Everything Must Change

 沈丁花の香りが漂いはじめましたね。
春は出会いと別れの季節、といわれるように、私のまわりでも海外や地方にに転勤する方、郷里に帰る方、転職する方などたくさんです。今までと同じ頻度でお会いできなくなるのは寂しいですが、今はこうしてインターネットがあるおかげでメールでもフェイスブックでもすぐに連絡が取れるように思います。

 別れといえばとても残念なのが、3月いっぱいでNHKテレビの「週間ブックレビュー」が終わってしまったこと。21年も続いた長寿番組で、紹介される本のなかには、ふだんの自分では決して手にとらないであろうものも多々あって、世界が広がりました。話題の新作を発表した作家を迎えてのインタビューコーナーもよかったなあ。ああ、あの文章を書く人はこんな声で、こんなしゃべり方をするのか(新聞や雑誌に作家の写真が載ることはあっても、テレビで見られることはあまりないので)と思ったり。そして司会(かつてはサブ司会)として出演していた中江有里さんのファンになりました。彼女は、元アイドル(?)で、今は女優業のほか、脚本や文章を書く仕事で活躍しています。「30歳をすぎたら女優としての仕事も少なくなるので、だったら自分で脚本を書いてみよう」と思ったのだとか。サブ司会者として毎週出演していた頃には、番組での書評のため年間300冊以上の本を読んでいたのですって。ブログを読んでも、とても真面目で努力家なことがわかります。テレビで姿をみられる機会は減ってしまうのかもしれませんが、4月から小説を連載するようなので、こちらを楽しみにしています。

 その中江有里さんが、8年間出演した番組終了について、次のようにブログに書いています。
‘わたしは「週刊ブックレビュー」の一司会者で、21年前に始まった番組に2004年から参加し、今日まで参加していた一人です。番組の立ち上げも、この度の終了についても、詳細について何も知らされていないし、すべてを知らなければならない、ということもありません。
これまでの、他の仕事と同じです。ある日呼ばれて参加し、ある日終わりを告げられる(最初から期限が決まっているものもありますが)
だから、仕事には思い入れは持ち過ぎない方がいいというのが、わたしの主義でした。今もそうです。一旦受けた仕事は、どんなものでも自分の力の限りを出す。でもあまり個人的な思いを込めすぎると、ある日突然終わってしまった時のダメージが強すぎて、しばらく立ち上がれなくなる。そうならない為に、なるべく個人的思い入れを捨てます。
それはある意味、自分を守るための盾なのかもしれません。‘

 これは、私の仕事に対する思いと全く同じです。仕事だけでなく、お客様をはじめ、まわりにいる人に対しても。どんなに私が「もっとこの仕事をしたい」「いつまでもこの人にそばにいてほしい」と思っても、終わってしまう仕事もあれば、離れていく人もいる。それは仕方のないことなのでしょう。努力してもうまくいかないときは、きっと「他のことをしたほうがいいよ」と神さまが教えてくれているのだと思って、執着しないようにしたいです。といっても、簡単に達観はできないのですけれどね。努力します。

 4月はじめの今日は快晴。昨日の春の嵐が年度末にすべてを吹き飛ばしてくれたのでしょうか?皆さまに、そして私にも、あたたかで晴れやかな春が来ますように♪
 新年度もどうぞよろしくお願いいたします。

大越 康子