今を大事にするということ

 今日で10月も終わり。お店ではハロウィンの飾りつけもすっかり定着したようですが、実は何の日なのかよくわかっていません。アバウトには西洋のお盆というイメージですが。東京ディズニーランドでハロウィンのイベントを始めたのは2000年だったとか。わりと最近(でも干支ひと回り!)ですね。そこへいくとユーミンこと、松任谷由美さんはすごいです。1979年発表のアルバム「Olive」に収録されている「りんごの匂いと風の国」という曲のなかで何度も、ハロウィン♪という歌詞を使っているのですから!冬に向かう季節に別れを経験する寂しい感じの曲ですが、メロディーがとてもきれいで好きな曲です。やっぱり音楽も季節にあったものを聴くと、より感慨深いですね。

 しかし今日がハロウィン当日なのに、昨日の夕方、近所のスーパーに行ったら、棚の一部がハロウィンからクリスマス用品に替わっていました。いくらなんでも10月からクリスマス〜?ちょっと早すぎるのでは?11月だって七五三もあるじゃない!けれど、七五三はお祝いできる該当者が少ないから、商売上のメリットがないのかな。私の仕事では、クリスマスのステージの準備はもっと早くから企画されるのですが、街中や家では早すぎるとクリスマスのときめきが薄れてしまう気がします。でも最近は、季節行事はすべて前倒しですよね。クリスマスの次はお正月、バレンタイン、雛祭り、子供の日、母の日、父の日、お盆、お彼岸、お月見、この次がハロウィン?抜けているものもあるかもしれませんが、おしなべてどんどん宣伝が早まって、その分、旬の季節を実感できなくなっています。お洋服も同じ。実際の季節よりずっと先のものを売っているので、いまひとつ買う気がおきません。これは確かデパートなどの業界でも問題になっていませんでしたっけ?気象事体が異常で、これまでの季節感にあてはまらなくなっていることもありますが、もっと今、現在の季節を楽しみたいものです。

 といいつつ自分も反省。季節のことではないのですが、私はいつだって将来のことを不安に思いながら過ごしているのです。その将来というのも、何十年も先のことならまだしも、来月はちゃんとお仕事があるかしら、といった非常に情けな〜いものなんですが。お仕事をもらうためにいろいろと宣伝したり、営業したりはいいのだけれど、あれはどうしてうまくいかないんだろう、あの人がこうしてああしたからダメになったのでは?などと、考えてもわかりはしないことを、あれやこれや推測して、実務が止まってしまう。ものすごく時間のムダですね。ダメなものはダメなのだから、すっぱり諦めて、今できることだけをすればいいのに、どうもウツウツしてしまう。でもそれは、現在という時間を大事にしていないから、ですよね。現在できることだけに集中していれば、余計な心配をするヒマもないはず。不安でウツウツしていても、楽しく過ごしても、流れる時間は同じなのだから、有意義に過ごさなくては。いつも「ないもの」を求めてしまうけれど、「あるもの」に感謝して大切にしなくては。だからお仕事の準備以外では、まだクリスマスグッズはそろえずに、深まりゆく秋をゆっくりと満喫します。

 11月半ばになったら、紅葉を見に、近所の公園にお散歩に行ってみようかな。

大越 康子