る。テレビ番組って、にぎやかだったりショッキングだったりして、見ていると疲れるので東京ではテレビを置かないのだけれど、この番組はお気に入り。誰がこういう企画を考えついたんだろう。まったく害のない、楽しい企画。お宝が出てきそうな音楽もいいなあ。この番組はコーヒーではなく、日本茶を飲みながら観たい。この日はテレビの当たりデーで、夕食後は「クイズタイムショック」「TVタックル」。テレビを観ている間はよかったが、寝るときになって考えてしまった。将来、うちのお墓はどうなるんだろう。私も弟もいまのところ東京にいるし・・。秋田にいると気持ちがゆっくりしていて、東京であくせく生活しているのとは大違い。でも、これはたまの休みだからなんだろうな。秋田に帰っても、歌う仕事はないだろうし、歌どころか違う就職口だって見つけるのは大変だ。帰れば帰ったで、地方ならではの人間関係とかきっとあって、都会のクールさが恋しくなるのでは。結局、両親が元気でいてくれるから、私もこうして好きなことをしていられるんだな、と実感。私が職もなく秋田に戻っても、親はかえって心配だろうし、やはり結婚するのが一番安心なのかなー。でも遠くで結婚したって、何かのときにはどうするんだろう。うーん・・・。当然、結論は出ないまま12時前に就寝。

  8月15日(水)8時すぎ起床。明日はもう帰るのでステーションデパートへお土産を買いに行く。ここも当然のごとく、混んでいた。あらかじめ決めていたとおりお土産を買ったあとはイトーヨーカドーでもう日課のように100円ショップとお買い物。帰り、祖母の家でお昼ご飯。午後は荷造り。お土産や荷物を翌日の夜必着で宅配便で送る。
  夕方、また「なんでも鑑定団」再放送を観て、夜は何をするでもなくのんびり過ごす。お風呂あがり、母にマッサージをしてあげた。この日は暑くて(この夏一番の暑さで32度以上あった)、珍しく寝付くまで時間がかかった。

  8月16日(木)10時起床。部屋を掃除して手荷物をまとめる。食事後、12時半家を出る。駅は昨日よりは人が少ない感じ。いよいよワールドゲームズ開催の日で、市内には外国人の姿もちらほら。両親が駅まで送ってくれて、13時26分発のこまちに乗る。
  いつもそうだが、お休みはあっと言う間に過ぎてしまう。次は年末かな。私は一体いつまでこういうパターンで帰省できるのかな。もし、結婚したらこんなにひんぱんには帰れないだろうなー、などと別に具体的な予定があるわけでもないのに考える。車中、最近直木賞をとった女性作家の短編集を読む。でも、憎しみを持っている夫のスープの中にゴキブリを入れる妻が出てきたりして、嫌になってしまった。こういうのを「心の襞」とか言うのだったら、私は理解できなくてかまわない。お説教好きのおじ様方は「だから君の歌には色気がないんだ」とか言うに決まってるけれど。でも、私は単純でわかりやすく、透きとおったものが好き。現実の世の中だけで嫌なことはいっぱいなのだから、せめて小説のなかではもっと気分よくいたい。今度のお休みはやっぱり江國香織さんを読もう。彼女の作品なら間違いなく、透明な世界に行ける・・、などと考えているうちに定刻どおり東京着。18時前でも東京はまだ明るい。家に帰ると、お礼状を書いた方からの返信メール、郵便がたくさん届いていて元気づけられる。夜には荷物も届いて、これで私の夏休みは完全に終わり。早寝のくせがついてしまい、11時半就寝。

  少し長くなってしまいましたが、秋田では毎回こんな感じで小学生のような毎日を送っています。まさにお休み。いまは新学期が始まったばかりといった気分です。そして今学期の目標は「早寝早起き、規則正しい生活を」なのです。これもジャズ歌手のイメージを裏切るような目標ではありますが。

 


大越 康子